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2019.09.15

必要と願望と期待の違い

 先日、このブログで『Think clearly』を勧めた。最近読んだ本ではとても有益だった。ただ、この本は、自己啓発書の一種なので、それをそのまま勧めるというものでもないなあ。私のお勧めをそのまま受け止める人に、お勧めするくらいかと思った。
 そして、2度目を読み終えた。さらにいろいろ考えさせられた。なかでも、必要と願望と期待の違いである。なるほどなと思ったのである。ちなみに、本書では「必然」とあるが、「必要」でいいだろう。
 何かが必要だということ(必要)。何かをしたいと思うこと(願望)。何かを期待すること(期待)。これらは似ている。が、違う。そして、その違いに私は気が付かなかったりする。
 具体的な例として、TOEICで900点を取る、というのを考える。
 「TOEICで900点を取らねばならない」というなら、必要だ。就職とか昇進とか、留学とかまあ、なにかでその点が条件となるなら、必要という感じになる。が、そうでもなければ、必要というわけでもない。
 意外に、人生、必要というのは少ない。そして、必要というのは、どっちかというと、手間と金をかければなんとかなるので、一種の野暮用みたいなものだ。
 「TOEICで900点を取りたい」となると、願望だ。願望を持ってもいいが、試験当日、下痢をするかもしれない。その他、いろいろそれを阻むなんかがあるかもしれない。ようは、願望は、達成するかどうかは、偶然要素が大きい。
 「頑張ればTOEICで900点が取れる」というのは期待だ。同書では、自分の期待は20%引いておくといいと。まあ、700点くらいか、という話でもないが、過度な期待はただ、失望をもたらすだけだ。
 まあ、必要と願望と期待の違いはそんなものだ。
 これは、考えてみると、TOEICの点の例より、はるかに日常の広範囲に及ぶ。昼飯なに喰うかとかでも、必要と願望と期待の違いは起きる。
 そう考えてみると、なんだろうか、ああ、なるほど、Think clearly、つまり、「すっきりと考える」という感じになった。
 Think clearlyというと、いかに明晰に考えるか、というふうになりがちだが、実際の私たちの思考は、願望や期待や感情でごちゃごちゃしながら進んでいる。だったら、それはそういうものだと割り切って、現実との対応を考えたほうがいい。

 

 

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