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2019.07.16

最高の映画10

 先日、これまで見た映画で最高の映画って何?という話題を見かけて、それで、そのとき思った10個。
 紹介の補助にアフィリエイトをつけたが、大半は、原題ではストリーミングで見れるので、あくまで参考までに。


『風と共に去りぬ』

 有名な映画なので、誰もが見ているかというと、意外に若い人は見てないんじゃないかと思う。おすすめするかというと、おすすめしたい。なぜと言われると、現代から見ると微妙に不思議な映画だからだ。ちなみに、この邦題は有名だが、誤訳。
 話は、奴隷制が残る1860年代のジョージア州。南北戦争が巻き起こす、男女の恋の物語といったところか。南北戦争というものの、あるリアリティがこの映画の価値だが、普通に男女の物語として見ていても、現代のラノベあるある的なおもしろさはある。
 作成されたのが1939年。『オズの魔法使』も同じ。第二次世界大戦が勃発した年。日本はノモンハン事件。で、太平洋戦争が始まったのが、1941年。というふうに戦争の文脈を考えたくなり、映画のテーマも南北戦争だが、特段にそういう背景性はない。日本で公開されたのが1952年。日本が独立した年。本格的なフルカラーの映画として画期的だった。
 私が見たのは、1970年ころ。まだ、米軍文化が少し残る立川の映画館だった。長い映画だったなという記憶があるが、3時間42分。中間でフィルムを取り替えるのだが、そのときの記憶もある。

 


『サウンド・オブ・ミュージック』

 現代的な視点からすると、たわいない映画だが、ジュリー・アンドリュースが素敵で全編とおして歌が楽しい。『ウエスト・サイド物語』も音楽はいいが、現代的には、もにょるものだがあるだろう。

 


『シェルブールの雨傘』

 この映画については以前書いた。一番好きな映画だ。

 


『あらかじめ失われた恋人たちよ』

 劇作家・清水邦夫と評論家・田原総一郎の脚本・監督の1971年の白黒作品。というか、白黒であることが印象的。話の内容は、まあ、支離滅裂といったところ。1960年代の日本のなにかが終わったというある感覚が描かれているようにも思う。この映像的な感覚がとても印象的な映画だ。
 ちなみに、この映画の、いかにも若者たちというのが、だいたい現在の70歳。桃井かおりは68歳。
 今の若い人からみると、70歳の人ってすごい老人に見えるけど、いわゆる当時の意識高い系はこんな感じのメンタリティのまま老人になっていると思うといいよ。

 


『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』

 1985年の作品だが、なんというのか、バブル前の日本の最後の姿というか、これも奇妙な作品。ハチャメチャという感じだ。意外にエロいところがよい。話は、原発ジプシーとじゃぱゆきさん、なのだが、この言葉すら現代日本では死んでしまったんではないだろうか。
 なんだろう、この映画見ると、脳みそが空っぽになるようなトリップ感があるよ。たぶん。

 


『TATTOO[刺青]あり』

 1982年の作品。1979年の三菱銀行人質事件の犯人の梅川昭美をミュージシャンの宇崎竜童が描いた作品。ではあるが、事件そのものは描かれていない。事件に追い込まれていく、男の切ないというか、ああ、男だという奇妙ななにかを描いている。事件の記憶がまだ冷めないなかである衝撃感というか、事件というものが日本にとってなんであるかを問うようなものがあった。あれが、バブルで消えちゃったなあ的な。
 三菱銀行人質事件はサイコパス2のネタにもなっている。とんでもない事件だった。この手のとんでもない事件は、それでも、1970年代、それほどとんでもないものでもなかった。

 


『ジーザズクライスト・スーパースター』

 1973年年の映画。ふと気になって、同じくキリスト受難パロディものである、『ライフ・オブ・ブライアン』の年代を確認したら、1979年だった。
 ロックオペラという感じで有名だし、キリスト教的にどうたらというふうに見られていたが、現代的には、普通に美しいミュージカルでいいと思う。数年前見直したが、ヘロデ王がよかったな。

 


『愛の嵐』

 1974年のイタリア映画。これこそ、変態。『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』なんてもんじゃない。貧乳ファンにもたまらない。
 そういえば、イタリア語を最近勉強したのだった。原題は、”Il Portiere di notte”、「夜のポーター」。なるほどね。「愛の嵐」ってタイトルはねーわ。
 時代は、1957年。私が生まれた年だ、どうでもいい。場所はウィーン。季節は冬。マクシミリアンは、ホテルの夜勤ポーターをしている。もと、ナチス親衛隊の将校だったので、身を隠して暮らしているのだった。ある日、アメリカ人の著名な指揮者がホテルに泊まる。その妻を見て思い出す。ルチアだ。彼が強制収容所で性的虐待をしたユダヤ人の少女である。うぅぅ。
 よくもまあ、こんなひどい話作ったよなあと思うが、陶酔的。愛ってなんだかわからなくなる。ワレリアン・ボロズウィックの『罪物語』とかもだが。

 


『フラッシュ・ゴードン』

 THE B級とはこれ。すごいバカバカしい。マーヴェルっぽくすらない。クイーンの音楽が最高だ。この猥雑でデタラメでチープでうすっぺらい映画が、なんだろう、身体の奥から、美を伝えてくれるというか。こんなバカ映画に熱中するやつって俺くらいかと思ったら、『TED』がそうだったので、世界には君の友達がいる。

 


『アメリ』

 まあ、いいでしょ。おフランス、おしゃれ系に見られているけど、ただの、アスペというか、アスペの世界を完膚なきまでに美しく描いている。ルノワールを模写している爺さんとか最高に美しい。

 

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