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2025.01.01

「サスティナブル・ウォー」の時代

 2025年、明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるのか?いろいろ思うことはあるけれど、うまくまとまってこない。一番の理由は、トランプ氏が米国大統領に復帰したらウクライナ戦争も事実上終わるかと思っていたのだが、どうもその見込みは甘そうだ。戦争の双方にとって、継続することに利益があるという最悪の状態のようなのだ。というところで、これは攻殻機動隊の「サスティナブル・ウォー」みたいな状況だなあと思い、ところで、「サスティナブル・ウォー」って真面目な概念なのかとGoogle Deep Researchにかけたところ。次のようなレポートを作り出した。


Sustainable War:持続可能な戦争という概念
序論
 近年、国際社会における安全保障環境は複雑化の一途を辿っており、武力紛争の長期化、激化、そして環境破壊への影響も深刻化しています。こうした状況下において、**Sustainable war(持続可能な戦争)**という概念が登場し、議論を呼んでいます。本稿では、Sustainable warという概念を多角的に考察し、その定義、歴史的背景、現代における意義、批判的な視点、関連する概念、そして将来展望について探求していきます。
概念の定義
 Sustainable warとは、戦争の遂行に伴う環境負荷、経済的コスト、人的損失などを最小限に抑え、長期にわたって継続可能な戦争を指します。 従来の戦争が、国家の資源を総動員し、敵対勢力の殲滅を目的とするのに対し、Sustainable warは、限定的な武力行使、精密誘導兵器の活用、民間人への被害抑制などを特徴とします。戦争は破壊的な行為ですが、現代の戦争においては、長期化、泥沼化の傾向が見られ、従来の総力戦のような短期決戦は減少しています。 このような状況下では、戦争の継続的な遂行を可能にするための、新たな戦略、戦術、そして倫理的な枠組みが必要とされています。
 学術的な観点から見ると、戦争は、その目的を達成するために、あらゆる手段を用いることが許されるとする考え方と、国際法や人道主義の観点から、一定の制限を設けるべきとする考え方の二つが存在します。 Sustainable warは、後者の考え方に基づき、戦争の遂行に伴う負の側面を最小限に抑えようとする試みと言えます。
 Sustainable warを実現するための具体的な手段としては、以下の点が挙げられます。
  - 環境負荷の低い兵器の開発・利用 
  - 再生可能エネルギーの利用 
  - 民間人への被害抑制 
  - 限定的な武力行使 
  - 精密誘導兵器の活用 

 おいおいお前は何を言っているんだと思った。が、Google Deep Resarchは既存情報をまとめているだけなので、ハルシネーションではないはずだと思い、該当リンク先を見て考え込んだ。結論から言えば、案の定、Sustainable Warなんていう用語はない。が、資料を読んでいくと、いかに戦争をサスティナブルにするかという議論はあり、実質、サスティナブル・ウォーと理解しても間違っているとも言いかねる。つまり、攻殻機動隊の想像力が現実を捉えていたのだろう。
 Google Deep Resarchでは攻殻機動隊の直接的な言及がないのもどうかと思うが、この概念は、2020年4月からNetflixで配信された『攻殻機動隊 SAC_2045』にある。これはシリーズ初のフル3DCGアニメーションを採用していて、私のような世代にはサンダーバード的な面白さがあると思うが、それなりにモーションキャプチャも使っていて、動きはリアルだ。この物語の設定は2045年、全世界同時デフォルトによる経済危機とAIの急速な進化により、各国は市民社会から確立しつつも軍産共同体の経済活動のために「サスティナブル・ウォー(持続可能な戦争)」を実施している。
 放映は、2020年というから、ウクライナ戦争よりも以前で、私の見解ではウクライナ戦争はまさに攻殻機動隊のサスティナブル・ウォーになってしまった。
 そうして見ると、ウクライナ戦争の現下の問題は、そのサステナビリティにある。旧来の戦争概念であれば、戦争は国会が予算承認して行うもので、お金がないと議会が判断したら戦争は終わるものだったが、ウクライナ戦争は、議会予算よる歯止めがなく、西側の金銭・兵器投入によってサスティナブルになっている。と、したいところだが、その視点で見ると、人的リソースが大きく欠落しはじめた。ウクライナ兵士が足りないのである。このため、米国側では、ウクライナの徴兵を18歳以上にまで引き下げるように実質ウクライナに勧告しているが、現状ではウクライナはこれを推進できないでいる。というのも、すでに兵士の管理や徴兵とその関連処罰の管理が限界になっており、どうやらウクライナとしては国民の離反感情を恐れて兵役を18歳にまで実質引き下げられないか、あるいはそうしたとき、ウクライナの若い世代の消耗からウクライナ国家がサスティナブルでなくなる限界が見え始めているようだ。対して、ロシア側はまだまだ人的リソースには余裕があり、北朝鮮などから国家的な傭兵が可能である。もっともそう考えるなら西側としてもウクライナに兵を供給すればいいわけだし、フランスのマクロン大統領も実際にそれを示唆しているのが、現状として西側は金銭・兵器以上に組織的に兵士を提供する動向は見られない。
 つまり、サスティナブル・ウォーとしてウクライナ戦争を見たとき、兵士という観点でのサステナビリティの限界が来てしまったことになる。今後はこれをドローンやAIで補えるかだが、こうした転機はむしろこのウクライナの戦争で始まったものだろう。
 問題は、しかしおそらくウクライナの戦争ではなく、西側とロシア・中国さらに拡張BRICSの背景にあり、いかに局所的な戦争が国際的にサスティナブルであるかが問われるのだろう。その意味で、時代は新しい冷戦の時代というより、戦争を国家権力や軍産共同体の経済の維持装置としていかにサスティナブルに継続できるかという時代になったのだろう。

 

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