掛け算順序問題を考えたら意外な結論になった
ネットでは定期的に「掛け算の正しい順序」という、まあ、へんてこな議論が話題になる。割り算には順序があるが、スカラーの乗算は順序を入れ替えても同じなので、小学校の算数とかで、掛け算の順序で正しいものがあるというのも奇っ怪な話ではあるが、ようは、掛け算の順序というより、文章題から掛け算でどう立式するのが正しいのかという話のようでもある。が、まあ、それにしても掛け算の正しい順序なんてないだろと思っていたのが、ふと、手元のレシートを見て、少し考えた。135円の和菓子を2つ買ったのである。私が誰と食べたか、一人で二つ食べたかはここでは問題外とする。
1個135円の和菓子を2つ買ったら、いくらですか?
で、どう立式するだろうか。問題文順に、135 × 2 とするだろうか。掛け算に正しい順序があると言っている人は、これで満足するだろうか?
で、このレシート見ると、こう書いてある。
2個 × 単135
正しい掛け算の順序があるという主張の人たちだと、このレシートの立式は間違いか?
で、実は、それよりこのレシートで、「単」とあるところに関心が向いた。「単」というのは、単位、つまり、ユニットである。で、単位(ユニット)というのだが、単位名が存在する。それは、こうだろう。
円/個
つまり、このレシートの立式は、こういう意味である。単位を見やすさの便宜として[ ]で囲むと。
2 個 × [円/個] 135
となる。
単位部分を整理すると、
個 × 円 / 個
だから、これは、「円」になる。実際、「いくらですか?」は、円の単位を求めている。
逆に、
[円/個] 135 × 2 個
なら、単位部分を整理すると、
(円 / 個)× 個
で、やはり、「円」になる。
つまり、やはり、どっちでも同じ。単位を考えても同じ。
とま、屁理屈議論のように見えるかもしれないが、この手の文章題を考えさせるときは、単位の考え方が重要になる。
で、単位というのは、[円/個] というように、ある対象に対して、という考えかたなので、割り算の考えかただ。
というふうに考えると、小学校で、単位を含む掛け算の文章題を出すときは、
割り算を最初に教えておいたほうがいい
ということになるだろう。
まあ、実際には、そうもいかないだろうが。
追記 レシートの「単」は「単価」とのご指摘を受けた。話は単位で通ると思われるので、このままとした。
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