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2019.09.23

小泉進次郎環境相が気候変動問題について「セクシーであるべきだ」と言った背景

 22日、ニューヨークの国連本部での会合で小泉進次郎環境相が気候変動問題に「セクシーであるべきだ」と言ったことが、ネットで話題になっていた。
 発言はロイター報道などではこう伝えている

 In politics there are so many issues, sometimes boring. On tackling such a big-scale issue like climate change, it’s got to be fun, it’s got to be cool. It’s got to be sexy too.
 (政治にはあまりに多くの問題があり、時にはつまらない。気候変動のような大きな問題に取り組むには、それは、面白く、かっこよく、そしてセクシーでもあるべきだ。)

 話題としての受け止め方の一つの典型例は、舛添要一・前東京都知事(70)のツイッターでの発言だろう。

NYでの記者会見で、小泉環境相は「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこ良く、セクシーであるべきだ」と発言。言語明瞭,意味不明瞭。金曜日に地球温暖化対策の実行を訴えた400万人の世界の若者は、がっかりするだろう。だから2時間前に、彼に注意する先輩が必要と私がツイートしたのである。
午後3:56 · 2019年9月23日·Twitter

 しかし、小泉環境相に助言した先輩はいた、と想定したほうがよいだろう。まず、この発言の状況だが、ANNの『「sexyに」気候変動問題を…進次郎大臣の真意は?』がわかりやすい。

 ニューヨークを訪れている小泉進次郎環境大臣が温暖化問題のイベント後に会見し、気候変動問題について「セクシーであるべきだ」と語りました。どういう意味なのでしょうか。
 その発信力は国際舞台でも通用するのでしょうか。アメリカのニューヨークで行われた国連の環境に関連するイベントで英語で演説。閣僚として外交デビューした小泉大臣。その小泉大臣、演説の前に行われた記者会見での発言が海外メディアに取り上げられています。「日本の新しい環境大臣が『気候変動との戦いをセクシーに』と発言」。このセクシー発言、ある会合に参加した女性が使った言葉を引用したものですが、アメリカの政治の世界では時々、使われる言い方だといいます。

Figueres

 ANNニュースでは、「ある会合に参加した女性が使った言葉を引用したもの」としているが、その女性は、今回小泉環境相とも同席したクリスティアナ・フィゲレス(Christiana Figueres)である。彼女は、コスタリカの外交官で、気候変動枠組条約の第4代事務局長を2010年から2016年まで務めたことがある。彼女を有名にしたのは2012年のRio+20のこの発言である。なお、このgreenは環境を象徴している。

 

It is time to make green sexy and to make it so sexy, it becomes the norm.
(緑をセクシーにする時期になったし、もっとセクシーにする時期だ。それが新しい基準だ。)

 今回の小泉環境相の「セクシー」発言は、同席したクリスティアナ・フィゲレスのこの考えを踏まえたものである。ロイター報道などが取り上げた先の発言の前には、小泉環境相はクリスティアナ・フィゲレスと顔を合わせて、やや不自然な英語だが(tackleはonを取らないなど)、こう言っている。が、彼女はその内容を喜んでいる。

On tackling on this issue,everything goto a be fun. And she added also 'sexy.' I totally agree with that.
(この問題に取り組むには、すべてが面白くすべきだろう。そして、彼女は「セクシー」と付け加えた。僕はこれに全部同意する)

 また彼女は、今回、日本が石炭火力発電所を建設することを踏まえ、こうも発言している

It behooves the rest of the world to come together to support Japan, as well as the other Asian countries, to move beyond coal.
(日本が、他のアジア諸国と同様、石炭を乗り越えていくよう支援するために、世界の他の国々は協力しなければなりません。)

 総じて、国連的な枠組みでは、小泉環境相は、現状ではまだ地球環境問題で期待をかけられているといってよさそうだ。国際報道としては、日本が東北震災以降、気候変動問題に消極的だったが、ようやく気候変動に取り組みそうな、元気がよく、若くて面白い環境大臣が出て来たか、というあたりで着目されているのだろう。

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