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2016.06.25

英国のEU離脱がもたらす安全保障上の論点

英国のEU離脱について、前もってブログならではの予想記事を書こうかとも思ったが、自分なりに詰めのところが見えなかった。投票数日前から英国入りしてて現地報道をしていたNHKの香月隆之特派員も投票前に、英国民は「良心」によって残留を選ぶだろう、と、おそらくうっかり言っていたのが印象的だったが、私もそうした「良心」を信じたい気持ちはあった。が、結果は離脱となった。

ので、これからどうなるのかという、一種後出し議論がメディアで盛んになりつつある。辺境ブログでもネタを投じて起きたいとも思うのだが、日本のメディアやジャーナリズムを見ていてしみじみ思うのは、やたらと経済にばかり関心をもっているものだなあということである。EUというのは、安全保障の枠組みでもあり、英国ではこの議論もけっこう盛んに行われていた。が、どういうわけか、日本人はこの問題にあまり関心を持たないように見える。

これも日本のジャーナリズムはどうかなあ、と思うのだが、先日、ドイツの2016年版防衛白書草案がリークされ国際的に話題になった。これに関する日本語で読める記事は少ないのだが、検索してみると「ロシアNOW」に「ドイツ白書でロシアは仲間か敵か」(参照)があった。

 ドイツの「ディ・ヴェルト」紙は4日、2016年防衛白書が作成されていると報じた。その草案には、ロシアが2006年版防衛白書にあるようなドイツの「優先的なパートナー」ではなく、ライバルになっていると記されている。

「ロシアNOW」なんでロシアの文脈で書かれているが、むしろそのほうがわかりやすい面があるとしても、要点はそこではなく、EU軍の問題であった。

簡単な問いにしておこう。英国がEUを離脱した場合、欧州の安全保障はどうなるのか?ということである。

この問いが思い浮かばないほど平和な日本人は憲法九条の理想かあるいは米国の核の傘の下に安寧しているのか、あるいは別の理由があるのかもしれない。が、たかがブログなんで疑問は論じてもよいだろう。

その前に「ロシアNOW」の情報なんてそもそも信憑性があるのかという疑問がある人は、「フィナンシャルタイムズ」の関連記事「Germany to push for progress towards European army」(参照)を参照しておくとよいだろう。

日本語で読める記事を優先するので逆に話題が少し混乱する面もあるが、以下のBBC日本語記事では、EU離脱派の、ドイツを事実上中核とするEU軍構想への懸念から、離脱を説いている文脈で、キャメロン首相は否定論を掲げていた。「キャメロン英首相 EU離脱派の主張は「事実と異なる」」(参照)

キャメロン首相は、EU軍構想に対する警戒や、トルコが近くEUに加盟するとの見通し、英国がEU加盟で負担している費用に関する離脱派の主張を否定し、英国が離脱を選択すれば「根性なし」とみられるだろうと述べた。

(中略)

また、EU加盟で英国が毎週3億5000万ポンド(約530億円)を負担しているとの離脱派の主張は「本当ではない」とし、EU軍構想は「実現しない」と述べた。EU軍創設に対する警戒からチャールズ・ガスリー元英参謀総長が先週末にEU離脱支持に回っている。

キャメロン首相は、「離脱支持の言い分はもちろんあるだろう」とした上で、「全く事実と異なる3つのこと」を理由に英国が離脱をんだりしたら「悲劇だ」と述べた。

ここはキャメロン首相の意見とチャールズ・ガスリー元英参謀総長の意見のどちらを見るべきかが問われるところで、さすがに後者の報道は日本にはないようだ。テレグラフには関連記事がある。「Field Marshal Lord Guthrie: Why I now back the Leave campaign」(参照)。実は彼の議論が、離脱が現実となった現在、重要性が増しているとは思う。

実際ところ、キャメロン首相自身も、英国のEU離脱を安全保障と関連付けて関心を持っていて、離脱と戦争の懸念を表明している。これもテレグラフ「David Cameron: Brexit could lead to Europe descending into war」(参照)に記事がある。

こうした問題を総合的にどう見るか。それがいよいよ問われ初めてきているが、全体構図はよく見えない。

おそらく一見焦点的に見える対露問題よりも、NATOとトルコの問題が重要になるだろう。

先のガスリー元英参謀総長の見解としては、有事の際、実質的にEU軍は機能せず、米国主導のNATOが実質的な軍事を担うので英国としては、EU軍に関わるより米国との軍事同盟を強化せよ、と受け取ってよさそうだが、この意見の評価以前に、すでにEU離脱を決定した英国としては安全保障上、集団的自衛はNATOベースにならざるをえないし、米英の軍事同盟はいっそう強化され、それに対応して、ドイツ主導の今後のEU軍構想とは齟齬が生じてくるだろう。余談めくが、英国が離脱したEUの共通言語はなにかと言えば、実質英語にならざるをえないという奇妙な事態にもなる。

