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2016.01.10

「暴走地区Zoo」が残念ながら面白かった

正月、まあどちらかというと偶然なんだが、「暴走地区Zoo」というWowow洋ドラマを見ていた。当初、つまらないだろう、大したことないだろう、と高をくくっていた。のだが、ちょっと見始めると面白くて、結局、夢中で見てしまった。

これが、動物全体が突然変異で人間を駆逐しようとするのに対抗して男女5人が戦う、というありえない設定であるうえに、ストーリーの展開はてんこ盛りのご都合主義。おまけに日本の原発事故関連の都市伝説的な話題や遺伝子操作産業の陰謀論とか、ネットに転がっているお子ちゃま向けのアホ話を切り貼りしたような内容。これはアカン、というか、こんなもの面白がって見ている私はそうとうにアカンのじゃないかと思ったが、面白かったんだよ。



「ブレイキング・バッド」や「アフェアー」とか、洋ドラマは、中年から初老に向かう男の心情にもぐいぐいと迫るのがあるものだなと注目していたのだが、すべてがそういうシリアスにプラスしてエンターテイメントという作品というわけでもない。映画の「Xメン」や「アヴェンジャーズ」みたいなバカバカしい設定があってもいいし、そういうふうに考えれば、「暴走地区Zoo」も同じじゃないかと思うのだが、なんとも面白さのツボが微妙に違う。

まず凡庸な要素なのだが、登場人物のキャラがいい。美人に魅了されるのはもうナスターシャ・キンスキーで十分だと思っていた私だったが、クロエ・トゥシニョンを演じるノラ・アルネゼデールには魅了された。嫌だなこうセレブ好き心理は、と思うが、しかたない。美しい。ドラマの上では、いかにもフランス人らしいフランス人として出てくるし、英語やフランス語はどうも完璧っぽいし、スペイン語もできそう。何者?と調べると、母親はエジプト系ユダヤ人ということらしい。ほぇ? 両親が出会ったきっかけはバリ島旅行らしいのだが、そのころ私も外国人の友人たちとそのころ同地に半月ほど旅行していたので、ああいう人々のなかの二人だったのかもしれないなと感慨深かった。



エイブラハム・ケニアッタ演じるノンソー・アノジーも大した役者だった。あとから背景を知るとなるほどねと思う。「ブレイキング・バッド」とかだと著名俳優を使わなくても、すごい演技のできる役者はいるものだなとは思うし、そういうドラマでいいんじゃねと思っていたが、役者をきちんと使うとドラマには厚みが出るものだ。

話は最初のシーズンが13話。次のシーズンで終わりらしい。たぶん、私はまた見るのだろう。が、最初のシーズンも事実上、12回でハッピーエンドとしてもよいもので、次シーズンのつなぎはかなり無理はあった。伏線がないわけでもないが。

とにかくスリラーを繰り出すという必要性から次から次へとご都合主義的な展開で、かえって村上春樹のシュールな小説のようで、その意味でも面白かった。ところで、これ、ジェイムズ・パタースンの原作ではどうなんだろうかとちょいと調べてみると、どうもかなり別物っぽい。それはそうだろうなと思う。

いろいろネガティブなふうに書いてしまったが、面白かったことはこの上ない。動物たちの演出もありがちといえばありがちだが、それほど無理なくよくできていた。動物を演劇に使うという、こうした産業もあるのだろう。というか、ニューヨークMETなんでも動物専用の対応があるらしい。それと脚本家の力量のうちでもあるが、ところどころ米国社会の日常生活の内情(養子や難病家族など)も普通に面白かった。
 
 

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