奨学金回収不能を嘆く
最新ではないが、NHKのニュースで日本育英会の奨学金回収不能の話があった。別に新規性はないのだが、この話は心痛む。
日本育英会が、学生などに貸し付けている奨学金のうち、1500億円余りの返済が滞っており、440億円あまりが今後も返済の見込みがないことがわかりました。会計検査院は、日本育英会に回収方法を見直すよう求めています。
延滞債権1500億円はすでに周知のことなので、どこがニュースなのかといぶかったが、440億円の焦げ付きが正式に認められたということなのだろうか。
ちとぐぐると、読売新聞サイトのマネーにちと古い情報がある。「フリーター返さず、9~5時 大甘取り立てで“不良債権化”」(参照)。取り立てが甘いぜということか。100人に付き13人はネグっているようだ。どういう了見なんだと記事を読むと、こうだ。
育英会によると、失業やリストラなどが理由で返還猶予を認めたケースは、99年度が1万7000人、00年度2万1000人、そして、01年度が2万5000人と急増し続けている。卒業しても就職できず、返済猶予を求める人も少なくない。
一方、奨学生、奨学生OBの自己破産者も増えている。年間1000人ペースで急増中で、現在、計5000人にも達している。当然だが、自己破産者への貸与分は、即焦げ付きということである。
へぇ~57点、という気もするが、全体から見ればこの数値はたいした意味などないだろう。むしろ、へぇ~62点は、延滞債権が年々単調に増加していることだ。
育英会は来年度廃止され、新設独立行政法人に引き継がれる。取り立ても外注化されるので、まぁ、厳しくなるのだろう。当然だなと思う。で、奨学金の制度自体はどうなるのだろうかと、ぐぐる。ほほぉという記事が出てくる。こうした点はネットは面白い。「日本育英会は廃止 銀行ローンへ」が良かった。それによると、独立行政法人移管によって、こう変化するらしい。
- 現行の無利子貸与は廃止。利率をあげる
- これまでの研究職・教職者に行っていた返還免除廃止。猶予は一切なし
- 民間委託などにより厳しく取り立てる
当記事ではこうした傾向をイカンと言いたいらしいが、私は基本的にいいんじゃないかと思う。特に賛成なのは、2番だな。だいたい研究職や教職者目当てにのんびり大学院にいるやつらって、大半はけっこう裕福だった。縁故も多く職に困るふうでもない。同類だと思われるのがいやで、なんだコイツラとか思ったものだ。もうちょっというと、そうして100万円からの金を棒引きにしやがって、むかつくとも思った。ま、当然、こうした思いはやっかみである。
1番の利率を上げるは賛成しかねる。と考えるに、ようは奨学金なんてものは銀行ローンでよく、むしろ利率部分を国なりが補助すればいいだけのことではないか。それがうまくいくなら、いっそ国がらみの奨学金は全廃していいだろう。
あと、大学時代を思い起こすに、幾たびか学業成績を盾に奨学金を貰った。10万円単位の金額だが、ちょっとした報奨金ってなものだった。あれは愉快だった。ああいう制度が行き渡るといいだろう。米国などではそれほど珍しいものでもないのだし。
話を戻して、自分も大学院時代の奨学金を支払っていたクチなので、滞納者の気持ちもわからないでもない。クリスマスが近くなると10万円ずつ返済した。今でいうフリーターみたいに過ごしていたこともあったので、年末の10万円はきついなと思った。
ある年、繰り上げ返済のオファーがあったので、ええいと思ってやってしまった。思い出せないが、14年払いが12年くらいになったのだろうか。いつまにかキャンパスを離れてそんな月日が経った。大学出てから14年という歌があるが(知らない?)、25歳まで大学院でうろうろして後ろめたい思いがしていた。あのころすでに歳食ったなと思ったものだが、今では30過ぎのオヤジがナンパとかしているものな、なにかと若年化している。地方大学でちと講師をしたおりも、講堂の鍵の開け閉めや生徒の入出・退出の整理指導など見て、こいつら高校生かよと思った。昔の高校生が今の大学生くらいなのだろう。
奨学金も完済すると寂しい思いがした。昔、大学の事務の人が、完済するとそれはそれで寂しいものですよと言ったことを思い出した。若いときは40歳過ぎてまで生き恥をさらすかよと思ったものだが、晒すものだ。完済する日はくる。完済する日は自分の青春へのちょっとした贈与の終わりであり、ちょっとこっそりと自分に祝福してあげてもいい。だから、滞納者諸君、貧乏しながらでも食を削ってもこつこつと返せよと思う。それが自分の誇りになるのだ。と、説教だ。私は焼きが回っているのである。
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