[書評] 修道院のレシピ
結局のところ、子育てのニーズもあったし、もとから食いしん坊だったせいなのか、料理が趣味になり、自分でいうのもなんだが流石に30年以上もやり、しかも、いろいろ勉強もしてきちゃったので、たいした腕前になってしまった。といっても、冷蔵庫あければ、とりあえず、うまいもの食わせてやるぞ系の腕前であり、うんたらという料理ができるものでもないが、それでも、いくつかのうんたら料理では自分のよりうまいの食ったことないなあと思うことはある。ボルシチとか。まあ、そんなことはさておきである。
もう軽く100冊以上は読んだだろうレシピ本の最高の3冊を選べといえば、必ず入れるのが、これ、『修道院のレシピ』である。ちなみに、もう一冊は、小林カツ代さんのあれ(辞典みたいな)。さらに、もう一冊は、ちょっとブレがあってその時の気分で変わりそう。
で、『修道院のレシピ』を絶賛したいかというと、そうなのだが、ちょっと人にはお勧めできない。これで料理を作るのは、たぶん、普通の人には無理だろうから。
と、最近もしみじみ思ったのである。さらっと書かれているなかに、エチュベの技法とかあまりに自然に含まれていて、なんというか、この本を活用する前提条件があまりに多すぎる。
それと、さすがに絶版だろうと思ったら、Kindleであった。ただ、この本は、リアルの本として手元に置きたい本だ。理由は手にしたらわかるよ。
アマゾンを見て、評を見たら、案の定であった。
この本を見ながら料理をすれば必ず美味しいフランス料理が作れるといったものではないようです
調味料の量の細かい指定はなく、作る人の舌と勘にまかされています
オーブンの温度も高温、低温と書いてあるだけで、細かく何℃とはありません
スープや煮物にいれる小麦粉は少し多すぎるような気がしますし
※ ※ ※
あまりにも評価が良かったので購入したのですが、はっきり言って、がっかりです。肝心のオーブンの温度が記載されていないし、材料の日本語訳が多々、間違っているし・・・・。初心者向けというより、オーブン料理にかなり慣れた人でないと、ちょっと無理では?(オーブン料理・ケーキつくりを経験した方なら、このオーブンの温度の表示がない。という事が、どんなに大切さが分かっていただけると思うのですが・・・)個人的には、この本はお勧めしません。
まあ、そうだと思う。(ちなみに、オーブン料理には基本があるのだけど。)
他方、ある程度、フランス文化に慣れた人なら、こう。
発売当初、本屋で見つけたときに購入を見送ってしまった。本当に後悔した。趣味でフランス料理に凝りだして以来、本書がいつも頭の片隅にあり、手に入れたいと思っていた。だから新品をAmazonで見つけたときの嬉しさは語りきれない。それぐらい素晴らしい本なのです。ありがとう。
それ、わかる。
すごい本だよ。今、たまたま、開いたら、エスカルゴの調理があって、こう。
――エスカルゴの殻がとじていない場合は、10〜15日間エサを与えないでおく。
これが、レシピ本なわけですよ。
僕はフランスの市場見たことないけど、アテネでしばらく滞在したとき、市場でエスカルゴを見た。樽のなかで、うにょうにょしてた。あれ買ってきて、下ごしらえするなら、こうするのか。
ほんとすごいレシピ本だと思う。
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