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2019.10.29

英語の現在進行形がどこから生まれたのかわからない

 ずっと疑問に思っていることがある。英語の現在進行形がどこから生まれたのかわからないことだ。いや、そういうとバカみたいで、定説については(おそらく定説だろう)一応知っている。確認として、私も大学院で師事した中尾俊夫先生編の『歴史的にさぐる現代の英文法 』には、「起源説としていくつかの説が行われているが次の3つの解釈がもっとも妥当だと思われる」として3説載っている。同書はもうかなり古いが、現代でもそれほど外してもいなのではないか。いわゆる、①OEのbēon+on+ing、②OEのbēon+-ende、③両者の折衷。
 いずれもOE起源、つまり、英語の単独起源で捉えている。
 だが、同書でこう触れているのが重要である。

 OEから1500年ごろまでは進行形になりうる動詞は大変厳格に制限されていた。

 批判的に言うなら、それは例えば、ロマンス語の過去で、具体的にはフランス語ならêtreとavoirを使い分けるのにも似ているが、その限定性からすれば、文法というよりも、慣用語法ではないだろうか。つまり、文法と言えないのではないか。同書はさらにこう言及して終わってしまう。

 他動詞にも拡大されるようになったのは15世紀以降のことである。16世紀からは制限も緩まり徐々に拡大していった。

 という転機こそが、そもそも、英語の現在進行形という文法の事実上の起源であり、なぜそのような変化がそこで発生したのかを説明しないと、学問的な説明にはなっていないのではないかと思う。
 というか、それ以前に、なぜ、英語のなかで単独で説明を試みるのか疑問に思える。転機は、時代的には明らかにアングロ・ノルマン語との関連があるはずだ。
 ところが、アングロ・ノルマン語には現在進行形という表現はない。
 類似で、しかも構造的に告示しているのは、イタリア語の stare + gerundio である。もしかして、イタリア語の影響なのではないか?
 英語の現在進行形が英語に浸潤していく時代は、ルネサンス文学として、俗ラテン語ともイタリア語とも分別付きづらい「ラテン語文学」が翻訳された時期で、そうした翻訳文体がそのまま英語文法に定着してしまったということはないのだろうか?

 

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