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2019.05.18

詩人のウマル・ハイヤームと数学者のウマル・ハイヤームは別人

 今朝、Googleを見たら、ウマル・ハイヤームみたいな人の絵がある。

Screenshot20190518

 右手で幾何学、左手にぶどう。数学者でもあり詩人でもありということの表現だろうか。そもそもウマル・ハイヤームかなと、リンク先を見たらWikipediaの「ウマル・ハイヤーム」の項目に飛んだ。読むと、詩人のウマル・ハイヤームと数学者のウマル・ハイヤームは別人という記載はなかったように思う。日本だけ知識が遅れているのかと、自分が理解できそうないくつかの言語の項目も見たが同様だった。もしかしてペルシャ語のならと、自動翻訳で見ただけだが、やはり詩人のウマル・ハイヤームと数学者のウマル・ハイヤームは別人という話はないようだった。通説ではないんですかね。とか言うと、とんでも歴史を素人が書くんじゃないと歴史学者に知られてしまうだろうか。
 詩人のウマル・ハイヤームと数学者のウマル・ハイヤームは別人という話は以前、このブログにも書いた。放送大学で数学史を学んだとき、講座で注意するように指摘があって、知らなかったので驚いたのだった。というわけで、ソースについては、そっちを見てほしいが……。
 ネットで確認できるソースはないかなと少し探してみた。調べかたが悪いのかもしれない。あまりないのだなと思ったが、東アジア人訊醜報學萌究センターの『伝ウマル・ハイヤーム著ノウルーズの書』という文書に関連の指摘があった。

ウマル・ハイヤームは、厭世観あふれる『四行詩集(ルバーイーヤート)』の作者として名高く、またセルジューク朝のスルターン、マリクシャーに仕え、数学や天文学の著作が多数残されている。しかし最近の研究では、詩人のハイヤームと、数学や天文学に秀でた科学者としてのハイヤームは別人と捉えられるようになった。数学や天文学に秀で、セルジューク朝のマリクシャーに要請されて天文表作成に携わり、ニザーミーの『四つの講話 (Čahār Maqāla)』(12世紀)などに名前の挙がる人物は、正しくは、ウマル・ブン・イブラーヒーム・ハイヤーミー (‘Umar b. Ibrāhīm al-Xayyāmī) という名前であり、ニーシャープール出身であった。もう1人、同時代に、詩人として知られるウマル・ブン・アリー・ブン・ハラフ・ハイヤーム (‘Umarb. ‘Alī b. Xalaf Xayyām) という人物が存在し、若干の詩が伝えられているという。ヒジュラ暦8世紀(西暦14世紀)ごろには、このふたりの人物が同一視され、新たに「ウマル・ハイヤーム」という、詩人にして自然科学者である人物が産み出されたのだ、と近年では主張されている (Ṭabaṭabā’ī 1991参照)。

 正確には、通説ということには至ってないだろうが、異説や個人研究言及の多いWikipediaなんだからというわけでもないが、というか、きちんとそれなりに最新の学説なのだから、注釈でも入れておいていいのではないだろうか。「おまえがやれ」とか言われそうだが、私はWikipediaを使って嫌がらせを受けたとこがあり、このプロジェクトにはあまり関わりたくないなと思っている。
 まあ、こういう考えは、現状では異説なのかもしれないし、私のような素人は異説好きと片付けられてしまうかもしれないが、それでも若い頃はアカデミズムを志しその訓練も受けてきたわけで、異説について鵜呑みをするものでもないと思うのだが、そうは言っても、アカデミズムの内部にいるわけでもなく、素人して多種の分野の知識に関心をもって、それを一種の趣味にしているわけで、つまりは、それが素人というものだろう。
 Wikipediaを使って知識をまとめれば、素人でも何か言えるような時代になった。そう言ってしまえば悪口のようだが、いいことなのかもしれない。というか、それをいいことにしていくには、どうしたらいいんだろうか。学術論文にも指摘があり、専門筋では通説化していることがあれば、学問好きの素人が、とりあえず受け取ってブログに書いてみるというのもいいのかもしれない。ネット全体がWikipedia のように機能するかもしれないから。そう思いたい。

 

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