ポリグロットの言語習得が他の語学学習者と異なるところ
ネットを見ていたら、複数言語が使えるポリグロットの言語習得が他の語学学習者と異なるところとして、Lýdia Machová さんの、"Ten things polyglots do differently"という、ポリグロット集会の講演をYouTubeで見かけた。面白かった。自分の備忘も兼ねて触れておきたい。なお、彼女は同種のテーマをTEDでも話している。
複数言語を使う人をポリグロットという。だいたい5ヶ国語くらいからそういう感じが出て来る。
さて、実際には「異なるところ」とも言えないので、項目的にはちょっと矛盾している。
1 ポリグロットに特殊な才能があるわけではない
特殊な才能ではないから、ハイティーンや成人以降でも別言語が十分習得できている。
2 ポリグロットはそれぞれ自分独自の手法で言語を習得している
自分に合った学習法を開発している。語学に堪能な人は独自の学習法をもっているとも言える。
3 ポリグロットの学習は自習による
語学学校で学ぶものではないということだ。教える・教えられるというスキーム自体は語学習得に有効ではない。学ぶという主体が重要。
4 ポリグロットは語学教材を自分で作成している
といっても、特殊な学習教材というのではなく、単語帳を自作する、学ぶべき内容のノートを自分でまとめるといったことである。
5 ポリグロットといえども一つの言語を学ぶときはそれに集中している
複数の言語が使えるようになりたかったら、1ずつ加えていくというのだ。とはいえ、他言語の能力維持に2割は割くともいっている。
6 ポリグロットは、スピーキングとリスニングに注力する
読み書きは後回しということ。語彙力増強も後回し。そしてある日、耳から入るその言語が理解できるときに、自由の感覚を得るという。
7 ポリグロットは間違いを恐れない
権化習得時には間違いがつきもの。それを恐れないこと。
8 ポリグロットはものごとを簡単に言う技術をすでにもっている
The art of simplification と呼ばれている。語彙力が十分ではないとき、別の簡単な語を組わせて伝える技術と言っていいだろう。
9 ポリグロットは毎日少しずつ言語を覚える
毎日1時間くらい。短距離走ではなくマラソン。
10 ポリグロットは言語を楽しみながら学ぶ
楽しみと語学学習を結びつける。言語を学ぶことを趣味にしてしまえばいい。あるいは、好きな分野で言語を学ぶとか。実際、日本のアニメを直接楽しみたいがゆえに日本語を学ぶ人は多い。アプリを活用してもいい。
以上、面白い指摘だが、学習科学的に有効と言えるかについてはわからない。
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