そしてトルコが今後潜在的にさらに大きな問題になる。トルコはNATOと集団的自衛権を結んでいるが、従来はこれによって、ロシアがトルコに軍事的なちょっかいを出せば、NATOとしてロシアに向き合うという形で露土間の戦争の抑止力になっていた。が、トルコのエルドアン大統領が現在、実質てきに独裁権力を握りつつあり、スルタン化してくると、むしろトルコの軍事的な意向でNATOが動かされされかねない。というか、この問題は対ロシアというより、シリア問題、特にクルド問題に関連してきている。

独仏としては現状の難民対応を見ても明らかなように、トルコとの連携を実質的には嫌っており、集団的自衛権を発動してトルコの引き起こすいざこざに巻き込まれたくないので、EU軍ができてもむしろ、トルコをNATOに放り出す形で分離が進むのではないかと、私などは想像する。

まあ、こうした問題は、専門の識者がいるはずだと思うが、ざっと見渡したところではメディアでもジャーナリズムでもまたネットなども見かけなかったので、メモ程度に言及しておきたい。


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2016.06.22

[映画] パリ20区、僕たちのクラス(Entre les murs)

以前から見ようと思って留意していたフランス映画「パリ20区、僕たちのクラス(Entre les murs)」を見た。邦題からも察せられるように教育をテーマにした映画である。日本公開は2010年だが、元のフランスでは2008年の作品なので、現時点からすると少し古い時代になったかもしれない。が、教育環境にはそう大きな変化もないのだろうと思う。


物語は、と切り出してみて、さしたる物語はない。むしろ、ドキュメンタリー作品であるかのように見える。実は、そこにこの作品の映画としての真価があるのだが、それでも、物語っぽい部分を追ってみよう。

場所はパリ20区の中学校。パリの街はルーブル美術館のある1区から渦巻き状に区番号が振ってあって、20区が最後になる。つまり、パリのはずれということだが、その意味合いは、「ボンリュー(banlieue)」に近く、ボンリューというのは訳語は「郊外」だが、よく「ボンリュー問題」と言われるが、実際にはフランス旧植民地の移民が多く住む低所得世帯用公営住宅団地、つまり貧困地域の問題を指していることが多い。その意味で、パリ20区の意味合いは、パリであるとともにボンリューでもあるという含みがあり、そのことはこの映画のクラスの生徒を見れば、一目でわかる。

原題の《Entre les murs》の意味は、「壁の間」ということで、実際に映画なかの学校は壁の間のような狭いところにあるが、暗喩としては、パリという壁とボンリューという壁を指しているのではないかと思った。

物語は、この中学校に赴任して4年目の国語教師(つまりフランス語を教えている)が担任となる教師が中学三年生(だと思う)の24人の生徒をクラスに迎えるところから始まる。クラスは当然、荒れている。私(1957年日本生まれ)が若い頃よくメディアで見かけた、荒れた中学校に似ているが、違いはさまざまな人種の共存である。黒人が当然目に付くが、黒人といっても、フランスの旧植民地は広く、アフリカでも多様であり、さらにカリブ系も多様である。そうした、一見、黒人に見える生徒間での微妙な軋轢も映画に反映されている。他方、できのよい子だが性根のねじ曲がった生徒もいるし、中国系移民もいる。はっきりとはわからなかったが、ユダヤ人も暗示されていたように思えた。これがフランスの公教育の現実かあと、それだけ溜息が出る。当然、授業を維持することすら難しい。

さて、この一年、どうなるのか。結論、どうにもならない。さまざまな難問が持ち上がり、人間的なトラブルや、誤解から生じた問題がぼこぼこと発生する。解決しない。全然解決しないのだ。ただ、それに担任のフランソワが向き合い、同僚の教師が向き合い、校長が向き合っている。「なんだこれは」というのが、映画途中までの視聴実感である。これって、面白いのか。『心が叫びたがってるんだ』とか『スクール・オブ・ロック』とかみたいに、ハートウォーミングな転機がどこかにあるんじゃないか? ないのである。全然、ない。

