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2020.08.19

[映画] 聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅

 私も若い頃、アイアンガーヨガを学んでいた。直接、B.K.S.アイアンガー師に学んだことはないが、インストラクターはみな直に学んだ人たちだった。それ以前に、ヨガ・ナンダに関係するヨガを学んでいたこともある。
 ヨガや初級のインストラクター養成コースも取ったことがあるが、それほど傾倒もせず、今もヨガを続けていない(難病でできなくなった面もあり)。とはいえ、近代ヨガ成立の経緯については関心を持っていて、B.K.S.アイアンガーの師匠、T.クリシュナマチャリアについても知っていたし、彼に由来するヨガのインストラクターから学んだこともある。
 この映画はそのあたりの経緯を整理した内容になっていた。
 物語ではないからネタバレということもないが、結論から言えば、T.クリシュナマチャリア自身にはハタ・ヨガの系譜はないようだった。むしろ、T.クリシュナマチャリアの独創だったっぽい。そして驚くことに、彼に学んだB.K.S.アイアンガーもT.クリシュナマチャリアを継いでいるというよりは、大半が彼の独創だったらしい。つまり、アイアンガーヨガも歴史起源はなく、T.クリシュナマチャリアのヨガも起源はなさそうだ。
 二人は縁故関係にあったようだが、親しいということもなく、むしろ反目しているようだった。
 B.K.S.アイアンガーは、2014年、95歳で亡くなった。映画は2011年に作られたもので、映像も2010年頃だろう。いずれにせよ、アイアンガー師は90歳を超えているのだが、この映像からは矍鑠とした様子が伺える。
 アイアンガーヨガについては、『ハタヨガの真髄』に網羅されてるとも言えるが、今回の映画でも思ったが、実際のエッセンスはどうもいわゆるアイアンガーヨガとして教えられているものと違うようにも思う。緩やかなアサーナの継続で緊張を解くのがけっこう重要で、その感覚が基礎になるようにも思うのだが。そういえば、クリシュナムルティもアイアンガー師にハタヨガを学び、自身も学生に教えていた。かなり繊細な教え方をしていたようだが、詳細がわからない。
 そういえば、『ハタヨガの真髄』や『ヨガ呼吸・瞑想百科』でも、いわゆる八支則についてはあまり詳しく触れられていない。八支則が実際にはどのようなものであったかも、自分なりに探ったことがあったが、わからない。
 とはいえ、私自身、ヨガに関心を失ったものだなというのも、この映画で思ったことだった。

 

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