8月に入ったCOVID-19についてのいくつかの数値的風景
東京でCOVID-19の感染者が増えているということなのだが、そう言えば、西浦博教授のモデルを示している東洋経済のサイトに実効再生産数の推移が掲載されていたなと思い出して、見た。
0.99だった。東洋経済が西浦博教授のモデルを使って計算しているので、公的機関の発表ではないが、1を割っているのかというのはけっこう感慨深かった。これが今後上昇していくのか、注視したい。
世界全体の傾向について、Our Word in Dataで死亡率について見ると、欧州におけるスウェーデンの健闘が伺えた。また、意外な印象も受けたが、米国とブラジルと日本で、7月以降はあまり差がない。
死者の分布だが依然、高齢者に偏っている。東京都による6月までの死者についても興味深かった(参照)。
それによりますと、ことし6月までの陽性患者6225人のうち、亡くなったことが確認されたのは325人で、死亡率は5.2%でした。
亡くなった325人のうち男性は199人、女性は126人で、男性の死亡率が5.5%で女性の4.8%より高くなっています。
亡くなった人全体の平均年齢は79.3歳でした。
男性199人の平均は77.1歳、女性126人の平均は82.9歳でした。
70代以上が多く、全体のおよそ83%になりました。
年代別に亡くなった人の割合を男女にわけて見ると、90代の男性が最も高く52%、次いで、80代の男性が38.9%となっていて、多くの年代で女性より男性の方が死亡率が高くなっています。
ということで、COVID-19による東京都の男性の平均的な死亡年齢は、男性は77.1歳、女性82.9歳。
ちなみに、2019年の日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳。平均寿命は自著にも書いたが、0歳児の平均余命が平均寿命を示すので、現在の高齢者の寿命には当てはまらないが、仮に近似値だとすると、COVID-19による死亡は、男性で4年ほど、女性で4年半ほど早まるかに見える。しかし、実際は、次のように報道されているように、基礎疾患の有無の影響がある。
亡くなった人のうち、基礎疾患のある人は、ない人よりも男女のすべての年代で死亡率が高くなっています。
基礎疾患の有無で統計を補正すると、おそらく高齢者でも、COVID-19の死亡者は、平均寿命と大きな差はではないのではないかとも思われる。
ちなみに、朝日新聞のサイトに年齢とCOVID-19の関連グラフがまとめられていた(参照)。
保険マンモスというサイトに男性の死亡率の見やすいグラフがあったので比較用に引用しておく(参照)。
基本、自然死の傾向をなぞっているようだが、こうした傾向は、がんなどの疾病でも言える。
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