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2020.03.18

米津玄師「Lemon」の”意味”をなんで人は知りたいと思うのだろうか?

 米津玄師「Lemon」でちょっと気になることがあって(それは後で述べるけど)、ネットでちょっと調べようとしたら、どうも少なからぬ人が、米津玄師「Lemon」の”意味”を知りたいと思っているような様子を見かけて、不思議な気持ちになった。
 いあ、まあ、気になる作品や、世の中で大ヒットした作品をより深く知りたいと思うことはなんら不思議でもないだろうとも思うのだが、この件について、私は、当初、そんなことも考えていなかったのだった。「Lemon」の”意味”? 考えたこともなかった。
 私は何を言いたいのか? ちょっと例を出して補足してみたい。例えば、こういうWebページの記事があった。《課題『この曲が売れた理由分析レポート – 米津玄師「Lemon」》(参照)。

なぜこの曲が売れたのか。生徒の皆さんから提出された分析レポート、そして一郎先生による分析も紹介していきます。

 ということで、「生徒」さんの分析レポートをもとに話題が展開される。必ずしも解答というわけではないだろうが、結語的なメッセージはこういうことのようだ。

音楽っていうものの役割が、ちゃんと映画の世界観の中に入り込んでいたし、ドラマもちゃんと内容がマッチすることが前提だったのが、音楽的業界システムとして、タイアップになるとヒットするとか……主題歌になると売れる、CMで流れるとヒットするからっていう政治的な要因が強くなってきたと。つまり、ミュージシャン側っていうよりもレーベル側が強くなっていったから、その曲を聴くとその商品が思い浮かぶとか、この曲を聴くとあのドラマを思い出す……要するに、関連づける。目で見えないし手で触れない音楽だから、その曲を聴くことでその曲に関連していることを思い浮かばせるツールとして音楽が使われることになっていったことによって、内容とぶつけるっていうより、政治的な内容が強くなってきていた中で、この「Lemon」が象徴的にあったんじゃないかなって。
(中略)
でも、彼はその感覚をドラマの主題歌の中でやったっていうのはすごくパーソナルなことだし、勇気がいることだと思うんです。だから曲に込める本気度が違うというか、狂気にまで込めたと思う。いろんなタイミングがあったんだと思いますね。でも、この彼の才能がヒットを生み出したということはすごく健全なことなのかなっていうのがあるね。だから、曲のメロディーと歌詞のエネルギーみたいなものも変わってきていて、よりロック的になっている。

 つまり、音楽業界の通例を打ち破る、創作の「本気」や「狂気」が曲のメロディーと歌詞のエネルギーになった、ということらしい。
 私としては特段に異論もない。が、長い引用のわりに、さほど関心もない。ただ、こういうふうに考えるんだなという例として、手短な引用ができなかった。
 他の引用は避けるが、他にネットでは、PV映像の解釈や歌詞の解釈、それから、コード進行の解説といった話題が多かった。
 さて、私が当初疑問に思ったのは、この曲が、嬰ト短調だったことだ。そしてそれに続く疑問は、YouTubeなどで見かけるこの曲のピアノ演奏が、同じく嬰ト短調が多いことだ。そもそも私自身、この曲をピアノで練習していて、へえ、嬰ト短調なんなんだと思った。

Gsharp
 嬰ト短調である必要はなんだったのだろうか?
 特に理由もないかもしれないし、嬰ト短調がもっともよい調だったということかもしれない。ショパンの『マズルカ第22番Op.33』や『前奏曲第12番 Op.28-12』みたいに。
 ただ、ピアノ弾きながら、これ半音ずれせば、イ短調ですよね、というのはすぐにわかる。嬰ト短調なら黒鍵だらけになるが、イ短調ならそうでもない。一見すると、イ短調のほうが弾きやすい印象もある。
 「移動ド」の考えなら、つまり、音程なら、嬰ト短調でもイ短調でも同じ。たぶんだが、米津玄師はこれピアノなど器楽で作曲したのではなく、歌うメロディーのラインで作成して、自分の声に合わせて、嬰ト短調としたのではないか。あれだ、カラオケで自分の音域に合わせて、半音さげるということ。
 と、すると、こういう曲を原調でピアノ演奏する意味があるのだろうか。元が元だし、歌に合わせていいんじゃね的な絶対音感の感覚だろうか。
 あるいは、先にふれたように、ショパンのように意図的にこの調性を選んだか。というのも、嬰ト短調は、ピアノで弾きにくいかというと、そうでもない。弾いていて思ったのだが、これ、「ねこふんじゃった」に似ているなあという印象があった。
 Wikipediaにもこうある。

ピアノでは黒鍵を多用するため運指が比較的容易な調といわれている。一方、ヴァイオリンでは開放弦がほとんどなく、Fダブルシャープも使われるため、大変弾きづらい調である。

 嬰ト短調はピアノで弾きにくいわけでもない。だから、ピアノ演奏でもそのままなのかもしれない。とはいえ、ピアノから離れても、つまり、黒鍵を多用する的な曲というのは、ペンタトニックっぽい。民謡っぽい。と思ったら、Wikipediaにはこうもある。

演歌に多い音調。現在の電子楽器の普及により歌手の肉体条件(高い音程で歌える能力の有無)にあわせ、簡単に調整できることが反映している。読譜しやすいイ短調の曲譜面で半音下げた嬰ト短調を演奏することは容易である。

 ここで、私はちょっと自分なりに腑に落ちたのだった。
 それと、米津玄師「Lemon」って、演歌や民謡が本質なんじゃないだろうか? 飛躍するが、米津玄師というミュージシャンは演歌とか民謡ジャンルに近いんじゃないだろうか? というあたりが、日本人、というかアジア人的な琴線だったんじゃないか?

 

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