意識高い系をサポートするApple Watchのキラーアプリ、「Spankle」
2015年4月10日から予約受付が開始になるApple初のウェアラブル端末「Apple Watch」だが、まだこれといったキラーアプリ情報はなかった。しかし噂の段階ではあるが、未公開の各種キラーアプリの情報がしだいに明らかになってきている。なかでも注目されているのが、意識高い系をサポートする「Spankle」(仮称)である。
「Spankle」は、ウェアラブル端末ならではの、人間の身体に接触することを最大限に活かした究極のライフハックアプリ、あるいは至高の教育アプリと言ってよい。その目的は、人間の改造にある。ダメ人間をアクティブなビジネス戦士に変身させ、ウツ状態の人間をポジティブに立ち直らせることができる。だるい毎日を過ごしているビジネスマン・ビジネスウーマンが装着することで、一週間程度で意識高い系に変身することも可能と見られている。
期待の機能だが、原理は意外なほど単純だ。すべての効果的な教育や指導、さらには外交にも応用されているシンプルな原理を応用しているだけ……つまり、「飴と鞭」の応用である。「Spankle」によって腕に装着したApple Watchが、身体接触による微弱電流パルスを使い、人体に、効果的に「飴と鞭」を与えるのである。
よい行動を達成したら「飴」、間違った行動をしたら「鞭」が自動的に与えられる。わかりやすいのは、「鞭」の機能だろう。
簡単な応用例は目覚まし時計と同じだ。眠たい朝、ベッドから出るのが苦手な人は目覚まし時計をセットするものだが、所定の時間に起きなければ、騒音という「鞭」が与えられる。しかし、「Spankle」の場合は、「鞭」の使い方が遙かスマートだ。睡眠状態のモニターから起床時間に最適になるように覚醒用の微弱な電気パルスが生じる。弱い鞭から一定の間隔で叩き続けることで意識の自然な覚醒を促すわけだ。効果的な心地よいともいえる適度な刺激によって、「鞭」とも思えない自然な覚醒がもたらされる。もちろん、予定時刻から5分、10分経過となると、「鞭」の強度を上げなければならない。パチンとした電撃感のパルスが覚める。10分経過時のパルスはちょっとした悲鳴を上げるほど強烈になるが、皮膚に傷は残さない。
この仕組みは、会議や授業で眠気防止に利用できる。「Spankle」は脈拍と皮膚電流を常時モニターし、装着者が会議や授業で睡眠状態に陥る可能性を検出する。そのため、うとうとという状態になり、意識が一瞬無防備になる瞬間に効果的にパチンとした微弱電撃を与え、装着者の目を覚まさせる。
「Spankle」が優れているのは、日常生活におけるネガティブな行動パターンを効果的に処罰することだ。このために、高度な尋問モードが用意されている。特殊な「嘘発見器」的な機能だと言ってよい。例えば、一日一時間英語の勉強をすると決めたとする。すると、その勉強時間の定常サイクルを「Spankle」が検出し、怠惰・逸脱があると判定されたときは装着者に「今日の勉強はできましたか?」と問いかけてくる。
これに嘘で「もう済んだ」と答えるとすると、「Spankle」はその返答が嘘であるを検出してパチンとした微弱電撃を装着者に与える。嘘をついたことを効果的にフィードバックさせることで罰を強化するのである。電撃が与えられるタイミングもまた行動科学の成果が応用され、瞬時に罰パルスを与えることもあれば、あたかも「Spankle」が嘘かどうか判断にあぐねているような間を取って、装着者の良心の呵責を効果的に引き出すこともできる。
こうした「鞭」の機会を検出し、効果的に罰を与えるために「Spankle」には各種の特許が取られている。
しかしさらに高度な特許が積み重ねられているのは、「飴」の機能のほうと見られている。「飴」というからには報酬である。しかし、常識的に考えもわかるように、Apple WatchからM&Mのチョコレートが出てくるわけではない。そこで行動分析学の知見を応用し、ポジティブフィードバックに有効なトークンの原理が応用される。報酬となる一定の欲望を条件付けする画像や腕の骨を伝わる甘美な音楽、あるいは声優の励ましの声などを、無形であるものの感覚的に実体性のあるトークンとして装着者に条件付ける。トークンというは、ポイントと言ってもよいだろう。所定の好ましい行動がポイントとして貯まることで装着者に報酬を意識させるのである。
最初のうちは、こうしたトークン(ポイント機能)は子供じみた仕組みで、そもそも大した報酬ではないと感じられるかもしれない。しかし、現実の世界の意識高い系の人々が、つらい仕事の後に「自分にご褒美」を揚げるように、ご褒美の象徴を行動パターンのなかで的確に報酬として条件付けするで、人間の脳はそれに対応し、快感報酬を条件付けるようになる。
この人間の快感の行動パターン付けが「Spankle」におけるもっとも重要な技術だと見られ、各種の「ご褒美」の暗示がプログラムされている。
さらに、「Spankle」について極秘といえる情報がある。高価格帯の「Apple Watch Edition」専用の機能らしい。コード名「フィフティ・シェイズ」と呼ばれるその機能は、人間の深層心理を応用したものらしく、「飴と鞭」を一体化した、「飴が鞭であるような鞭が飴であるような機能だ」と推測されている。
ヒントとなるは、「フィフティ・シェイズ」が"Fifty Shades of Grey"の略称と見られることだ。開発に関わってた女性からのリークによると、胸をときめかせるようなイケメンに出会ったときに、その心拍パターンや皮膚電圧を検出し、罰に近い特殊な微弱電撃が与えられるらしい。最初は、「いけないことをしそうだ、これではいけない」いう人間の良心の呵責の重さを減らすかのように、適切な罰のパルスが与えられる。だが、この罰の電撃を適切に条件付けすることにより、「いけないことだけど快楽」という、罰の連想回路を無意識に形成させ、快楽の妄想を増加させる。そもそも罰の妄想こそが人間の快楽であることは、各種の世界崩壊の幻想に酔った人々による日々のツイッター発言からでも理解できるだろう。
興味深いのは、この機能が、同じく「フィフティ・シェイズ」の「Apple Watch Edition」を装着した相手と一種の通信機能を持つことだ。相手がBluetoothでセンシング(関知通信)可能な位置にあるときにだけ「罰」の発動が限定できる。先の映画のように具体的に甘美な罰を与えてくれる相手を、たとえば、カクテルパーティのなかで探し出してくれる機能があると理解してよい。従来セレブ同士が密かに楽しみにしていた危険な遊びを簡便にSNS化するものだと言ってもよいだろう。
しかし、この機能は正式には実装されないかもしれない。すでに「フィフティ・シェイズ」機能のリーク経路から欧州警察機構による疑惑の目が向けられているのだ。
そもそもこの開発に関わってた女性は、フランスの有力大統領候補とされたドミニク・ストロスカーン被告の売春斡旋疑惑をめぐる捜査で浮かび上がった女性、コード名「マタハリ」であるらしい。現状、推測の域を出ないものの、この機能はセレブ向けの不埒なお遊びというより、高級売春婦の斡旋にあるのではないかと欧州警察機構は疑っているのである。
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コメント
この投稿はエイプリルフールにされました。
(念のため)
投稿: 773 | 2015.04.05 00:21