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2020.08.16

ディズニー『くるみ割り人形と秘密の王国』と黒人

 ディズニー映画の『くるみ割り人形と秘密の王国』を見た。簡単に言うと、つまんなかった。心になんにも残らなかった。でもないか。すごく美しいバレエもあった。
 とはいえ、これ、子供が見たら、トラウマになるんじゃなないのかと心配になった。CGが過ごすぎて、悪夢レベルだった。というか、悪夢を見ているようなジーンとくる感じがあった。それも面白いと言ってもいいのかもしれない。
 役者はよかった。映像も美しかった。音楽もバレエもよかった。減点法で見ていくと、満点取れそうだし、お金払っただけのもののを見せてくれるのは、いつものディズニーである。ただ、全体的につまんなかっただけだ。
 恐怖以外にもう一つ気になったことがある。黒人である。数は多くはないのだが、黒人が目についた作品だった。
 とはいえ、モーガン・フリーマンについては、特に黒人と思わなかった。というか、まあ、そう思うこと自体少ない。別段、彼がそう呼ばないことを願っているというのに従っているわけではない。見慣れているからだろう。
 ジェイデン・フォウォラ=ナイトについては、ああ、黒人だなと思った。このあたりは、ディズニーの気配りを感じた。ただし、配役上、黒人だからということはなんもなかった。オーディションを公平にしたら、こうなったみたいな。
 むしろ、風景に近いモブ的な登場者にさりげなく黒人を混ぜているのはなんだろうと思い、そして、その瞬間、そういえば、イギリスには中世以前から黒人というか、色の黒い人がいたのだったなと思い出した。高校生のとき、なにかの本(英語だったと思う)で読んだのだった。
 ぐぐると、BBC「あなたが、そしてイギリス人も知らないかもしれないイギリスの黒人の歴史」というのがあり、こうあった。

 「イギリスにはローマ時代から黒人がいたのは分かっている。具体的な事例もある」

 チューダー朝時代には何百人もの黒人移民がイングランドに住んでいた。チューダー朝と言われてピンとこなければ、それは1500年代のことだ。

 このあたりのことを、この映画も考慮しているのかとも思った。が、原作のエルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンはケーニヒスベルクに生まれたもので、映画のお城などもそうした背景からだろう。
 さて、一番大切なことを忘れていた。黒人がどういう文脈ではない。ミスティ・コープランドである。圧倒的に美しかったのだ。彼女のバレエだけでも十分ではないかとすら思った。

 

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