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2018.02.08

[アニメ] ヴァイオレット・エヴァーガーデン その0

 今季のアニメ『恋は雨上がりのように』が面白く、そして予備知識なしに数回見ただけでブログに書いてみるというも面白かったのりで、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も4回見ただけでちょっと書いてみるテスト(という表現をネットで見かけなくなって久しい気がする)。

 これはもうなんの予備知識もなくいきなり見た。先入観としては、『終末のイゼッタ』を連想し、あれ、数回見て、だめだわこりゃ、と脱落したことを思い出し、まあ、これもそうなるであろうか、という感じでいた。しかし、先入観に反し、今んとこすごい面白い。放映が待ちどうしいぞ。今日か?
 とはいえ、世界観の設定に少し、れれれ感はあった。これ歴史物、それともファンタジー? いやそのレベルからなんも知らないで見たのだった。「ライデンシャフトリヒ(leidenschaftlich)」とか言う地名から普通に考えると、第一次世界大戦でドイツ語圏あたりだろうか。意味は「情熱」だが、地名ライデンはオランダの(Leiden)の連想か。
 これに関連して思ったのは、この世界の原語の想定は何? ドイツ語文化圏か? そのわりに、ドイツ語で"Violet Evergarden"はありえないので、英語だろうし、英語圏で主人公がヴァイオレットというと、シェークスピア『十二夜』のヴィオラを連想するが、そういう含みはあるのだろうか、とか見ていくと、他登場人物は花の名前で、そのうち、軽食で箱入り焼きそばを食べるシーンが出てきて、ああ、俺はなんて野暮なんだろうと気がついた。
 しかし、ここまで野暮を暴走させたのだから、もう少し。田舎の少女が都会のタイピストの仕事に憧れて都市に出て来るという設定は、先日書いたけど、2012年のフランス映画『タイピスト!』( Populaire)に似ている。時系列的に考えてこの映画からの着想はありそうにも思えるが、全体ストーリーへの影響はなさそう。他にもオマージュはありそうには思えるがよくわからない。
 物語は、若干ネタバレが入るかもだが、兵器として育てられ、人間としての情感を持たない少女が、兵役を解かれ、その所有者である兵士が最後に残した「愛している」という言葉の意味を探るべく、代筆業を行い、人々が手紙によせる思いを学ぶ、という人情話。
 おそらくオチは、その意味を知って……というあたりだろうなというテンプレ的安心感でたらーっとヒューマンな情感とてけとーに美しい風景や美少女設定、声優の妙味とかいう感じで、たらたら見られるし、まあ、これは、あれ、よくあるAIロボットが人間との交流を通して人の心を知る系の派生というか(「自動書記人号」だし)、現代日本の若者アスペ傾向との重ねとか、そのあたりも思う。それでも、面白い。
 私が面白い理由は簡単で、自分がこの手のアスペ傾向な人間だからだ。ただ、正確には文学的な情感はわかるが、世俗的な現実的な対人関係の情感で歪みが出るというもので、ヴァイオレットのそれではないが。それと。「愛しています」の意味は、まさにこのように発せられてから深い探索を要する存在論的な言明なんで、その深みが、物語的に丁寧に展開されているのは好ましい。っていうか、自分のような人間には、語学の勉強しているような「学び」の感覚もあってうれしい。
 原作は読んでないのでなんともだが、アニメから思うのは、世界に対する人々の思いの言葉はそれぞれのポリフォニーとしてできているので、いわゆる神の視点と、各人の思いが言葉で素直に交錯するようすが、視聴者の内面のポリフォニーに対応していくようだ。
 原作は現状アマゾンで売り切れているみたいなので、書店で見かけたら買って読んでみよう。どの棚にあるのかわからないので、「あのぉ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンっていうラノベ、どこにありますかあ?」と、俺が、やることになるのだろう。


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コメント

私、原作が好みで上下巻とも読んでたのですが、アニメは原作とは全く別の話っぽいですね。
原作では、さすらいの(武装)代書屋さんエピソードが多いのですが、アニメでは「愛している」意味を探すストーリーラインで統一するのかと思います。
私的な印象は、世界観はファンタジーの一種、スチームパンクだと思っていますよ。
設定の矛盾がいっぱいあって考えるだけ野暮ですね。
「サクラ大戦」「鋼鉄城のカバネリ」「プリンセス・プリンシパル」の流れかと。
原作本ですが、KAエスマ文庫は京アニショップから通販で買えますよ。
お互いこの年ですと書店でラノベ買うのも結構はずかしいですよね。

投稿: みやじゅん | 2018.02.09 13:43

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