« アニメ『亜人ちゃんは語りたい』 | トップページ | 東京高検・黒川弘務検事長、賭けマージャンの変な感じ »

2020.05.20

もし、緊急事態宣言がなかったらどうなっていたか? (追記あり)

 もし、緊急事態宣言がなかったらどうなっていたか? 最初に明確なことがある。私にはわからないし、私には強い主張はないということだ。しかし、ある程度確かな典拠から推測できることはあるので、ブログにいち市民の歴史証言として記しておきたい。
 その「ある程度確かな典拠」となるのは、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が 5月14日に発表した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(参照PDF)での以下のグラフ「全国の実効再生産数 P4 発症日データを用いた推定、P5 発症日を特定できない感染者も含めた推定」である。


Coronagraph_20200521083401

 グラフで示されていることは次のとおり。「黄色の棒が感染時刻(日)別の推定感染者数であり、青の実線が推定された実効再生産数であり青の影が 95%信用区間を示す。感染から報告までの遅れの 80 パーセンタイルを考慮して全国では4月29 日以降、各地域では4月 30 日以降の推定値は省略している(青の帯)」
 政府の4月7日の緊急事態宣言にあたって想定されていた基本再生産数は2.5であったと理解してよいだろう。さらに、そのような場合、なんらの社会的対応をしなければ、40万人近い死者も想定されていたと理解してよいだろう。
 しかし、4月7日の時点ですでに各行政機関は外出の自粛を訴えていたし、タレントの志村けんさんがコロナウイルス感染で亡くなったのは3月29日であり、この話題はお茶の間までコロナウイルスの危険性を知らせるものになっていた。むしろ、4月7日の緊急事態宣言はそうした世間の自粛空気を是認するような意味合いも、今となっては考えられるのではないか。
 4月7日の緊急事態宣言で懸念されていたのは、表向きには、数十万人の死者の暗示にもあるような「オーバーシュート」であった。実際には、医療崩壊への懸念であったのかもしれないとしても。そこで、「オーバーシュート」なるものが起こりうる条件はといえば、基本再生算数が2.5であるように、明らかに1を超えていることが前提になる。2を超えているならかなり緊急を要する事態だとも言ってよいだろう。
 基本再生産数ではなく、実態の実効再生産数が 2を超えそうな勢いを示した時点は、グラフから読み取ると、だいたい3月10日あたりであったようだ。この危機的な状態はだいたい3月25日くらいまで継続している。が、その後4月2日あたりまでの1週間で実効再生産数は1以下に急落している。なお、発症日を特定できていない感染者について想定を加えた推定も専門家会議は示していて、このグラフに似ているが、3月15日あたりで、2.5を超えている(がそこを頂点に3月20日以降急落している)。
 なぜ、3月25日あたりで急上昇したのかについては、いわゆる第2波と呼ばれるものではないかと思われる。が、これが1週間ほどで急落した理由については、ほとんど語られていないように思われる。私もわからない。
 しかし、ここから読み取れることは、4月に入った時点で実効再生産数は1以下で安定していたということで、緊急事態宣言がなんらかの影響をこれに対して持っていたとしても、それが見えるのは、4月20日以降のさらなる急落であっただろう。
 こうしてた、専門家会議の推定から容易に読み取れることは、緊急事態宣言がなくても、懸念された「オーバーシュート」はなかっただろうということだ。さらに踏み込んで推測すれば、緊急事態宣言が出された4月7日時点で実効再生産数が1を割っていたことが政府側で推測できたのではないか、と、するなら、緊急事態宣言の意図は「オーバーシュート」回避ではなかったのかもしれない。この場合、その選択は緊急事態宣言がもたらしたマイナスと政策的な再評価を要するだろう。
 この間の日々を実際に経験した人間として、関連して気になるのは3月22日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催された格闘技イベント「K-1 WORLD GP」である。3月22日は実効再生産数が2を超えていた、ある意味、最悪の時期であった。が、その結果、このイベントから感染が拡大したという話題は聞かない。なかったのではないだろうか。とすればそこから推測できることは、通常の集会では感染拡大は起きないだろうということだ。当然、院内感染はそうもいかない。おそらく、スーパースプレッダーとも言われる感染拡大の特異者がいないか、飛沫感染防止が意識されていると、感染拡大は弱いのではないだろうか。感染経路はある程度追跡されているが満員電車が指摘に上ったことも聞かない。


追記 5月22日
 西浦・北大教授が監修した、東洋経済(参考)5月22の記事『東洋経済が新型コロナ「実効再生産数」を公開 感染状況を示す指標、西浦・北大教授が監修』に掲載されたCOVID-19の実効再生算数の推移を見ると、4月2日の緊急事態宣言によって大きく改善に向かっているとも読める。ここからは、緊急事態宣言によって「オーバーシュート」が回避できたとも考えられる。

Toyokeizai_20200522133601

Bc3417422bad4417bdce4730d1c71bde

 

 

|

« アニメ『亜人ちゃんは語りたい』 | トップページ | 東京高検・黒川弘務検事長、賭けマージャンの変な感じ »