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2018.03.18

[映画] 空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎

 映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』は、久々に爽快な駄作を見たなあという感じだった。映画『ジュピター』以来かな、この駄作な感じ。いやあ、駄作っていう言い方はないだろうとも思うし、映画『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』みたいに途中寝落ちすることもなかったし、面白いか面白くないかというと、面白い映画だった、っていうか、きれいな映画だった。こういう感じの見たかったんだよねという点では満足なんで、じゃあ、駄作っていう言うなあという感じなんだけど、ごにょごにょ。
 映像はまず見事だった。唐代の長安を無理に時代考証的に再現する必要はないし、むしろ、現代的な映像の視点から再創造された長安の美しさは十分満喫できた。他方、現代に残る遺跡とか廃墟感も堪能できた。出て来る美女さんたちも、これだよなあといういい感じだった。
 じゃあ、文句ないんじゃなね、というと、それはそうなんだけど。
 以下、若干ネタバレ風味で。
 脚本的にはちょっとというかいろいろ問題は感じた。謎解き的なストーリーの追い方は悪くない。阿倍仲麻呂も、ニシンの燻製とするならそれはそれでいいのかもしれないけど、これ、要らなくねというか、松坂慶子もなんでぇ?という感じ。ここのところごっそり抜いても問題茄子、に思えた。逆に、空海と恵果の関係はもう少し丁寧にというか、もう少し密教哲学的に描いてくれるとよかった。
 白楽天の使い方も演技も声優もよかった。白楽天については内面もよく描かれていた。空海さんは、というと、これ、よくお大師様像に似ているなあというのは感心したけど、映画として見ると演技がだるいというか、地味すぎ。走るシーンとかあるにはあるんだけど、もっと若い空海が走る走るの疾走感は欲しかった。
 タイトルは中国語『妖猫传』のようにしたほうがすっきりはしただろう。が、そこはでもしかたないかも思うには思う。猫の演技、っていうのか、CGとリアル猫をどう継ぎ合せるのかわからないくらいよくできてはいけど、リアル猫のほうがよくてCGかなというのはちょっとプア感は残った。
 個人的には、エロが足りないなあ。映画『パフューム ある人殺しの物語』ほどエロは要らないけど、もうちょっとエロが欲しい。というか、屍体がでてくるんだから、もうちょっとそこにエロまぜしてぞっとする映像とか見たいのだけど(BLもあってよかったんじゃないか)、この映画最初からレーティングしてできているんだろうか。中国だからというのもあるんだろうか。
 李白もけっこうよかった。よかったからこそ、もうちょっとよくても良かったかなという、ないものねだり感は残った。
 まあ、なんだろうか。映画として扱うよりも、8回くらいのドラマにしたほうが面白かったかもしれないが、どうなんだろう。
 まったく関係ないけど、この映画のテイストでリアルに『トゥーランドット』をやってくれたらおもしろそうだな。

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