イギリスの大学学費値上げ
今朝の国内各紙社説は特に触れることもないだろう。端的にネタにならん。というわけで別の話。iLifeのGarageBandってAcid?、おっと、そんな話は極東ブログでやらんでもよろし、で、イギリスの高等教育法案についてだ。ブレアやったね、こいつなんだかんだ言ってもすごいよ、ジョンブルっていう感じだ。
話は、イギリスで大学の学費値上げを決めるにあたって、世論の一部が猛反発。これはドイツも韓国も似たようなもの。ブレアの場合、与党労働党の議員まで公然と造反しているので、下院審議で敗北かと注目されていた、って日本で注目していたか? 共同ではベタなニュースを流していた(参照)。
法案は、一律で年間1125ポンド(約22万円)の現在の学費を2006年から同3000ポンドを上限に、各大学が裁量で決められるようにする内容。導入されれば全国の大学の4分の3が3000ポンドまで引き上げるとみられている。
1ポンド200円くらいとして、大学の学費が年間60万円。え?って日本人は思うだろう。公選法違反者古賀潤一郎だってうらやましいと思うのではないか。なんでそんなんでもめるのだ。と日本人は思うし、実際、この法案は日本を参考にしてできたと聞いたことがある(裏なし)。
学費値上げの背景には、当然、財政の問題があるが、ブレアの意識は単に財政の問題というのではない。先進各国の大学進学率が半数を越えるようになったので、イギリスもそうした時代背景に遅れないようにしようということだ。それには、その体制が可能な制度に変えようと。見方によれば極めて労働党的ともいえる。もともとイギリスは階級制度がひどくて低階級だと大学なんか行かない。それ以前に学校自体に行かない家庭も多い。親も子供を学校に行かせるっていう認識がないことが多いので、厳罰の制度も作っている(親を刑務所に入れるまでする)。神奈川県が夜間徘徊の子供の親を罰するか、なんてネタで議論しちゃうような甘い世界じゃない。だいたい居住区つまり郵便配達区分を見るだけで、差別されるようなものだ。あいつら、だらか、日本に来ているとホットするっていう感じだった、というのは昔のことなので、私の認識が古いかもしれない。
共同のニュースからはわかりづらいが、これまで1215ポンドも安過ぎるように、実は以前は無料だった。私学もである、というか私学が少ないせいもあるが。そういう意味で、日本の旧文部省はうまくやっていたといえるかもしれない。もっとも、そのせいで日本社会は構造的なゆがみをおっている。余談だが、日本の大学のいいところは、フリーターを隠蔽することだ。すでに日本の大学は無試験同様になっており、知性のレベルなんて問題にすんじゃないよ、の、状態だが、社会の消費と労働力のバッファとしてはかなり有効な装置なのだ。
話を戻して、27日夜の下院では、賛成316票、反対311票の僅差。CNNニュースでは「大学授業料値上げ法案を僅差で可決 英下院」(参照)にある。ニュースはちょっと面白い。
ブレア首相は同日、同法案に反発していたニック・ブラウン元農漁業食糧相ら労働党主要議員の説得工作を行い、土壇場で賛成票へ転じさせた。野党保守党は、同法案が影響しないスコットランド選出議員が賛成票を投じたと批判している。
「同法案が影響しないスコットランド」というのは、そう、スコットランドは関係ない、というか、ウェールズとスコットランドはすでにほとんど独立している。外交・軍事ではイングランドと共同だが、教育・司法制度は独自のものだ。サッカーだけではないのだ。
とま、たいした話ではないが、ヨーロッパってやつはなと思う。頭固いよね。反面、世界動向で見ると、大陸中国人教育熱心だから、これから所得が上がれば、いろいろ世界は変貌してくるだろうと思う。すでにハイテク系は中国人ばっかだと思うのだが。
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コメント
新進の大学と仕事で関わることがあるので興味深く読ませていただきました。
バッファとはそのとおりかもしれません。
親が金を払って行く楽しい徴兵制みたいなものなのかな。
でもバッファからあぶれてぶらぶらする奴が多くなるよりは規律が取れていいかもしれませんね。
*以前神経質なイングランド人に「階級社会ってホント?」と聞いて激怒させてしまったので
たぶん日本からすると想像以上にガチガチの階級社会なんでしょうね。
投稿: ジャイアン馬場 | 2004.01.28 11:10
ジャイアン馬場さん、ども。最近、身近に英国人がいないのでちょっと様子がわからない面があります。かわんないだろうなとは思いますが。
投稿: finalvent | 2004.01.28 12:30