『パリ20区、僕たちのクラス(Entre les murs)』について、ちょっと調べてみたらここに公式サイト(参照)があり、「子供たちが信じられないほどに素晴らしい」とか書いてある。

だが、これは、「彼らの演技に世界は驚嘆した」というすばらしさであって、演技が素晴らしいからこそ、教師も生徒も救いようのないほどのクソというのか、ひどい。いやいや。そうじゃ、全然ない。このクソな状況が人間なんだということに、じわじわと感動してくる。なんというのか、生徒も先生も、どいつもこいつも、逃げていないのである。

教育という、どうしようない問題に真正面からぶち当たって傷つきながら生きている。嘘臭い希望なんてなんにもない。でも、ここに人間と教育とリアルがある、それが、がくがくと伝わってくる。すげーなあと思った。これが、ドキュメンタリーではなく演技だし、担任のフランソワは原作者の作家でもある。

これだけひどい状態なら、「フランス死ね」と言いたくなるだろうし、実際にフランスは、そういう社会になっている。ボンリュー問題は暴力沙汰にもなる。デモも日本の比ではない。だが、このなんというのか、真摯な市民は確実に、絶望を含めた生というもののある確実性を生きている。教育というのはつまり、そういうことじゃんじゃないのか。

さりげない挿話にも泣けるものがあった。同僚の女性教師が妊娠したというと、同僚で学校でワインを傾けて祝福していた。美しい光景だった。中国系の生徒の母親が強制送還されるというので、教師同士が訴訟のカンパをしていた。カンパ自体が教師を意志を示すらしかった。

あと、私が無知すぎて泣けたのだが、生徒の評価をする職員の会議に生徒代表二人が参加していた。最初は、そのシーンを見ていて、この会議はなんだろうと思った。見ていると、先生同士が、あの生徒の評価はどうたら、厳しすぎる、言い面もあるとか議論している、そのなかで、生徒が二人、スナック食いながら参加しているのである。

これ、日本でありえるだろうか。いやあるべきだろう。先生が生徒を一元的に評価するのではなく、ある程度公的に生徒側が異議申し立てできるくらいに生徒の代表を職員会議に送り込むべきだろう。

日本の民主主義は欺瞞に満ちている。そしてこの映画を見ると、フランス式の民主主義も困難が多いにせよ、日本的な欺瞞は少ないと確信できた。

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2016.06.21

三酔人徒政問答

南海
やあ、久しぶり。さてこのメンツで話題はというと……。

洋学
英国のEU離脱問題かな。あるいは、米国務省外交官51人がオバマ大統領のシリア政策を批判する内部メモに署名した話なんかどうかな。

豪傑
そんな国際情勢に日本人が関心持つと思うかね、洋学君。ここはあれだよ、このところの世間の話題、舛添都知事辞任問題とかだろ。

南海
そうだな。豪傑君に賛成しておくか、というか、あの騒ぎについて、豪傑君と洋学君が、どう思ったか気になっていたんだ。僕はね、この騒ぎ、いくらテレビで視聴率が取れるからといってちょっとやり過ぎだったな、っていうか、内容は別としてだな、雰囲気としてだね、なんか集団ヒステリーみたいな感じがしたんだよね。「舛添悪代官、これでもシラを通す気か」みたいな時代劇ががかっているみたいにさ。

豪傑
まさに悪代官だろ、舛添は。2014年の就任から昨年末まで、あいつ、八回の海外出張をやっているんだが、その経費知ってるか? 2億1300万円だぞ。それから公用車の湯河原別荘通いがこの1年で49回。こんなやつを都知事にしておけるか? 政治資金の公私混同もひどいもんだ。れいの「竜宮城スパホテル三月」の宿泊37万円は「会議費用」だとよ。笑わせる。実態は家族旅行だろ。天ぷらやイタリア料理食いまくって、7万円、美術品や骨董を「資料代」として買って、580万円。なんの「資料」なんだか。それに奥さんにやらせている「舛添政治経済研究所」に、彼の政党支部や資金管理団体が「事務所経費」として流した金が6年間で3000万円ほど。これ、そもそも使用実態があったのかね? ひどい話だ。

南海
お? 洋学君、豪傑君の話を黙って聞いているね。でも顔に書いてあるぞ、「これだから愚民には困ったもんだ」、図星だろ。それもわからないではない。洋学君は腹に据えかねているか。じゃ、ここは僕が仕切っておくかな。

洋学
ほお、どう仕切ると? 衆愚の暴走みたいな話なんだぜ。

南海
まあまあ。まずはだな、豪傑君もわかっているとは思うんだが、舛添要一さんが参議院議員時代にやっていた話と、都知事になってからの話を、それなりに分けて考えるべきだろうな。

