難病と社会支援についてごくわずかに
社会問題に関連する話題やブログで話題になっていることにはなるべくふれておこうと思うのだが、気が乗らない話題も多い。「さくらちゃんを救う会」を巡る話題もそれに近い。今回のこの話題に限らず難病支援の募金については、声高な支援者の人だけが救われるのかというやるせない思いが以前からあるし、特に米国での高額な医療が対象になる場合は、その医療を待つ人々のことも思う。私の誤解もあるかもしれないが、こうした問題は、お金があれば医療が受けられるというだけの問題ではなく、それを待つ他の人々の関係の問題があるかと思う。
支援の声が特定の誰かを救うという意図の場合、それと一市民としての自分がどう関わっていいのかそこもよくわからない。むしろ、一市民としての私は一般的な難病者と国や地方行政を介して関係を持つのではないかと考える。そうした場合、気になるのは、難病を扱う特定疾患の補助制度のありかたについてだ。
ニュースとしては八月九日に遡る。読売新聞”パーキンソン病と潰瘍性大腸炎、公費補助絞り込みへ”(参照)より。
治療困難で患者数の少ない「特定疾患」のうち、パーキンソン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎について、厚生労働省の特定疾患対策懇談会は9日、医療費を公費で補助する対象を重症患者に絞り込む方針を決めた。
パーキンソン病と潰瘍性大腸炎については、難病としての補助がなくなる可能性が高い。治療法が確立して難病ではなくなったから、というのではけしてない。理由は、大筋では公費削減ということではあるのだろう。
原則として患者数が5万人未満の疾患が選ばれるが、2004年度末の段階で医療費補助を受けた患者数は、パーキンソン病が約7万3000人、潰瘍性大腸炎が約8万人。この二つで特定疾患の患者全体の約30%を占めており、財源の面などから03年10月以降は追加選定されていない。
同省疾病対策課は「二つの病気の患者数は今後も増加が予想され、見直さざるを得ない」としている。
難病というより希有な病気ではなくなったということもあるようだ。もともと、特定疾患治療研究事業には、こうした難病に対する医学研究という含みもあり、そういう研究対象しては他の難病に向かざるをえない部分もあるのだろう。つまり、私の誤解かもしれないが、難病者の支援より、医学研究の側面の強いものだったのではないか。
行政としてはまず特定疾患対策懇談会の見解を厚労省が選定し、具体的な補助については全額自己負担か一部負担かを国と地方行政に任せる。この場合の地方行政のありかたについてどうなるか気になっているのだがよくわからない。北海道新聞”道難病連 難病助成の維持を 道議会に協力求める”(参照)などを読むに、厚労省の見解がなんであれ地方行政で補助の判断ができそうでもある。
読売新聞の記事では、「全国パーキンソン病友の会」斎藤博会長による、「高齢患者も多く、厳しい闘病生活を強いられている中、数が増えているだけで補助を絞り込む方針には納得できない」とのコメントも掲載しているが、潰瘍性大腸炎についての言及はない。
潰瘍性大腸炎については、UC・WAVEというサイトの患者数と発症年齢の情報(参照)があるが、次のような特徴がある。
患者さんの発症率に性別の差はなく、ほぼ1:1の割合です。発症年齢もあらゆる年代に分布していますが、20代をピークに10代~30代の若年齢層に多く分布しています。
![]() 潰瘍性大腸炎って どんな病気 |
あまりきれいごとですませることはできなのだろうが、難病を抱えながら生きていける社会のビジョンが必要だろうし、補助はその方向で模索されなくてはならないように思う。
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コメント
パーキンソン病の多くは外来薬物治療で対処できるので、コスト的には比較的小さな問題ではないでしょうか。ぜひ、認知症+慢性腎不全の入院透析患者さんたちの医療費についても扱っていただきたい。本人負担は特定疾病療養で月1万円ですが、コストは入院患者の場合、約100万円かかってます。むろん、お年寄りでも腎臓以外はしっかりしている方には、積極的に負担を軽減するべきですが、認知症の寝たきりの方で、何年にもわたって入院透析を受けているケースが増えてきているのです。家族の見舞いも少なく、それなのに患者さんに対する年金を自分たちの生活に使っていると思われるケースもよくみられます。透析全体の医療費は約1兆円、毎年1割弱ずつ伸びており、人口の高齢化を考えると、今後そのようなケースはさらに増えていくでしょう。
