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2020.07.14

[書評] フランス人に教わる3種の”新”蒸し料理(上田淳子)

 先日、山本式調理法について、これは、étuvée だなとブログに書いてから、あれ、そうだったかなと思い直し、少し調べ直しているうちに、『フランス人に教わる3種の”新”蒸し料理(上田淳子)』という本を見かけた。あまり考えずに買って読んだら、étuvée のほかに、vapeur と braiser が載っていた。よくまとまっていて、なかなかの好著だった。

 

 この本では、étuvée を、少量の水を加え、中火・強火でとあり、その点では、当初から弱火の山本式とは違うのかもしれないとも思った。
 ついでに、『フランス人が好きな3種の軽い煮込み』のほうも買ってみた。こちらは、sauté と fricassée と soupe が載っていた。soupe については、これは違うような感じがしたが、他、概ねこれも好著だった。

 

 というわけで、久しぶりにフランス料理の技法を復習しつつ、現実のフランス人はどうしているかなど、探っているうちに、おやま、エスコフィエ『料理の手引き』の全訳がネットに転がっていた。英語版からの翻訳だろうか、よくわらないが、とにかくすごい代物で、すごすぎて私などの実用にならない。とはいえ、étuvée の実例がけっこうある。ただし、étuvée 自体の説明はない。
 こんな説明が面白い。

 昔のフランス料理では、素材に串を刺してあぶり焼きにするローストを別にすれば、どんな料理も「ブレゼ」か「エチュヴェ」のようなものばかりだった。

 というわけで、フランス料理の原形でもあるわけだ。
 考えてみれば、エチュヴェされたものに、ソースというわけで、これがまさにフランス料理の原形だろうな。で、読み進むにソースのルーがスペイン由来という興味深い話が続く。
 ところで、そんなこんなしていて、あれ? étuvée って、étouffée とどう違うんだっけと気がついたが、上述の書籍には解説はなかった。
 そもそも、étouffée でやっかいなのは、英語圏だと、これ、ケイジャン料理名になってしまう。というか、なぜそういうことになったか。すぐにこれは、料理法からの誤解というか、その類だろうと連想は付く。
 料理技法としての étouffée だが、どうも現実的には、étuvée 同じようだ。Wikipediaでも、《On appelle également « étuver » la pratique de ce type de cuisson.》とか書いてあったりもする。ただ、違いを厳密にするという考えもあるのだろう。
 と、étouffée をYouTubeで見てたら、お米のエトフェが出てきて、あれ? これってピラフ? あるいは、普通の炊飯?と疑問が出てきたが、考えてみれば、私たち日本人は、ライスをエトフェしているとも言えるのだろうな。水が多すぎるが。
 話がごちゃごちゃしたけど、この二冊のレシピ本、レシピ本としてよまず、基本的なフランス料理の技法として見るといいと思う。
 おフランスというと、なんだか、日本人から遠いみたいだが、普通に和食に応用できるんで、きちんと学んでおくと便利かと思う。

 

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