« bellumという言葉 | トップページ | 新潮社の雑誌『波』2020年8月号に中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評を書きました »

2020.08.26

英語の "That sure is"文について

 「実践ビジネス英語」の例文に次の文があり、これ文法的にどうなっているのだろうかと、けっこう考えこまされた。

That sure is a big change from the belief that businesses serve the owners of capital.

 意味はさほど難しくない、というか、聞いただけで意味は受け取れるのだが、問題は、この"That sure is"文の文法がよくわからないのである。
 というか、これ比較的よく耳にするのだが、文法的によくわからない。気になっていた。この機会にググってみたのだが、よくわからない。とはいえ、考えるきっかけになったのは、Yahoo知恵袋の次の話題である(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13106147013)。質問者の文章はミスを修正して引用する。

This sure is your lucky day.という文がありました。これは元の文はIt is sure that this is your lucky day.ということでしょうか?倒置がおきてSure is this your lucky day.なのかとも思いますが、thisとisの間にsureが入るのはどういうことなのかわかりません。
そもそもの考え方が違っているのかもしれませんが解説をお願いします。

 回答はひとつあった。

 というより、sure に 文全体を修飾する副詞としての、ほぼ surely と同じ使い方がある、ということです
 ジーニアス英和大辞典によるとこれはアメリカ英語の略式の使い方とのことですが
  She's sure pretty.
 彼女は本当にかわい子ちゃんだ
 という例文がありました ちなみに She's a sure pretty girl. とはいわない ともあります あくまでも文全体の修飾ですね
 参考にしてみて下さい

 説明になっているのだろうか?
 surelyと同じなら、She's sure pretty.は、She's surely pretty.なのだろうが、これだと、Be動詞に後置しているから、該当の質問の答えてになっていないだろう。
 関連して、質問者の、It is sure that this is your lucky day. だが、これは基本的には英語では言えないようだ。sureではなく、certainなら言える。ただし、これも何故かはよくわからない。
 一般的には、I'm sureのように主語は人間であるべきだという説明はある。これを応用するなら、こうだろうか。

 That sure is a big change from the belief that businesses serve the owners of capital.
→I'm sure that it is a big change from the belief that businesses serve the owners of capital.

 しかし、これでは英語の文法的な説明にはなっていない。変形が理由付けできない。
 前後するが、surlyを使うなら、be動詞の後ろにくるはずだ。

→That is surely a big change from the belief that businesses serve the owners of capital.

 似た構文に "It sure is"がある。ロングマンではこう説明されている。

4 EMPHASIZE American English informal used to emphasize a statement
  It sure is hot out here.

 これはよく見かける。 It Sure does! などでも。
 構文的には、That と It は同じように見える。もともと口語なので文法の例外なのかもしれないが、なんらかの文法説明は可能だろう。
 いろいろ考えたが、わからない。考えていくうちに、このsureは後置の形容詞なんじゃないかという気がしてきた。something goodみたいな。

 

|

« bellumという言葉 | トップページ | 新潮社の雑誌『波』2020年8月号に中島真志著『アフター・ビットコイン2』の書評を書きました »