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2020.07.16

アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』

 アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』のテレビ版を全部見た。面白かった。とにかく、アニメって面白いなあという、昭和の感覚が蘇る感じだった。奇想天外、愛憎劇、中二病全開。ベルばらのような絵柄もだが、ストーリーテリングの上手な少女コミック感もけっこうあった。
 この数年、随分とアニメを見るようになったが、2000年代のアニメはまだ苦手だった。特に、『コードギアス』は、チラ見してもまったく受け付けない状態だったが、さすがにこの手の「古い」アニメにも目が慣れた。
 以前、『ねほりんぱほりん』で、ルルーシュの熱狂的なファンの人を見て、まあ、これは引くわというのと、そこまで熱狂するのかという関心はあった。
 で、感想は、というか、感動したのか?
 それを語るには、ぶっちぎりで、ネタバレになる。
 以下、ネタバレ含む。

 

 昭和テイストの伝奇感というか、オカルト感は嫌いではないし、中二病全開も好きで、なによりストーリーが飽きさせない展開でテンポよく見ていたのだが、実は、まあ、昔のアニメってこんな感じだよね感で、たらっとしていた。が、がぜん、うげっ、すげっと思ったのは、ユーフェミアの虐殺である。やっちまったなあというか。これ、いずれ放送禁止になるじゃないか。
 で、この虐殺なんだが、ストーリー上は、ギアスの暴走だし、ユーフェミアの真意ではないのだけど、まあ、あれです、ユーフェミアの無意識の欲望と言えないでもないなあと思ったのだった。そして、この無意識の欲望は枢木スザクに継がれていく。日本人が日本人に対して抱くこの奇妙などす黒い情念をこの荒唐無稽な物語が暴露していく。しびれる。
 さらに言う。ナナリー・ランペルージというのは、つまり、「天皇」。原爆も出てくる。平和主義も。そして、ルルーシュのエンディングのテーゼは、オウム真理教の「麻原彰晃」。もう、しびれまくり。面白いじゃないか。
 表向きの愉快なピカレスクロマンの裏に、日本人のどす黒いものがこれでもかこれでもかと暗喩されている。
 まあ、製作者たちがそんなことを考えて作ったわけでもないし、ピングドラムのようにそうした示唆を込めたいわけでもなく、面白いという感覚を追求したら、こんなどす黒い無意識が吹き出してしまったという点で、表層的なテリングの裏で極めて無意識的な作品だった。
 機会があれば、以上のとんでもない感想をきちんと評論にまとめたい気もしないではないが、けっこうぶっそうな話にはなりそうなんで、引く。

 

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