京急「踏切の600m手前から信号見えず」って大ニュースだろ?
年を取ったせいか、大抵のニュースに驚かない。あるいは、驚くべきニュースなら、ニュースのほうで、事実より驚きを伝えてくれるので、まあ、そのお作法に則って驚いていればいいのだが、さらっとびっくりするようなニュースがあった。京急「踏切の600m手前から信号見えず」というのだ。おい、それは、驚くべき大ニュースだろ?
京急「踏切の600m手前から信号見えず」当初の説明と異なる
2019年11月12日 5時37分
ことし9月、横浜市で起きた京急線の脱線事故で、踏切内の異常を知らせる信号機について、当初、会社が説明していた踏切の600m手前からは運転士が目視で確認できないことが分かりました。京急は再発防止策として信号機の設置場所などを見直す方針です。
(中略)
京急は当初、踏切の600m手前から運転士が目視する事ができると説明していましたが、その後の会社の調査で、この地点からはカーブなどがあって目視で確認できないことが分かりました。
このため会社は再発防止策として、運転士が600m地点でも確認できるよう、信号機の設置場所などを見直す方針です。
え?!
ちょっと言葉が出ないぞ。それって、踏切に自動車が立ち往生したら、高確率でああいう事件になっても不思議ではありませんねえ、まあ、びっくりせず、お茶でも、といったお話なんだろうか?
違法性はないのか? というのも気になったが。
この信号機について会社側は、時速120キロで走行する快特電車が停止するのに必要とされる距離、およそ520mからは少なくとも確認できるとしていて、国の省令や社内規程に違反はしていないとしています。
京急はNHKの取材に対し「現在、対策は検討中なのでコメントは差し控える」としています。
うーむ、どこで、600mが520mになったんだ?
そもそも信号機などの鉄道施設は、国土交通省の「省令」に基づいて設置されています。
このうち「鉄道運転規則」という省令の中で、在来線は “非常ブレーキをかけてから600m以内に停止しなければならない” とされていました。
この「鉄道運転規則」は、鉄道車両のブレーキの性能が向上したことなどにより平成14年に廃止され、新しい省令には具体的な数値などは記載されていません。
ただ、強制力を持たない形で省令の解釈を具体的に記した、「解釈基準」と呼ばれるものには、「列車の制動距離は600m以下を標準とすること」という記述があり、今も業界の「慣例」として残っています。
うわーなんだろ、これ。
ちょっとびっくりしてどう反応していいかわからないけど、なんだかそもそもいろいろだめ過ぎなんじゃないだろうか?
幸い、死者を多く出す大事故にはならなかったけど、潜在的にこういう事態が放置されているというのは、どうかと思う。
ところで、この大ニュース、共同でも報道していた。ざっと見たところ、NHKと共同しか出していない。どっちかがスクープしたのだろうか? 誰が見つけたんだろうか? NHKが早そうなんだが。
そして、京急側は最初からこのことを知っていたんだろうな。なんか、闇が深い。
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