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2020.06.04

[アニメ] 未来日記

 アニメ『未来日記』を見た。見たきっかけは偶然で、しかも、当初、ギャグものだと思っていた。面白いアニメかというと、面白いと思う。が、残酷描写と微エロなどがキツめ入っていて(微エロがきついというのも変だが)、あまり一般的にお勧めできない。
 物語は、世界系というのだろうか、まどマギやシュタゲ的な世界に、DEATH NOTE的なテイストというか、そのあたりの設定と仕掛け自体が、「あー、古いなあ」とまず感じた。絵的にも古いように思えたし(はたらく魔王さまと絵が似ているので調べたら納得した)、ガラケーが小道具というのも、古いが仕方ないだろう。『俺の青春ラブコメは間違っている』も最初はこんな時代の絵柄でガラケーだった。かぐや様もガラケーなのは、あれは意図的のようだ。まあ、しかし、そうしたことは、基本どうでもいい。
 この作品の面白さは、まあ、率直に言えば、ストーカー女・メンヘラ女の魅力を余すところなく表現していることろだろう。私の場合、母親がちょっとなあという感じだったが、長じてメンヘラ女性と関わったことがないが、ネットを見るとそうした恋愛(?)風景はよく見かけるし、昨年読んだ『ぼくたちの離婚』でも出てきたが、このルポが面白いのだが、メンヘラ女性で懲りたかというと、惹かれていく様が描かれている。
 さて、以下、フルスイングでネタバレに突入せざるを得ない。

 


 終盤になると、世界系・時間軸のパラドックス解消にありがちな、面白くもないクイズ解きのようになっていって、これは、エンディング駄作かなあ、せめてシュタゲ程度にがっかりさせてくれるといいなとハラハラ見ていたのだが、率直に、そのエンディングに私は感動したのだった。すべてがご都合主義でハッピーエンドもどきになったことはどうでもいいのだ。
 主人公の少年・天野雪輝がメンヘラ彼女・我妻由乃を好きだとして、その好きの帰結として、自分たちが出会わない世界を選択したことだ。
 我妻由乃も、実際はメンヘラでもメンヘラを演じたわけでもなく、自分が他者に依存しなくては生きていけない、そうして他者・恋人を犠牲にしていることを知っていた。そしてそのことを相手に語ることで、つまり、語ることは嘘になることで、雪輝への愛を自覚できたとき、雪輝は彼女が彼女である世界に戻そうとしたのだ。
 ぶっちゃけ言えば、よくある話である。よくある恋愛の終わりである。子供の恋が大人の恋に変わるありがちな話である。
 でも、これは、胸に刺さる。それを失恋と、ありていに言えてしまう、大人の心の汚れぽさにしびれるねぇ(渡瀬眞悧)である。自分の恋情が幼いがゆえに恋人を傷つけて別れていく泥はきちんと自分でかぶらなくてはいけない。二人はそうしたのだ。
 もちろん、依存のない愛も恋愛もないというのは容易いし、恋愛というのが傷つけ合いなしに成り立つわけでもない。それでも、まあ、そこから出ていくしかない。

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