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2020.02.28

「COVID-19」をどう読むか?

 「COVID-19」をどう読むか? 読み方がわからない。
 そもそも、「新型コロナウイルス」という名称は、「新しい型のコロナウイルス」という、どちらかというと一般名称であって、固有のコロナウイルスの名称ではない。
 2003年に大きな問題になったSARS(サーズ;重症急性呼吸器症候群;Severe Acute Respiratory Syndrome)もコロナウイルスによるものである。病原体はSARSコロナウイルス。当初、SARSは日本では、新型肺炎や非定型肺炎と呼ばれていた。
 その10年後に話題のMERS(マーズ;中東呼吸器症候群;Middle East Respiratory Syndrome)も病原体はコロナウイルスである。記憶にあたってみるが、これ、報道上「新型肺炎」と呼ばれていたか定かではない。韓国ではアウトブレイクしたが、日本ではどうだっただろう。いずれ身近なニュースでもなく、報道上の呼称が思い出せないのかもしれない。が、このMERSという呼称には問題があった。「中東(Middle East)」という地域名が含まれていたことだ。これらの呼称には、今後、アウトブレイクの初発生地名は避ける方針になった(後述)。
 コロナウイルスは、「冬風邪」と呼ばれる原因になりやすい。冬にはRSウイルスも目立つ。一般的な風邪の多くはライノウイルスが多い。
 風邪を引き起こすコロナウイルスはすでに4種類あり、日本社会にも日常的に存在している。1960年代に発見されたHCoV-229E、HCoV-OC43、2000年代に入って発見されたHCoV-NL63、HCoV-HKU1がある。冬風邪が多い。感染しても、日常的にも知られているように軽症が多い(だからといってケアしなくていいわけではないが)。
 コロナウイルスの名称、例えば、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1などは、ウイルス分類委員会(ICTV)が決める。では、「新型コロナウイルス」の正式名称は何か?
 SARS-CoV-2である。
 ところで、SARSの病原体名は何だったか?
 SARS-CoVである。この「新型コロナウイルス」はSARSの病原体の一種なのである。
 つまり、普通に考えて、普通に日本語で言うと、「新型コロナウイルス」ではなく、「SARS2」「新SARS」となっていてもおかしくはない、というか、そのほうが言葉の都合上は普通だが、まあ、さすがにそれは、まずいというか、そうでなくても不用意な社会パニックを招くだろう、という思惑があったのだろう、関係者に。
 ICTV自体も、病原体名は、学問上、SARS-CoV-2だが、感染症名はCOVID-19として、SARSを連想させる名称を避けた。
 ここでわかることがある。
 SARS(サーズ)やMERS(マーズ)という呼称で報道してきたなら、「新型コロナウイルス」ではなく、「COVID-19」として報道すべきなのではないか。
 というわけで、「COVID-19」をどう読むか?
 日本での報道を見ると、その読み方がわからない。そもそもそういう読み方を、NHKなどは音声メディアで発信してないみたいだ。
 命名の経緯というか、その国際的な報道の起点は、WHOのテドロス事務局長(Tedros Adhanom Ghebreyesus)の発言である。

“We had to find a name that did not refer to a geographical location, an animal, an individual or group of people, and which is also pronounceable and related to the disease. Having a name matters to prevent the use of other names that can be inaccurate or stigmatising. It also gives us a standard format to use for any future coronavirus outbreaks.”

「私たちは、地理的な場所、動物、個人、または人々のグループを指さない名前を見つけなければなりませんでした。そしてその名前は、発音可能で、病気に関連していなければなりません。名前を持つことは、不正確であったり汚名を着せる可能性のある他の名前の使用を防ぐために重要です。これはまた、将来のコロナウイルスのアウトブレイクのために使用する標準的な形式も提供することになります。」

 余談だが、「Covid-19をどう読むか?」なんていうのもくだらないネタだと思う人もいるだろう。でも、感染症名の話題は重要で、しかも、「発音可能」でなくてはいけないから、どう読むかはけっこう重要だと思うんですよね。余談終わり。

 さて、「COVID-19」の命名の意味だが、BBCも伝えていたが、《"corona", "virus" and "disease", w」ith 2019》ということで、さらにWHOは、《I’ll spell it: C-O-V-I-D hyphen one nine – COVID-19"》とtweetしていた。
 が、実際の読み方はわからない。英語単語として、"COVID"は、日本語のカタカナだと「コビッド」か「コービッド」にしかならないだろう。が、「19」は、「じゅうきゅう」なのか「いちきゅう」、「ワンナイン」か? 
 英語圏はどうか? 調べてみた、「コーヴィッド・ナインティーン」のように発音していた。
 フランス語ではどうか? 最後のDはdeとして発音されるか? 調べてみた。「コヴィド・ディズヌフ」のように発音していた。
 類推すると、日本語だと、「コビッドじゅうきゅう」でよさそうに思える。あるいは映画の邦題のように、「コビッド・ナインティーン」とか。
 NHKはいつ頃から、呼称を変えるだろうか?
 ちなみに、COVIDという言葉を聞いて、どういう印象を持つか想像してみた。まんまの語があるか調べると、古い長さ単位名にある。米国にその名称の会社がある。似た音声の語には、Corvid(カラス科)がある。カケスもこれに含まれる。
 で、Corvidという言葉を見ていて、ああ!と思った。covertとovertではないが、Cを落とすと、Ovid になる。あれです、オウィディウスですな。神曲にもでてくる。このダジャレの感覚を日本語的にいうなら、「人麻呂(ひとまろ)」から「キトマロ」みたいな感じだろうか。
 話はそれだけなのだが、この名称由来でわかることだが、つまり、今後、COVID-22とか出てくる予想が含まれている。ちなみに、「コヴィッド22」とか、なんだか、どうあがいても身動きの取れない的な語感があるなあ(なぜかわかりますか?)「コヴィッド5」とかいう名前だと、悪い冗談になりそうだ(なぜかわかりますか?) (ヒント

 

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