モンキー・パンチさん、小池一夫さんの死
漫画家モンキー・パンチさんが4月11日、81歳でなくなり、漫画原作者小池一夫さんが4月17日に82歳でなくなった。昭和32年生まれの私は、当然、お二人の作品にそれなりになじんでいるが、ファンというほどのこともないせいか、それほどは感慨もなかった。
モンキー・パンチさんの代表作、ルパン三世については、アニメ化される前の原作を知っているので、アニメはずいぶんとお子ちゃま向けにされているのだなと思ったものだった。関心もなかった。では原作に関心があったかというと、1960年代の漫画アクションはどっちかというと成人向け劇画誌で、実際にはお子ちゃまであった自分にはそれほど関心はなかった。なんというか、大人向けのエロ・コンテンツは所詮お子ちゃまには向かないのである。
小池一夫さんといえば、子連れ狼だろうが、私はそのドラマも含めて関心がなかった。なぜなのだろうかと疑問に思う。素浪人月影兵庫、素浪人花山大吉を見て育ち、30分枠時代の水戸黄門も見ていたし、木枯し紋次郎も好きだったが、子連れ狼には関心なかった。必殺シリーズも関心ない。
他の作品はというと、池上遼一が絵のクライング フリーマンは毎週読んでいた。ので、話が支離滅裂になっていく過程も追っていた。あとで知ったが、物語の破綻には裏話もあったらしい。総じて、小池一夫さんの作品には関心がなかった。
漫画家原作者といえば、梶原一騎(高森朝雄)には関心があった。とはいえ、スポーツものばかりというわけではないが。と、ふと思って、生年を確認すると、梶原は1936年の生まれで、小池一夫さんの生年と同じだった。そうか、梶原一騎が存命なら82歳だったかと奇妙な感慨に襲われる。梶原は50歳で亡くなっているのだが、自分の感覚からそれほど昔とも思えない。確認してみると、1987年で、昭和62年であった。梶原は平成を生きることはできなかった。
元号と人の寿命は、本質的には関係はない。あるわけもない、と思うのだが、モンキー・パンチさん、小池一夫さんともに、あと1か月なく令和の時代というところで亡くなられると、奇妙な感じは拭えない。ちなみに、お二人とも肺炎で、肺炎は日本人の死亡原因の4位である。3位と争って少し落ちた。
自分は61歳である。彼らの軌跡を思えば、自分に残されている人生の時間もそう長くはないなと思う。令和の時代を生きたとして、徳仁親王が天皇位を降りるまで私は生きてはいられないだろう。
小池一夫さんについては、漫画原作という以外に、この数年のツイッターでの活躍に私は関心をもっていた。80歳すぎても、精神が若々しく、身体も保っているのを好ましく思ったものだった。
昭和・平成時代の漫画の時代の巨人がふたり示し合わせたように、しかも令和を前に亡くなることは奇妙な符牒のようにも思えるが、80歳を超えた文学者はというと、あのかた、このかたと思い浮かぶ。そう遠くなく訃報を聞くのだろう。
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