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2019.09.10

台風15号と南房総

 台風15号が千葉県、特に南房総に大きな被害をもたらした。NHKのニュース『台風15号 市民の声「水がない。千葉の実情伝わっていない」』(2019年9月10日 16時44分)が、住民の声を伝えている。

 10日、気温が30度を超える中、女性はSNSにメッセージを書きました。「コンビニも今日はみんなやってないので、食料もないです」「いま出先で飲み水がなくなったので熱中症になりそう」この投稿のあと、自分が勤める隣の市の会社に出向き、同僚から炭酸入りの飲料水を分けてもらったと言います。
 女性は今、千葉県の被害の実情が伝わっていないのでないかと、不安を感じています。
 「避難所は台風が過ぎ去った後に閉鎖してしまいました。お年寄りは、ご自宅に帰ったと思いますが停電、断水してるため暑い部屋で水も浴びられず、使えない冷蔵庫に入った食料を食べるしかないと思います。千葉県南部で誰か倒れても、誰も気づいてくれないんじゃないか。被害の実情が伝わらなければ支援も届きません。ほんとに助けてほしいです」

 報道を通じている知る災害のようすからすると、政府レベルでの対策が必要であるように思われる。
 類似の災害として連想されるのは、国が対策本部を設けた平成26年豪雪、特に、ほぼ県全域が孤立した山梨県の事例である。今回の千葉県では、当時の山梨県ほどには孤立していないようだが、水や食料の供給に大きな問題が出てくる。
 平成26年山梨県豪雪で問われたのは、エネルギーの補給であった。災害時には、目先の問題としては、水、食料、寝泊まりなどに目が行くが、その基盤にあるのがエネルギーの補給である。今後、国は地域が取り残された場合のエネルギー補給の総合的な対策が必要になるだろう。
 もう一つの類似点は、十分に被害が予想されていなかったことだ。しかたないことかもしれない。台風なれしているのは、沖縄くらいであろう。ちなみに、沖縄では台風の速度が遅い。
 私は沖縄で8年暮らし、その間ほぼ毎年、台風の停電を経験した。最長では、72時間、足掛け4日の停電があった。さすがに4日目になると、タイムスリップしような感覚に襲われた。すっぽりと台風の目に包まれるという、ワンダーな体験もした。
 当然、沖縄ではこうした事態も平常なほど、台風慣れしている。慣れすぎて、台風になるとドライブに出る若者がいるくらいだ。やめとけ。
 南千葉というか房総半島南部では、ここまでの台風の経験がこの数年なかったとも言えるだろうか。昨年の台風24号も大きかったし、千葉県には主に農作物に被害を出した。風速40メートルはあったようだ。今回は50メートル。昨年の台風で持ち堪えたことが被害を大きくしたのかもしれない。
 南房総での被害のようすの写真を見ると、今年2月の連休の白浜の小旅行が思い出される。千葉県北部では雪となった。白浜のほうは雨だったが、この季節の南房総が好きな私としても異様なほどの寒さだった。道の駅などには昼間は車の客でそれなりに賑わっていたが、夜間は食事をする場所もほとんどないほど、寂れた印象だった。南房総は、リゾート地としては潜在性が高いのに、実際は随分寂れてるものだと思った。昭和を思わせる古い家並みもよく見かけた。あれがこの台風で一変したのかと思うとやるせない感じがする。

Bousou 

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