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2019.04.20

「緑の募金」はやめてもいいんじゃないのか?

 ぼんやりとニュースを見ていたら、閣僚が緑の羽根を付けていた。それがなんであるかは知っている。「緑の募金」である。そして、ふと思ったのだが、「緑の募金」はもうやめてもいいんじゃないか。ということで、「緑の募金」をやめろ、とかいう過激な主張がしたいわけではない。考えてみたら、これってもう時代的な役割を終えているんじゃないかと、なんとなく思ったのだった。
 というわけで、以下、そのなんとなく思ったことを書く程度なので、読む人がいるなら、ゆる〜く受け止めてほしい。

これってスギ花粉症の原因の杉の植林運動だったんじゃないの

 恥ずかしい話だが、「緑の募金」という名前になっていることにさほど注意していなかった。私は「緑の羽根募金」と区別がついてなかったのである。ところが、1995年(平成7年)に「緑の羽根募金」から「緑の募金」と改名されていた。該当団体では、こう説明していた。

昭和25年以来「緑の羽根募金」運動を進めてきましたが、平成7年に戦後50年を契機として「緑の募金法」が制定され、「緑の募金」を通じたボランティアによる森林づくりが国内はもとより地球規模で進められきました。

 改名の理由は、戦後50年を契機として緑の募金法が制定されたことらしいが、法を読んでみると、「緑の募金の健全な発展を図るために必要な措置を定めること」ということで、一種の同義反復的な内容になっていた。
 運動としては基本的に、昭和25年にできた「緑の羽根募金」を継承していると理解していいのでは、というか、違いは明記されていなかった。
 そこで、昭和25年(1950年)の緑の羽根募金なのだが、これは戦争で国土が荒廃しているので(戦争で過剰に切り出した)、植林ということだが、現実的には、同年の造林臨時措置法と調和し、戦後復興のための材木のために杉材を植えまくったということだと思う。そもそも、昭和25年というは、日本がまだ独立を果たしていない。
 材木のための杉の植林であれば、40年で成木になる。が、その40年間で木材は輸入が安くなり、国産の杉成木の需要はおそらく1980年代にはなくなり、その後、杉は放置されたようだ。面白いことに、と言っていいのか、杉は天然更新しにくい。杉というのは、実は日本の風土にそれほどあっていない。一種の緑の緑による自然破壊といった趣がある。
 かくして、手入れされない杉が大量の花粉を撒き散らす。あと、よくわからないのだが、需要もないのに杉の植林は継続されているようだ。二酸化炭素削減の緑の数値達成のためだろうか。
 いずれにせよ、1980年代のどこかで、植林事業は大きな見直しをすべきだっただろう。それにしたがって「緑の羽根募金」のミッションが変更されるべきだっただろう。

「緑の羽根募金」のミッションがよくわからない

 当初のミッションは、復興のための材木供給だったのだが、その後のミッションがわからない。該当のホームページには、こうある。

森林は人が生きるかんきょうを守るためにさまざまな役割を果たしています。なかでも、定量的な評価が可能 な「地球環境保全」「水源かん養」「土壌保全・土砂災害防止」「保健・レクリエーション機能」の4つの機 能だけでも、年間約70兆円の経済効果が見込まれます。(日本学術会議の試算)

 「かんきょう」がひらがななのはまるでわからない。が、その他の森林の役割はわかるとして、「緑の募金」のミッションは、やはりわからない。そして、ミッションが明確ではない組織は評価ができない。
 実際になにをやっているかについては、事業報告書があるのだが、あまりに多様でミッションが読み取れない。
 私が勘違いしていると思うのだが、収支が私にはよくわからない。平成29年の交付の総額は242,755,000円で、他方「全国の募金額(中央募金・地方募金)の推移」で同年を見ると21億円とある。
 どっかで簡素な収支報告書がネットで公開されているんだろうか。

行政との関係がわからない

 「緑の募金」は独立行政法人で直接的な国の行政機関ではない。そのせいか国の緑化政策との関連がわからない。地方の緑化政策との整合もわからない。以下のようにあるが、そのお金がどう回っていくのかもよくわからない。

緑の募金は、地元に募金することもできます。
地元に直接募金をお考えの方は、各都道府県緑化推進機構へお問い合わせください。

 緑の募金法(緑の募金による森林整備等の推進に関する法律)を見ると、都道府県緑化推進委員会の規定があるが、「認められるものを、その申出により、当該都道府県に一を限って、同条に規定する業務を行う者として指定することができる」とあって、基本的に地方行政とは分離されている。そして、この法は、実質、都道府県緑化推進委員会の規定といってよいようだ。緑の募金の実態は、都道府県緑化推進委員会なのだろうが、これってどういう経緯でそれぞれの地方でできたのだろうか? なんとなく思うくらいなのだが、これは一種の非公式な収税装置なんじゃないだろうか。
 あと、そもそも話だが、21億円程度の予算規模を国内や海外にばらまく意味がよくわからない。国の森林整備事業予算だけで、130億円あり、そうした整合もわからない。

これは教育組織なんだろうか?

 つまるところ、緑の募金というは、緑化政策を推進する教育組織なんだろうか。組織の目的の2番目ともいえるところに教育がある。具体的には、こういうこともある。

森の教室活動の一環として、「森の教室・どんぐりくんと森の仲間たち」というプログラムを行っています。 これは、幼稚園・保育園を通じて園児と一緒に、未来へつなぐ「どんぐりの苗木」を育て、育った苗木を植樹 していくという活動で、園児たちが森林との関わりを持ち関心を持ってもらう場として、とても役に立ってい ます。

 単純な話、ブナ科の木をどこに植えるのだろうか? 

 

 とまあ、わかりもしないことをくだくだ書いてみたが、「緑の募金」がわかりづらいということは確かではないのか。そもそも、何をミッションにしてどう評価されているかが、よくわからない。財団法人・スギ花粉削減協会みたいなもののほうが、社会にとって有益なんじゃないか。

 

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