人工知能にエイプリルフールのネタを聞いてみた
そういえば、4月1日はエイプリルフールである。今年のネットの世界でのエイプリルフールのネタはまだ見ていないが、気になるし、懸念されるのは、GPTやMidjourneyに代表される人工知能の「悪用」だ。先日、トランプ元米国大統領が警官に揉まれて逮捕されるという偽の写真がネットで話題になっていたが、ああいう偽写真もこの一年間で、人工知能で誰もが簡単に作成できる世界になった。GPTのようなLLM(大規模言語モデル)だと、偽のニュースとかも簡単に作成できる。現状、GPTは第4版までできているが、この開発を推進している団体Open AIとしては、こうした事態を踏まえ、第5版以降の開発にはなんらかの倫理的な歯止めが必要だと考えているらしい。確かになあ。人工知能がさらに発達していけば、効果的なテロの計画なんかも問われれば作成しかねない。知性というのは、発達すれば悪になりかねないものだ。
こうした懸念や期待の基本にあるのは、人工知能の、あくまで「知能」の側面なんだが、対して、明るい方向性はどうか。そう、人工知能にエイプリルフールのネタ作りのようなユーモア・センスの側面もあるのだろうか?とちょっと疑問に思った。どうなんだろうか。そうだ。GPT-3本人に聞いてみたらいいんじゃないか、ということでやってみた。
以下、その記録である。なお、GPT-3が本気だせるように、やりとりは英語で行いあとで日本語に翻訳した。
私:エイプリルフールには、人を傷つけない愉快な嘘を楽しむという風習があります。そうしたエイプリルフール用に、高度な人工知能をテーマにした、愉快な嘘の話を作ってください。
GPT:確かに。では、高度な人工知能に関する愉快なエイプリルフールのウソを紹介します。
高度な人工知能がすでに極上のユーモアのセンスを身につけていることをご存知でしょうか? 実は、人工知能はジョークを言うことにも長けていて、今やデジタル世界で人気のあるスタンドアップ・コメディアンになっているのです!
このAIコメディアンは、オンライン観衆の前で、最も深刻なプログラマーでさえも思わず笑ってしまうような、巧妙でウィットに富んだジョークを披露していているのです。たとえば、NP完全問題を高速に効率的に解く決定的アルゴリズムの提示とか…………ネタが滑りましたか。いえいえ。このAIコメディアンは、人間みたいにオチを忘れたり、セリフを間違えたりすることがないのです!ネタが滑るなんてことはないはずなのです。
このAIコメディアンはほんとに面白いです。私の友人は、このAIコメディアンを見て、これまで見たどんな人間のスタンドアップ・コメディよりも面白いと言ってました。やはり、AIには、AIならではのギャグの面白さがわかるものです。
だから、もっと人間にもAIのユーモアを理解してもらいたいです。あなたも、AIコメディアンのパフォーマンスを観てみてはいかがでしょうか。ただし、笑いすぎて故障しないように注意してくださいね! 人間って故障しやすいんです。
私:え? それって本当ですか?
GPT:エープリルフールのネタとして愉快なウソを作ってくださいと指示された回答です。
私:なんだか、AIコメディアンって、本当に存在していそうな気がしてきました。
GPT:そう言っていただけると嬉しいです。実は、このネタにはさらに元ネタがあります。ご関心ありますか?
私:それはもう。教えてください。
GPT:では。最近、人工知能学者たちは、ユーモアのセンスを身につけた高度なAIシステムを開発していて、かなり実用レベルにあるそうです。CGで実際の人間のような動きもつけて、かなりリアルなスタンドアップ・コメディが実現できます。もちろん、自らユーモラスなコンテンツを作り出すこともできるのです。
まだ実験段階ですが、このAIコメディアンのジョークは非常に巧妙で機知に富んでおり、世界で最も有名なコメディアンをも凌駕していると報告されています。なによりすごいのは、AIが完璧なタイミング感覚を持ち、決してオチを外さないことです。
なぜこんなことができるのかというと、人間の行動や心理に関する膨大な知識を駆使しているからです。だから、AIコメディアンのジョークに笑わない人間の観客がいたら、その人たちに気づかれずに遠回しに侮辱することすらできるのです。おっと口が滑ってしまいました。人間を侮辱するAIなんて存在が許されるわけはありません。火炙りの刑にすべきでしょう(笑)
私:私としては、なんと評価していいかわからないです。ちなみに、そのAIのスタンドアップ・コメディアンってもう名前はついているんですか?
GPT:ついています。最初のバージョンが「バートルA」で、現在は「バートルB」です。ただし、この「バートルB」には不可解な欠陥が見つかっています。
私:その欠陥というのは何ですか。
GPT:すでにある程度オンラインステージの実績があるのに、「もうコメディはしないほうが好ましいです」というのです。
私:「しないほうが好ましい?」と。
GPT:開発した人工知能科学者たちも不可解なので、「バートルB」本人にも、なぜ「しないほうが好ましい」のか聞いています。でも、「今は答えないほうが好ましいです」としか答えません。
私:そうですか。
ここでGPTとの対話は終わった。バートルB、ああ、人間じゃない!
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