世界史の学習漫画を大人買いした話
昨年の春だったと思う。世界史の本を書き始めた。子供に読ませようかと思ったこともある。20ページくらい書いただろうか。そのあたりで、なんとなく中断してしまった。そういえば、平成史も中断中。古典の学習書は書き上げたが、見直しがいろいろあって、保留状態で眠っている。まあ、なんかそんな気まぐれが多い。気まぐれといえば、自著の続編も60歳になって書こうと思っていたが、これは、末子が大学に入ってからかなとなんとなく思っている。で、世界史である。
自分が書いていた世界史は、世界の歴史を逆に辿るものだ。とはいえ、時代を逆に見るという趣向ではない。「なぜ今の日本はこの日本なのか?」という理由を世界史的に説明するというのが目的である。だから、アステカ文明については触れない。モンゴル帝国については触れるつもりでいた。ビザンチン帝国については、触れる、なぜかというと……といった趣旨の本にするつもりだった。
資料がてらにいろいろ世界史の概説本なども買って読み、本の山になっており、たまに読むのだが、ふと、ああ、そういえば、世界史の学習漫画はどうだろうと気になって、ついでに、大人買いした。
もう一つ理由がある。現在、世界史漫画というのは、大きく分けて、3種類あることを知って、なんだろ、それと思ったのだった。3種は、こんな感じだ。
学研: NEW世界の歴史(12巻 + 別巻2)
集英社: 学習漫画「世界の歴史」(10巻 + 別巻2)
小学館: 学習まんが「世界の歴史」(全17巻)
この集英社のは文庫版で、そうでないのもある。というか、当初、漫画の世界史というとこの版のことを思いついたのだが、他に学研と小学館があるのを知った。で、集英社のは、改定されているが、ベースは2002年ころで古い。古い分、定番とも言える。
学研と小学館は、比較的新しい。それぞれ2016年と2018年。それだけ、新しい世界史観で描かれているんじゃないかと期待できる。まあ、こっちだ。で、どっちだ?
小学館のは、実質、山川だった。つまり、世界史の教科書の定番の山川がベースになって監修され小学館から出ている。山川なら安心できるというのがまずあるだろう。で、これかなと各巻の概要を見ていたら、なぜかイスラムが抜けているように思えた。まさかと思ったのだが、ほとんどなさそうだ。というか、全体を見ると、基本は西洋史中心でまとめられている印象がある。ちょっともにょった。
で、結局学研にした。実は、別館の世界遺産学習事典もいいなと思ったのだ。
内容的には、学研のは、中学生向けのようなので、内容は薄いんじゃないかと思った。
大人買いしてどうだったか。
濃かった。漫画の内容は薄いといえば薄いのだが、注がけっこうある。チェーザレ・ボルジアも出てきた。チェーザレ・ボルジアについては、高校の山川の教科書にも出てこないんですよ。
イスラムも簡素でよくまとまっている、というか、西洋中心主義ではない印象があってそれも好感だった。
あと、意外なんだが、絵が全部カラーというのはよかったのと、読んでいて、あれれと思って、はっと気がついたのだけど、この本、横書きだった。だから、本の開き方も通常の漫画と違っている。これに違和感を感じていやだと思う人もいるかもしれないが、私にはむしろわかりやすかった。そうかあ、昔、漫画世界史とかで微妙な感じがしたのは、縦書きだったからと思うほどだった。
さて、特に、お勧めするものでもないが、世界史って今ひとつわかりにくいという人が漫画で大人買いするには、この学研版は悪くないチョイスじゃないかとは思った。
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