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2024.11.21

中国とロシアの観光が急成長

 日本でも新型コロナ騒動が収束し、また円安もあって海外からの旅行客が増加し、観光産業が再び興隆しているが、こうした観光産業が活気を示しているのは、隣国でも同じようだ、といってこの隣国は、ロシアと中国である。
 2024年、ロシアと中国の観光活動は過去に例を見ない成長を遂げている。2023年8月に再開された両国のビザ無し団体旅行制度により、通常のパスポートがあれば、5人から50人の団体が最大15日間、相互に両国を訪問できるようになった。この制度は2000年に導入されたものの、新型コロナ騒動の期間中は一時停止されていた。現在、中露両国間の強固な経済的つながり、簡素化されたビザ規則、地理的な近接性により、観光業界の専門家や関係者は、今後の中露観光の成長に対して楽観的な見方を示している。

中露観光業界の現場
 吉林省琿春市の観光部門からは、ロシアからの観光客数は今年急増し、5月以降、ロシア語ガイドの需要が高まっているとのことだ。例年なら、両国間の観光客の流れは9月末から減少するが、今年は冬季まで活況が続きそうだ。同市で12人のガイドを擁する会社では、5月から9月までの間に約6,000人のロシア人観光客にサービスを提供した。観光業界の専門サイトも、中露間の観光関係の今後の展望について楽観的な見方を示している。また、中国からロシアへの観光も、ビザ規則の簡素化と短い移動時間で活況を呈している。モスクワ、サンクトペテルブルク、ウラジオストクといった従来から中国人観光客に人気の観光地が、さらに多くの中国人を惹きつけている。
 沿海地方の観光局によると、2023年には12.95万人の中国人観光客を受け入れ、2024年の最初の3か月だけでも約4.9万人が訪れた。中国人にとっては、吉林省や黒龍江省を訪れる際、その延長でロシアも訪問したいと考えるようになった。そこには、中国とは大きく異なる建築様式を含む現地の文化が、観光客を魅了している。

国境都市における観光
 黒龍江省の黒河港では、1月から7月末までの国境通過が36万件を超え、前年同期の3倍に達した。2023年には黒龍江省を訪れた外国人観光客31.7万人のうち、90%以上がロシアからの観光客である。特に6月から8月の夏季観光ピーク時には、264,882人もの旅行者が中露国境を往来し、過去最高を記録。黒河市は中国人観光客の間でも、その立地とロシア風の建築様式により人気を博している。背景には、交通インフラの改善とよりきめ細かな観光政策があるようだ。
 こうしたなか中国政治協商会議は、黒龍江省における中露文化観光ベルトの創設を提案した。このプロジェクトは18の国境地域と19の港を結び、ロシア人観光客のより迅速で便利な中国へのアクセスを実現することを目指している。中央政府からの資金支援により、道路や鉄道などのインフラ整備も進められる予定である。この構想は、単なる観光ルートの整備を超えて、両国間の文化交流を深め、経済発展を促進する総合的なプロジェクトとして位置づけられている。
 黒河市の各地では、中国語とロシア語の看板が多く設置され、店員の多くが日常会話レベルのロシア語を話すことができる。アムール川を挟んでわずか700メートルの距離にあるブラゴベシチェンスクからは、フェリーや水上バスで5分程度で渡航が可能。2024年6月から8月の夏季観光ピーク時には、264,882人の旅行者が中露国境を往来した。2024年の最初の7か月間の観光収入は90億元に達し、前年同期の2倍以上となっている。レストランの話では、ロシア人客は甘い料理や揚げ物を好む傾向があることのことだ。そして、ロシア観光客は、感謝の気持ちから、チョコレートやキャンディーを贈ることもあるのことだ。

参考:В 2024 году число россиян, посещающих Китай, резко возросло

 

 

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