自民党の自民党による自民党のための第4次安倍再改造内閣
第4次安倍再改造内閣が発足した。印象は、自民党の自民党による自民党のための第4次安倍再改造内閣である。
ブログには書かなかったのだが、ある程度予想はしていた。残念ながら、麻生太郎副総理兼財務大臣(78)は残るだろう、と。財務省の権力が外れるはずもないし、消費税の失態のスケープゴートとしても麻生さんは最後のご奉公である。
個人的に気になっていたのは、菅義偉官房長官(70)である。存外に内閣を去るんじゃないかという、なんとなくの懸念があった。が、残った。私は65歳以上の政治家は引退すべきだと思うが、現在の日本を支えているのは、悪役を買って出た菅さんだろうなとも思っている。私はダークヒーローが好きだ。
他に残るだろうなと予想していたは、河野太郎(56)と茂木敏充(63)。そして外交と軍事は安定させるのが内閣の基本であり、二人は有能である。とすると、河野さんが外務大臣の継続だろうか、と。結果は、河野防衛大臣と茂木外務大臣となった。
予想外とも言えないが、多少へーと思ったのは、加藤勝信厚生労働大臣(63)である。横滑りで戻した。「ポスト安倍」候補ということか。ということで、河野さん、茂木さんと「ポスト安倍」で並ぶわけだ。これに年代的に岸田文雄政務調査会長(62)が並ぶ。
ははーん、なるほどね。ポスト安倍を競わせておけば、安倍さんもレームダックになりにくいか。というか、キーワードはレームダックだろうな。
そう言えば、自民党の派閥のバランスはどうかなと見ると、前回の内閣改造と比べるといずれも横ばいか微減。ようするに自民党一強とか、長期政権といっても、安倍さんの派閥的な党内基盤が強いわけでもない。そう考えてみると、自民党役員も二階俊博幹事長(80)を筆頭に再任が3人で、代わり映えしない。自民党って自民党のことしか考えてないなあ。というか、さすがに80歳という御仁はどうかと思うぞ。
というわけで、これは、もう実際には安倍内閣のレームダックを先取りした風景であり、自民党の自民党による自民党のための第4次安倍再改造内閣という印象になった。
内閣ポスト19中、17も入れ替え、初入閣も13人というのも、そうしてみると、その印象に整合的だ。公明党も入っているが、ようするに自民党に大臣経験をばらまいておく。女性が申し訳程度に2人というのも頷ける。マスコミネタの話題の役者も入れておく。共産党の口調を真似るわけでもないが、国民不在の内閣だし、何をしたい内閣というわけですらないのだろう。
では、レームダックの図を描いてみようか。安倍総理の自民党総裁としての任期は、2年後、2021年9月まで。そして衆議院議員任期満了は、その年の10月。ポスト安倍の自民党総裁が就任1か月で衆院解散というのもちと考えにくいから、その前に、安倍内閣がある時に禅定するか、禅定のシナリオを固めてから粛々とスケジュールを動かすか、レイムダックでどん詰まるか。
現時点の印象でいうなら、どん詰まりになるだろう。東京オリンピックの後の祭りと消費税のボディブローが効いてくる。中国経済の失速や米国やEUの混迷などで世界もぐだぐだになるだろう。
すると、昭和や平成が蘇ったような「ポスト安倍」の乱戦か、野党の台頭か。いや、野党の台頭はなさそうに思える。
暗いなあ。
でも、暗いほうがいいのかもしれない。「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ」というものだ。
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