洋学
そんなところから仕切らないと話にならんというのは、いったいぜんたい、どういうことなんだ、と俺は思うがね。

南海
豪傑君だって知っているはずだと思うが、政治資金規正法自体がザル法なんだよ。この法律は、金の入り口については厳しい。当然だ。ワイロを政治家に渡して政治を左右されてはたまったもんじゃない。だが、出口には実質規制がないに等しい。さすがにそれを元手に株式や不動産で資産運用とかしないくらいには規制してあるが、使途についてはなんであれ記載があればよく、それが適切に使用されたかという判断規定はないんだ。総務省政治資金課に聞いてごらん、「収支報告書で公開している以上の実態を把握する立場にない」って答えるよ。

洋学
政治資金規正法の線で、政治家をバッシングして辞任に追い込んでいけば、生き残れる国会議員なんて何人いるのか疑問だな。やる気になれば政治テロに等しい粛清だってできる。いったいこの国はどこの国なんだ。

南海
ようするに舛添さんを都知事に送り込んだ時点で、参議院議員時代にやっていた政治家マネーゲームについては、そんなものでしょという、都民の暗黙の合意はあったと見るべきだろうな。舛添さんとしてはちゃぶ台返しくらった感じかもしれない。

豪傑
いや俺は知らなかったぞ。知っていたら、絶対に舛添になんかに投票しなかったはずだ。ああ、いや、俺は舛添になんか投票してなかったがな。

南海
と、いうのが庶民のありかただというふうな前提にマスコミは立って、みんなで正義の劇を演じていたわけだな。

豪傑
だから、そもそも舛添を都知事に選んだ時点で間違っているんだよ。

南海
豪傑君ね、それは「お前がそう思うんならそうなんだろう」以上ではないよ。まあ、今回の舛添さんの件で、こうした政治家のマネーゲームの一端が世間にもわかってよかったとも言える。マスコミでもいちおう専門筋では気にしていたんだが、れいの美術品な、あれが面白い。「新党改革」の政党交付金が解散時に返却されてないんだ。あの金で580万円分の美術品が購入されている。ようするにあれは、彼の以前の政党交付金が化けたものなんだ。ほいで、舛添さんが都知事に出たときは「無所属」が建前だから、あれ、どうなってんのというわけさ。あれだよ、田舎の金持ち爺さんが黄金の観音像とか仏壇に飾っていたりするが、信仰なんてありやしない。税法上の技術だ。

豪傑
舛添のことだから、美術品も着服したんだろ。

南海
詳細はめんどくさいが、概ね違法性はないようだ。僕は思うんだが、あのあたりで、マスコミは狙いを外して、しくじった感があったんじゃないか。だから、実はマスコミのほうが逆上して、なんとか舛添さんを追い詰めたくなったんじゃないかと。

豪傑
君らの話を聞いていると、舛添もそんな悪い政治家でもないような気がしてくるなあ。いかんいかん、そんなわけないだろ。都知事になってからも、大名行列の海外旅行とか、ひどいもんじゃないか。

南海
おっと、洋学君、必死に笑いを堪えるということろか。まあ、これは苦笑だなあ。今回、舛添さんを追い詰めた都議さんたちがだが、これからリオ五輪に向けて4回7日間の視察旅行をする。当初は20人で随行員合わせて6200万円。高すぎるんじゃないかと共産党や生活者ネットワークが辞退したらその穴が埋め合わせになって結局都議27人で1億円を超えそうだ。ははは愉快だね。

豪傑
愉快なものか。都議はどうなってんだ。

洋学
そうだよ、「都議はどうなってんだ」。いい命題だ。本質を突いている。まあ、豪傑君の疑問のレベルでいうなら、舛添都知事の豪遊だって東京都人事委員会が認可していたわけだ。特段に舛添知事だからひどいという話でもない。むしろ、舛添さんが都知事についたころは質素なもので、最初の5回の外遊も1000万円程度に収まっている。外遊インフレを興したのはソチ視察あたりからかもしれないし、それでこの流れができたとも言えるかもしれない。が、いずれにせよ、東京都官僚機構の伏魔殿の風情もないわけでもない。とはいえ、基本は都議の問題だろう。

