漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』と日赤のコラボポスターについて
日本赤十字社が献血PRとして作成した、漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』とコラボポスターがネットで話題というか、問題として議論を呼んでいた。ここでは、そうした議論を整理する意図はない。ただ、いちブロガーとして個人的見解を述べておこうと思う。
話題の発端は、次のTweetのようだ。該当ポスターが結果的にここに含まれている。
I admire the work the Red Cross does, which is why I’m disappointed that @JRCS_PR in Japan would run a campaign using the over-sexualized Uzaki-chan. There’s a time & a place for this stuff. This isn’t it. #women #metoo #kutoo pic.twitter.com/bhds7IPPTq
— Unseen Japan (@UnseenJapanSite) October 14, 2019
ここで述べられていることを仮訳する。
私は日本赤十字社の仕事に感服したね。これになぜ、がっかりしたかというと、日本では、過度に性的に表現された宇崎ちゃんを使ってキャンペーンをしていたことだ。こうしたものは時と場合を選ぶ。ここじゃない。
実は、私もほぼ同意見である。
UnseenJapanさんは、このTweetに関連して、この手のフェティッシュな表現自体に反対してるのではなく、あくまで、こうしたものの公示は時と場所を選ぶ、と補足している。
UnseenJapanさんは、さらに日本における公衆での性的表現のありかたについても言及しているが、そのあたりは私の考えとは異なる。
私が、このポスターを好ましくないと考えるのは、非常に単純な理由からである。内閣府男女共同参画局が平成15年に発表した『男女共同参画の視点からの公的広報の手引』「5-1 女性を飾り物として使っていませんか?」の以下の指針に反するからである。
単に目を引くためや親しみやすさを持たせるために、内容とは関係なく女性の姿や身体の一部をポスターなどで使う場合がありますが、それでは伝えるべき内容が十分に反映された表現とは言えません。
安易に女性をアイキャッチャーとして起用せず、訴求内容と訴求対象に合った、より効果的な表現方法を工夫しましょう。
内容と無関係に、女性の水着姿や、身体の一部などを使うと、「性的側面を強調している」と受け取られるおそれがあります。しかも、本来の伝えたい内容が不明確な広報になっています。
今回の日赤のポスターはまさにこの点で好ましくない例になっていると私は思う。
しかも、「センパイ! まだ献血未経験なんスか? ひょっとして……注射が怖いんスか~?」というのも、日赤の献血PRに採用するには好ましくないだろう。
以上が私の意見である。
一点、補足しておきたい。
今回の日赤ポスターは公的広報に相当するか?
私は、相当すると捉えている。日赤の献血事業は公的な事業であると考える。国の支援なくしては成り立たない事業でもあるからだ。
このことは、逆に、公的セクターではない事業者がこの漫画のコマを採用してもなんら問題はないとも考える。
(なお、日本のジャーナリズムが機能しているのなら、日赤がこの献血PRを依頼した広告店が、公的広報手引きをどのように理解していたかを突き詰めるべきだろう?)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント