某市場の動向によるとブッシュ好調
私は今の米国の外交・軍事政策がいいのか率直に言うとよくわからない。ブッシュ再選を支持しているわけでもない。感覚的に言うと、また四年間ブッシュですか、はちょっと退屈かなとも思う。メディアの側から米国の世論動向を見ていると、現状ではブッシュやや有利という感じのようだ。米メディアの論調は基本的に民主党よりなのだが、ケリー陣営のアピールはなんとなく空回りしているようにも見える。日本政府はといえば、すでにブッシュ再選を織り込んで行動しているふうな印象も受ける。
そういえばと思い出して、アイオワ電子市場(Iowa Electronic Markets)(参照)の米大統領選を覗いてみて、ちょっと驚いた。と、その前にアイオワ電子市場について簡単に説明しておくと、対象は政治だけと限らないのだが、大統領選挙といった世論動向を先物取引市場に見立てたものだ。投資額は一ドル単位といった低額なので、予想が合っていてもおよそ収益にもならない。このことからわかるように、教育的に遊ぶというのがその趣向だ。運営も非営利教育機関アイオワ州立大学である。日本でも大学改革が叫ばれているがこうしたセンスのある大学って見あたらない気がする。はてなのアンケート機能を拡張すればいいと思うのだが、日本だと法的な規制がありそうだ。
で、アイオワ電子市場で驚いたのは、これ、政治市場の大統領選のチャート"2004 US Presidential Election Winner Takes All Market"(参照)だ。詳細な意味は私もよくわかっていないのだが、粗方の意味は一目瞭然といったところだろう。ブッシュとケリーの相場のチャートなのだが、九月に入ってブッシュがぐんぐんケリーを引き離している。七月八月は両者ちょぼちょぼといった感じなのと八月末はちょい上がりは共和党大会の影響かなくらいだが、そのちょい上がりを戻したあとは、ブッシュ独走といった印象を受ける。時期的にはれいのラザーゲート事件とかぶるので、主な出資者である学生たちの関心もそれに引っ張られたかなという印象は受ける。であれば、ブログの影響かとも買いかぶりたくなるが、そのあたりはそれほどはっきりしているわけでもない。
大統領選の市場についての解説は概要などをふくめてこちら(参照)にある。同ページにはFAQ(解説的Q&A)もあるので関心のある人は、英語だが、読んでみるといいだろう。
アイオワ電子市場はこれまでかなり高い勝率を示してきた。未来予想としてなかなか馬鹿にならない。しかし、それほど連勝というわけでもない。2002年の米国議会の中間選挙で予想を外してから、少し熱狂が薄れてきている印象はある。
アイオワ電子市場に似たこの種の賭けのサイトは他にもある。そうしたサイトをネタに、イラク戦争開戦前のことだが、「ブッシュ政権が国連安全保障理事会でイラク武力行使を承認する修正決議案を通過させるだろうか」という予想について、ワイアード日本語版「イラク問題を賭けの対象にするサイト:はたして読みは当たるか?」(参照)にちょっと面白い記事がある。現時点で見直すと、こうした予想は、未来予想というより、多分に民衆の熱気というか、マクロ経済学でいう「期待」のように鵺的な存在をうまく表現しているようにも思える。
話を今回の米大統領選に戻すと、アイオワ電子市場で見る限り、米国民はブッシュ続投ですかという期待が広まりつつあるようだ。私はブッシュを支持しているわけでもないしケリーを支持しているわけでもない普通の日本人だが、この状態がしばらく続くなら、懸念されたオクトーバーサプライズもないのではないかと少し安堵する。あるいは、オクトーバーサプライズはケリー陣形からかという懸念がないわけでもない。が、ラザーゲート事件(実はこの続報もあるのだが)のよい影響というべきか、ジャーナリズムが慎重になったことで、情報操作によるその可能性は減っているだろう。
ぼんやり思うのだが、これからブッシュ人気が今後がらっと変わる転換のような事態としてはどんなことがあり得るだろうか。そう考えてみてよくわからない。ラザーゲート事件の陰に隠れたちょっと気になるニュース"The Story That Didn’t Run"(参照)などもあるにはある。ただ、罵倒とかはすでにやりすぎて無効になっている感はある。
【追記(2004.10.03)】
第一回公開ディベート後、ブッシュは急落し、ケリーが急上昇した。

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