南海
だなあ。僕も思うんだが、今回の舛添さん騒ぎが始まったころ、まさか辞任にまで追い込まれると思っていた与党議員はいなかっただろうな。特段に、異常な事態があったわけでもない。猪瀬さんのときの問題は、まさに、さっき言った「入り口」の資金の問題だし額もでかかったからゆゆしきことだったが、舛添さんときはまあ、実にせこい話だ。あれ、君が読んでるニューヨーク・タイムズでも「せこい」でまとめていたんだろ。

洋学
ニューヨーク・タイムズのあの記事は、昭和の言葉で言えば「ほまち」ってやつかな。いちおう舛添さんに違法性がないことは明記してあって、じゃあ、この事態はなんだというところで、記者が「せこい」という日本語に逃げ込んでいた。昔懐かし日本人異質論みたいなものさ。「せこい」からで、一国の大統領クラスの要人が辞任に追い込まれるわけないだろくらい考えもしてないんだよ、昨今のニューヨーク・タイムズは。ついでに言うと、ル・モンドの関連記事も読んだが、こちらも違法性がないことを明記したあと、あまりに不可解なんで、他の政治問題を隠すための騒ぎだろう、みたいな陰謀論臭い話に仕上げていた。どうせ、フランス語をしゃべる日本人知識人の酒席のネタを拾ったんだろうな。最近、この手が多い。

南海
いつも海外報道をあがめている洋学君にしてはずいぶんと手厳しいな。

豪傑
しかし、都議が問題だというのは、腑に落ちてきたな。今回の舛添辞任ついても、日経の飛ばし記事っぽい印象もあるが、安倍首相が詰め腹をしいたっぽいしな。このままじゃ参院選に悪影響ってやつか。安倍こそせこいな。それにしても、舛添は自分が正しいと思うなら、都議を解散するという手もあったわけだが、それを封じるあたり、自民党って漆黒だな。

洋学
ああ、僕も舛添さんは、こんな馬鹿な都議を解散すればいいと思ったな。河村たかし名古屋市長みたいにさ。小泉元総理もそうだったが。

南海
洋学君、ホントにそう思うか?

洋学
あはは。ま、半分くらい。河村さんみたいにはいかないだろう。都民がメディアの馬鹿騒ぎでヒステリー状態にあるからというのじゃなくて、そもそも、舛添さんという政治家がどういう政治ミッションをもっていたんだろうかと、けっこう考えこんでしまったんだよ。ミッションが選挙民に伝わってなければ、この手の勝負に勝てるわけない。

南海
そこだな。舛添さんは「このままでは死んでも死にきれない」とか言っていたが、じゃあ、舛添さんが何をしたかったのか、というと、わからなかった。東京オリンピックか。

豪傑
舛添なんかに、そもそも政治のミッションなんてない。あいつが都政に貢献してる面なんてこれっぽちもあるもんか。

洋学
だとさ。今度は南海君が笑いを堪える番だ。

南海
人は忘れっぽいものだと思うし、今回の舛添都知事辞任劇もすでに忘却に足を突っ込んでいるわけだが、彼はあれで就任1年目は都議会の共産党からも「及第点」との評価を得ていたものだったよ。その後の1年間もなかなかの政治手腕だった。さすが元東大教授、教養学部。

洋学
豪傑君、都知事というのは公職だが、これは企業の経営者と同じ側面もある。単純な話、無限にばらまく金があればどんな善政だってできる。でも、金には限りがある。じゃあ、そういう東京都の全体的な経営者として見た場合、舛添前都知事はどう評価されると思うかね。

豪傑
くだらん。都知事の経営なんて誰がやっても同じだろう。グラフの線を延長するくらいなものだろ。それこそ、都知事職なんか人工知能でやればいいんだ。

洋学
概ねそう言ってもいいんだが、都税が4兆円代だった青島都知事・石原都知事の時代と比べると、増加し、平成28年度では約5兆2千万円になっている(参照PDF)。これはアベノミクスの効果もあるだろうが。おかげで都債発行額も減っている。

南海
舛添カラーと言えるかどうかは異論はあるだろうが、全体としてもバランスのよい都政だったと言えるだろう(参照PDF)。その点で、知事を辞任にまで追い込む必要はあったかというとどうかな。ところで、新知事選の候補の名前が挙がっているが、君たちは誰に期待する?

豪傑
元厚労省事務次官の村木厚子さんがいいでしょう。南海君は?

南海
元日弁連会長の宇都宮健児でいいんじゃないか。村上春樹のノーベル賞待ちの気分だな。あと、村木さんは前回も名前が上がったが立候補はしないでしょう。洋学君はどうかね。

洋学
僕はもう決めてますよ。

南海
まだ正式な立候補者がない時点でか?

洋学
「舛添要一」

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