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2020.03.25

絶対分詞構文をめぐって

 今期の『まいにちフランス語』応用編は面白かった。初心者向けの講座が多いという印象の清岡智比古先生だが、今期はきっちりと内容の濃い中級の講義だった。テキストの挿絵の、じゃんぽ〜る西さんも素晴らしかった。これ、元絵がカラーならカラーの画集にしてほしいな思えるほど。
 いい講義だったので、終わってテキストを合本に製本しなおすかなと思っていたら、来期というか4月から再放送するらしい。じゃあ、またこのまま使うかなと思った
 で、講義中に、絶対分詞構文が出てきた。

Le premier moment de surprise passé, les habitants sont en général très amiables et nous accueillent bien.

 文法説明的には、passéの前にétantがあるけど、これは省略できるので、上の文のようになるということで、むしろ省略したほうが自然。もう一例はこれ。

Le courage me manquant, je n'ose pas lui parler.

 で、そういえば、「絶対分詞構文」って英文法では「独立分詞構文」と言ってたなと思い出す。まあ、仏文法用語と英文法用語の違いというだけで、文法的には同じものと言っていいのだろうがと思い、上の2文を英語にするとどうかなと思った。直訳的だと、こうなるかな。

The first moment of surprise passed, the inhabitants are in general very friendly and accommodate us well.

The courage laking me, I dare not speak to her.

 これが英語として自然なのかというと、用語の選び方と構文の選び方を考慮する必要があるだろう。
 というあたりで、Google翻訳とDeepLで試してみた。ついでにBing翻訳も。

【Google】
The first moment of surprise passed, the inhabitants are generally very friendly and welcome us well.

I lack the courage, I dare not speak to her.

【DeepL】
After the first moment of surprise, the inhabitants are generally very friendly and welcome us well.

I miss the courage, I don't dare to talk to him.

【Bing】
The first moment of surprise passed, the locals are generally very friendly and welcome us well.

I don't dare talk to him about the courage.

 翻訳機としての優劣はよくわからないが、英語ネイティブ的にはDeepLが達意なのではないかと思う。ただ、DeepLは構文を変えているのと、このb)は非文(非文法文)なのでないか。
 他が、非文なのか、というのもよくわからない。
 独立分詞構文について『実践ロイヤル英文法』を見ると、その下位項目に「独立分詞構文」と「懸垂分詞構文」を載せている。違いは、主語を省略すると懸垂分詞構文ということのようだ。
 同書で独立分詞構文はというと、「分詞構文の主語が本文の主語と違う場合には、分詞の前に主語を主格のまま置く」とある。
 これはどうなのだろうか?
 というのは、主格の名詞と動詞の分詞を結合した句をそのまま従属文のように使って英文法として文法的なのだろうか? 例えば、次のような文章は、英文法的なのか?

Japan being a very volcanic region, there are a lot of hot springs in Japan.

 なお、補足にもなるが、先の同書では、「これを独立分詞構文というが、さらに文語的になる」とある。疑問に思うのは、この構文はラテン語の翻訳から、ラテン語文法が、英文法の規範として残っている歴史的な残存なのではないかということだ。
 というのは、これは、ラテン語文法の絶対奪格(ablativus absolutus)の構文で、フランス語の絶対分詞構文(structure participiale absolue)という用語の元になっているのではないか、と思えた。
 もしそうなら、英語の独立分詞構文の「主格」に見えるものは、元来は、ラテン語の奪格の構文を正しい文法として直訳的に写し取ったのではないか?
 あるいは、ラテン語文法の絶対奪格の構文や古典ギリシア語では属格を取るので、これも英語に移されて、分詞の主語を示す所有格となっているのではないか?

 

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