『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』の平塚静先生と「セブンスター」
アニメ『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』の最終シーズンの前回、平塚静先生の喫煙シーンが出てきて、奇妙な違和感を感じた。
女性教師が喫煙しているとか、あのシーンのコンテクスト的な意味については、さして気にならない。気になったのは、彼女が吸っていたタバコの銘柄である。"Second Star"と読めたように思えた。という以前に、そのデザインからして、「セブンスター」であることは間違いない。
なぜ、あのシーンでセブンスターなのだろうか? それほど意味がないのかもしれないという前提はとりあえず置く。ただ、そもそも商品銘柄に意味があるのかといえば、同シーンにおける「マッ缶」が重要な意味を持っていることは明らかなので、そこで「セブンスター」だけさして意味がないとするのも、あまり整合的ではない。
気になって原作を調べたが、あのシーンでの「セブンスター」の示唆はない。彼女の他の喫煙シーンでそれがあるかは、原作は既読だが、記憶にはない。全検索してみたい気もするが、ないのではないか?
とすると、先の話と矛盾するが、アニメでの解釈としてのセブンスターとは言えるだろう。それはそれとして、では、なぜ、平塚静がセブンスターとアソシエイトされているのだろうか?
つまらない妥当な答えは、日本のタバコといえば、セブンスターだからとはいえるだろう。アジア受けもよかった。
ただ、セブンスターというのは、どっちかというと昭和のタバコで、現代ではもうおっさんしか吸わないだろうし、そもそも売れ筋ではないのでは。
と、コンビニ売上の上位銘柄をざっとみたら、セブンスターは一位でした。というわけで、普通に「日本のタバコといえば、セブンスターだから」で落ち着いてもよさそうだ。
ただ、今回、あのシーンを見ながら、原作への解釈として、平塚静先生の若いころ、年長の人を愛した経験のようなものが込められていた、というのがあるだろうか、と思った。原作的に呼応するは、「お互いがお互いの事を想えばこそ、手に入らない物もある…けれど、それは悲しむべき事じゃない。たぶん、誇るべき事なんだろうな」だろう。
少し距離を置いて『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』という作品を振り返ってみると、この物語の核は、高校2年生の比企谷八幡と30代教師平塚静の恋物語と読めないことはない。『言の葉の庭』と累計というか。
というか、そういう読みがエンディングのあれに結びついているのだろう。
余談だが、そうしたある円環が、一色いろはで、平塚静と通底しているのだろう。
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