« [書評] おしゃべりな糖 第三の生命暗号、糖鎖のはなし(笠井献一) | トップページ | Googleが英単語の語源を図解表示してくれるようになっていた »

2020.03.01

理想のボールペンについて

 理想のボールペン、という話題は危険だ。国際紛争に発展する可能性すらある、とまではないにせよ、不毛な結論にはなりがちだ。つまり、理想をどこに求めるかによって、理想のボールペンは異なるから、議論は不毛になりがち、だが、がである、それでも、個々人は理想のボールペンを希求してやまない。
 私にとって、近世におけるボールペンの革命は、ジェットストリームである。この点についてはけっこう賛同者が多いだろう。で、そこは議論する気もない。フリクション派と争う気もない。
 私にとって重要なのは、ジェットストリーム自体ではなく、0.38mmである。0.28mmもである。これは相模オリジナルに迫る……じゃない、が、すごい。細字がすらすら書けるということは、小さい字が書ける。私は60歳過ぎて気がついたのだが、私の字は小さいのである。マルクスなみである。筆記具が許す限り、どんどん小さくなる。我ながら、なんでこんな細かい字を書くのだろうと思うが、とにかくそうなのだ。老眼でないせいもあるんだろうが。
 この細字はいい、と思っていたが、ただ、細字になるだけだと、紙質も問われてくる。実際のところ、0.5mmのジェットストリームでもいいやと思うようになった。青字が好きな私は、そのくらいが色の映えもいい。
 ということで、我が理想のボールペンは、0.5mmのジェットストリームの青、ということになっただが、がである、強いていえば、赤と青の2色がいい。黒はいらない。別途単品で、パワータンクのがいい(おっと、突然パワータンク登場)。
 だが、0.5mmのジェットストリームの青と赤の2色ってないのな。あればいいのに。で、あっても、太いのはいやだ。三色ボールペンの何が嫌かというと、太いことだ。私は細いペンが好きなのである。
 で、0.5mmのジェットストリームの青と赤と黒の3色を見つけた。しかもそこそこ細い。これだ、な、と思ったのである。

 


 だが、そうもいかなかった。
 手にしたら、あれ、あれれ、なんか変だ。指先のところにゴムがないのは、まあ、それほど気にしない。で、変にすぐに気がついたのは、重心である。安倍首相のようには、私はペン回しとはかできないし、する気もないし、まして箸回しなんか言語道断なのだが、このボールペンの重心感が微妙なのには耐えられない。うひゃー、書いてて船酔いみたいに気持ち悪い。
 そういえば、私が使っているカトラリーは米国から個人輸入したものだが、決め手となったのは、重心である。まあ、探せば日本でも見つかるのだろうし、レストランとかの銀製も悪くないのだけど、日本製のは手にしたときの重心感に納得いかないものが多かった。
 腕時計もそうだな。以前、というか、アップルウォッチが出たころ、アップルの人に聞いたのだが、これ、重心感がいいですよ、と。私はそのとき、なんか重くてダサいなあと思って、それとなく、ちょっとつけ心地がと疑問を呈しての返答だった。強弁ではなく、なるほど腕時計の重心感というのはけっこう重要だなと思う。ちなみに、私は結局、重心感をあまり問わない小さい腕時計がいい、ので、レディースである。女性がメンズするのはおしゃれの部類だが、男性がレディースの時計でいいのかとちょっとためらうが、まあ、好みだ。
 というわけで、理想のボールペンは難しいなと思う。

 

|

« [書評] おしゃべりな糖 第三の生命暗号、糖鎖のはなし(笠井献一) | トップページ | Googleが英単語の語源を図解表示してくれるようになっていた »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。