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2020.05.25

ATMは何の略語か?

 ATMは何の略語か? Automatic Transaction Machineではありません。というか、こんなのググればすぐにわかること。実際べたに、「ATMは何の略語」で検索したら、トップにべたに次のように出てきた。『ATMって何の略?意外と知らないアルファベット略称まとめ』というサイトだ(参照)。

ATMはAutomatic Teller Machineの略です。 をつなげたもので、日本語訳としては、”現金自動預入れ支払い機”となります。 Teller が”話し手”ではなく、金銭出納係という意味を持つことが面白いですよね。2015/10/13

 答えはあっている。しかも、《 Teller が”話し手”ではなく、金銭出納係という意味を持つことが面白いですよね。》というこのブログ記事のネタバレまできちんと書いてある。ので、読んでみたが、残念、それ以上の話はなかった。つまり、なぜ、《 Teller が”話し手”ではなく、金銭出納係という意味を持つ》のかの説明はそこになかった。
 その説明の前に、じゃあ、ネイティブなら知っているかというと、英国人に限定されるが、Daliy Mailに"OMG! I haven't a clue what PAYE stands for: Britons more likely to understand text message terms than financial abbreviations"という記事があり(くそ! 私はPAYEが何の略かわかんない。:英国人は金融関連の略語よりもテキストメッセージの用語を理解する傾向がある)、次のように書いてあった。

More than three-quarters (77%) of consumers knew that OMG translated as 'Oh my God' in text language, while just under two-thirds (65%) knew that ATM stands for Automated Teller Machine.

 つまり、ATMがなんの略語が、65%の英国人は知らない。
 つまり、日本人にとって、ATMが何の略語が知らなくても、しかたない。
 とはいえ、「Teller が”話し手”ではなく、金銭出納係という意味を持つのはなぜか?」だが、これも、ググっていけばだいたいわかる。のだが、ググっていくと、間違いも見つかる。「TOEIC英単語の授業 0094 / ATMとtellerの関係とは?語源・スペル・核心で一生忘れない」というYouTubeでは、暗記の便宜としてかもしれないが、tellerを「語る」のtellの派生としていた。
 要するに、なぜ、tellerなのかというと、『英語教師の基礎知識』というサイトに「生きている死語 ATM ~Automatic Teller Machine~」という記事があり、こう書かれている。

"The mother tongue ~english & how it got that way~"のなかで、Bill Bryson が "fossil" という現象について説明しています。

Sometimes an old meaning is preserved in a phrase or expression. (中略)Tell once meant to count. This meaning died out but is preserved in the expression bank teller and in the term for people count votes. When this happens, the word is called a fossil. (p79)

Tell にはかつて "count"「数える」 の意味があったようですが、その意味は現在ありません。しかし、"a bank teller"、 "a deposit teller"「(銀行の)出納係、窓口係」 のような表現に生き残っています。このような現象は「化石」という意味で、 fossil と呼ばれるそうです。

 これで納得ということでもいいし、この記事も英書を参照しているが、米国人もこの言葉を奇妙に思うらしく、いくつか解説記事が出てくる。例えば(参照)。
 ただ、ちょっと納得いかないかなと調べていて、Wikitionaryを見ていると、tellerに次のようにある。

English
Etymology
From Middle English tellere (“one who counts or enumerates; one who recounts or relates; teller”), equivalent to tell (verb) +‎ -er.

 中世英語でもむしろ、tellという動詞がcountの意味だったらしい。Wiktionaryで面白かったのは、tellerがオランダ語でも使われていたことだ。
 というわけで、普通に、tellで調べてみると、こう。

Etymology 1
From Middle English tellen (“to count, tell”), from Old English tellan (“to count, tell”), from Proto-Germanic *taljaną, *talzijaną (“to count, enumerate”), from Proto-Germanic *talą, *talǭ (“number, counting”), from Proto-Indo-European *dol- (“calculation, fraud”). Cognate with Saterland Frisian tälle (“to say; tell”), West Frisian telle (“to count”), West Frisian fertelle (“to tell, narrate”), Dutch tellen (“to count”), Low German tellen (“to count”), German zählen, Faroese telja. More at tale.

 どうやら、もともとゲルマン語の原義が、勘定することだったらしい。その意味で、たしかに、これは、言葉の化石とでもいうようだが、ようするに、古英語から中世英語まではその意味で使われ、そのあたりtellerで固定化したのだろう。
 むしろ、現代英語のtellの意味が、中世英語以降の意味変化によるもののようだ。
 そして奇妙な感じがしたのは、現代ドイツ語だと、英語のtellにあたるところは、sagenになる。つまり、sayの系統である。tallenというのはなさそう。

 

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