初詣を見に行った
初詣を見に行った。初詣に行ったのではない。初詣してもいいかなとは思うし、たまに行くことはあるが、三が日が明けてからのことだ。人出が嫌いなのである。三が日だと、どこへ行っても初詣なんか無理だなあというくらい人が並んでいる。
では、まあ、初詣ではなく、初詣の人を見に行くかと出かけたのである。さて、どこへ。都心側は混むから郊外がいい。というか、東京の逆方向がいい。大宮なんかもいいが、ここはここで混むだろう。地図を見ながら、そういえばと、拝島大師を思い出した。だるま市が立っているはずである。
行ってみた。混んでいた。幸い、拝島大師はけっこう広いので、ラッシュアワー状態というか、明治神宮お馴染みレミング風行進もそれほどない。賑わいを見て回るうち、観音堂が意外と閑散としていたので、詣てきた。なーんだ、初詣じゃないか。
それにしても、元旦、三が日とどうしてかくも、初詣客で賑わうのだろう。日本人は無宗教と言われるが、これはどう見ても、カーバ神殿に比せられるほど、いやさすがにそこまではないにせよ、宗教心あふれるとしかいいようがない。
拝島大師のように比較的由緒正しくその土地の歴史に馴染んでいるものはわかららないでもないが、明治神宮のように明治天皇を祀り、しかもそのために作って100年たらず(そういえば、ちょうど100年か)のところでも、参拝客でごった返す。教育勅語の復活はいかんとがなりたてる左翼もこの参拝にケチをつけるでもない。
そういえば、夜、7時のNHKニュースで、新天皇の一般参賀の様子を流していたが、呆れ返るほどの人混みであった。宮内庁の発表では6万人を超えたらしい。すごいなあ。天皇を見たいというか、挨拶したいというか、まあ、いろんな趣味があってもいいが、この初詣みたいな群衆はなんだろうか。
まるでデモのようだなと思い、そういえば、2015年夏の国会前デモのとこは、12万人だから、この倍かあ、なんて、あれ、警察発表では3万人。まあ、宮内庁発表の精度もわからないが、国会前デモの倍近い人々が一般参賀で集まってしまうのが日本という国なのだろう。
というか、この人々が、実際のところは、あの国会前に集まる人々と拮抗しているのではないだろうか。日本人が分断しているというのでもないだろうが、バランスのようなものを感じるし、こうして可視になる数万の後ろにそれに比したサイレント・マジョリティーがいるのだろう。
自分も日本人なのだが、こうした日本人の心性というのは、よくわからない。
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