投稿: 元臨床家 | 2006.10.06 18:15
>難病者の支援より、医学研究の側面の強いものだったのではないか。
「〜より、」かどうかは分かりませんが、その通りだと思います。私の家族も毎年地方自治体に難病認定のための書類を提出する身ですが、それには臨床データを都に研究材料として提供してよいかどうか、という質問項目があります。決してそれが条件という風には書いてありませんが、当然こちらとしてはイエスと回答するため、その回答がどのように認定に関わってくるのかは不明です。
家族の側からすると、原因や治療法が確立されていない場合の難しい所は最終的な落とし所が不明な点です。家族も医者も、どこまでやったらよいのか分からない。湯水のように最新の医療を施したとして延命したとしても、どれが効いたのかよく分からないということがままあるので、事なきを得た場合もどれを継続すべきなのか分からず、家族の体制としてのその後の計画を立てづらいということがあります。
投稿: stand_up | 2006.10.06 19:48
先年脳梗塞やって半身不随になっても医者には不必要に係るんじゃないと言い張る父ちゃんは気合の入った馬鹿だと思いますな。そして、そんな父ちゃんがこれからの世の中求められるんだろなと思ってみたり。
病気の程度にもよるけど、軽い病気のヤツはそもそも病院逝くなよ馬鹿って感じですかね。あと、言えば怒られるんだろけど、延命以外に処置の無い重病者はそのまま見殺しにしろよボケって感じ。幾ら金食っても足りんだろがそんなもん。
基本的に、家族の介護無しだとキツイかなって感じの病人は死ねってことなんだけどね。で、介護すれば十分間に合うのに我が侭言って介護しない家庭は三族皆殺しでいいよ別に。って感じも。
↑のケースにあるような年金ネコババファミリーなんかは九族皆殺しでもいいと思うけどなぁ。
病気云々難病云々以前の馬鹿が大杉だろ。普通に。
投稿: ハナ毛 | 2006.10.06 20:00
当たり前に生きて当たり前に死ぬことすら満足に出来ない馬鹿に世間一般がアレコレ世話すること無いよ。放っとけそんなもん。
投稿: ハナ毛 | 2006.10.06 20:02
モノにもよるけど、軽い横領や入院保険搾取程度のことだったら、むしろ医者のほうが要らん知恵付けるというか勧めてくる。双方得するからね。勧める相手は医局内の実力者の縁故だったり比較的商売繁盛してる自営業者だったり。一般人は相手にしねえのな。
先日親戚の法事に出たらそういう系統の話で大いに盛り上がっており「そうですね」とか笑いながら内心死ねと思う私は何時まで経っても子供だぜベイベーっていうか。真言宗はろくなもんじゃねえ。
投稿: ハナ毛 | 2006.10.06 20:53
お疲れ様です。
投稿: ハナ毛うぜえ | 2006.10.06 22:43
教育と医療という双子の社会主義国を抱えきれなくなった。
ヤブ医者はいなくなったのか?Noですね。
ボトムアップ天国の欠陥。再構築できなければソ連とおなじ。
投稿: きりかぶ | 2006.10.06 23:33
散髪屋の顧客満足度というアキレス腱は宿命的なもの。
ウラジミールではなくてマーガレットがきてくれますか?
固執して本丸の金融を持っていかれたのでは、なんのこっちゃと。
衆愚に陥らない為に。
投稿: きりかぶ | 2006.10.07 10:44
コメント欄の流れが良くわからないのですが、現場としての実感は「元臨床家」さんの言うとおりです。慢性期の潰瘍性大腸炎の方は若くてエネルギーもあるし、たいてい普通に仕事しています。困るのはペンタサの量が多すぎて飲むの大変とかステロネマやりたくないとかそんなところです。重症化すればきちんと公費負担してくれるならそれでよいはずです(最近しめつけが厳しくなりつつある特定疾患の更新でも、全般的に少しでも悪化の傾向があったり改善傾向になければ間違いなく認定してくれています)。
特定疾患のデータをもとにした有用な研究というのはいまだかつて見たことがありません。大学の先生もあまりやろうとしていないと思います。
投稿: Aspirin | 2006.10.07 18:56
病気は大変です
投稿: sankyo | 2008.06.11 17:18