子供と学んだ教材、3点ほど紹介
文具メーカーのコクヨが、「しゅくだいやる気ペン」というおもしろグッズを販売したことがネットで話題になっていた。この新製品を普通の鉛筆に取り付けて文字を書くと、その書いて勉強していた間の時間が計測され、可視化されるので、その達成感が子供の勉強の励みになるというものだ。仕組みは、鉛筆を動かしている時間を内蔵加速度センサーで計測してスマホに記録させることだ。現代の万歩計ともいえる活動量計と似た仕組みである。
当然ながら、考えている時間や読書している時間は計測されない。なので、これは一種、子供が「肉体労働」している状態を親が監視する装置だなとは思った。というあたりで、宣伝の動画を見たら、勉強しない・したくないという子供がこの装置で勉強するようになるというものだった。
動画を見ながらが、そういえば、私は子供が4人いるが、小学生くらいのころ、いや中学生になってからも、子供に勉強しなさいと言ったことがないなと思った。思い出すに、ない。それどこから、宿題の提出物が出てこないので担任から苦情の電話をもらったことを思い出した。それで……どうしたっけ?と思い出す。それでも、やっとけと言わなかったような気がする。子供たちは特段に成績がよいわけでもなく、提出物忘れた減点はがっつり効いていたみたいだった。
私は子供の学習に関心がなかったのだろうか。そう考えて、そういえば、子供にあまりものを教えなかったなと思った。大学生のとき、家庭教師はしたし、院生のときは補講とかで学部生の指導とかもしたが、と思い、いや、長女には古典と英語を少し教えた。というか、教材を使って一緒に勉強した。ちなみに、受験期になってからは、やっていない。
そうした教材のなかで、自分も使っていて面白かったものを3点ほど紹介したい。
『読んで見て覚える重要古文単語315』
子供が古典の勉強をつまらなそうに思っているので、そうだなあ、じゃあ、お父さんと古典の勉強でもするか、ということで始めた2冊目がこれである。表題からもわかるように、古文単語集だが、ゴロゴ系のようにゴロで丸暗記するわけでもなく、また重要語が辞書的に並んでいるというものでもなく、主要な古典文が1、2ページあり、そこで使われている重要古文単語を学ぼうというものだ。なので、まず、それぞれの語が古典の文脈のなかで生きている。
これを子供に音読させて意味を確認するということをした。
受験向きの勉強法でもないが、私としては、古代から近世までの特徴的な古文をできるだけ音読したほうがいいと思ったのだった。
私としては、古典語と現代語の変遷のようなものを考えるきっかけとなっておもしろかった。
『1日10分 超音読レッスン「大統領のスピーチ編 」』
子供は英語が得意でも不得意でもなそうだが、それでもできるだけ本物の英語に触れる機会があったほうがいいだろうということと、音読がいいだろうということで、超音読レッスンのシリーズをいくつか使った。
そうしたなかで、一緒に学んでいておもしろかったのが、これ、「大統領のスピーチ編」である。エイブラハム・リンカーンの「ゲティスバーグ演説」なども含まれている。最近ではオバマまで。
というわけで、現代英語の変遷史にもなるし、なぜこれらの米大統領がこうした演説をしたのかという、現代史の勉強にもなる、というか、その解説は本書にはほとんど含まれていないので、私が教えた。
米国現代史を教えつつ思ったのだが、私も60歳にもなり、自分の記憶がすでに半世紀以上の歴史を抱えていて、人生を回顧するきっかけにもなった。
そういう意味でいうと、この本を拡張して、英語の解説と時代背景を解説した参考書でもあればいいなとは思った。既存であるだろうか?
『ネイティヴ発想の英文ライティング: 赤字チェックで徹底指導! 』
私は、結局使うことがなかったが、高校の英語教師の資格を持っている。人生どっかで間違っていたら、高校の英語教師でもしていただろうか。それはさておき、英語の授業というのは、あまりクリエイティブではない。つまり、自分の創意や思考が活かせることが、工夫しないとない。こういうのはつまんないと思っていたので、そうだな、できるけ受験勉強くさくない英作文学習というか翻訳でもやってみてはどうかと、子供と数冊やった。そのなかで、おもしろかったし、私も勉強になったのが、この一冊である。
若干、乱造の感もあるデイヴィッド・セイン先生だが、この本は、かなり本格的だった。
すでに他に数冊、基本的な英作文の参考書での学習は終えていた。そこで、もう、いかにも文法応用的な英作文、あるいは受験的な英作文ではなく、すなおに日本人が書いた、日本人発想の普通の日本語文をどう英訳するか、という課題がこの本である。
進め方はこうだった。まず、私と子供とそれぞれ英作文をしてみる。互いに講評する。セイン先生の解答例と解説を読む。まあ、ほぼ毎回圧倒された。ネイティブの感覚はそうかというのがよくわかる一冊だった。
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