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2014.10.01

赤い羽根の原価はいくらなんだろうか?

 テレビの国会中継をちらと見たら、政治家が胸に赤い羽根をさしていた。そうか、10月1日かと思った。赤い羽根共同募金が始まったわけである。そしてぼんやり、あれの原価が500円だという話を思い出した。

 500円? そんなわけないでしょと自分でも思う。その話を聞いたときにもそう思ったので、逆にたぶん、その記憶自体は違っていないのかもしれない。困ったことに、なぜ原価が500円もするかという理由は、けっこう経費がかかってねという以外は忘れてしまった。あるいは、町内会で渡される募金用の専用封筒に「500円一口」とあったことでそういう話になったのかもしれない。実際、これ500円なんだし……みたいな。

 この手の話は、たぶん誰も疑問に持つことだろうと、調べてみると、ある。「赤い羽根の原価は、1本あたり1.6円です」という話はよく出てくる。他に人件費込みで2円くらいという話も出てくる。まあ、いろいろ出てくる。

 だが、どこにも根拠がない。まいったなとさらに調べていくと、かつて赤い羽根共同募金のサイトに「1.6円」という情報が掲載されていたことがわかった(参照・リンク切れ)。現在では同サイトを探してもみつからない。2007年ごろの話である。さらにネタとしてはさらに古いかもしれない。

 常識的に考えて、あれの原価が500円というのもなさそうだが、1.6円というのもありないように思う。ピンを付ける手間を省いても、もう少しかかっていそうに思えるし、そもそも加工賃を含めると、どのくらいになるだろう。

 ここで、またマヌケなことを思い出す。現在は、ピンではなくてシールになっている。調べてみると、昭和の時代からそうなっていたらしい。ピンの加工がなければ、普通に鳥の羽を赤く染めたくらいで済むから、かなり原価は低く抑えることができるはずだ、それでも1円とか2円とかでは、材料の購入も可能とも思えない。

 しかしと思う。今朝見た国会議員の胸についていたのは、ピンだったように見えた。あれ、特注品じゃないの?

 というわけで、この愚問について調べてたのだが、やはり皆目わからない。赤い羽根共同募金のサイトには、決算事業報告書や事業報告書があるのでそれを見るとわかるかなと読んでみるのだが、わからない。私に決算報告書を読む能力が足りないというのは認めるが、ここからわかるもの? たとえば、赤い羽根の原価とか?

 率直なところ、「原価厨」というわけでもなく、別にあんなもので暴利をむさぼっているとも思いもしない。大半は、町内会とかで実質強制的にする募金のほうが多いだろうと思うからだ。だが、事業規模として「毎年169億円以上に上ります」というのと、さきの決算事業報告書の関係がよくわからなかった。募金というのは、それ自体は事業の収益とは異なるからだろうとも思うが。

 つらつらと関連の資料を見ていくと、率直なところ、なんのためにこの募金活動をやっているのか、そのミッションが理解できなかった。スローガンは「自分の町をよくする仕組み」とある。それはわからないではない。基本的に寄付金は都道府県ごとに使われているからだ。

 だが、それでも実態はほぼ強制に近く、税に近いことを考えると、なんでこの規模の地方行政が、現実の地方行政と別立てに存在しているのか、わからない。これも皆目わからない。

 ウィキペディアの情報は不確かなのだが、このあたりは、私が聞いた話でもそうだったようなと思うので、引用する。


 この赤い羽根は、アメリカにおいて共同募金の象徴として使われていたものを日本でも戦後の混乱期に戦災者への募金の象徴として援用したのがはじまりである。アメリカの共同募金は自主的なものであるが、GHQの指示でそれを日本でも行う際、募金を自主的に行う団体が立ち上がるまでの暫定措置として自治体やその関係機関で募金を行っていたところ、占領が終わって自主団体が立ち上がらないまま現在に至っているものである。

 なんとなくGHQの名残が惰性で続いているだけなんじゃないだろうか。あるいは、自治会会費を集めるのと込みになっているんじゃないだろうか。

 このあたりは、社会福祉協議会とも関連するし、同じようなGHQの名残であるPTAなんかとも似ている。これらの組織は、基本的に初期段階のGHQの日本統治構想から出て来たものだろうが、GHQが冷戦対応で逆コースになっていくうちにそまま放置され、その後は官僚制の末端と接合されて、あとはただその団体の存続がために続いているのではないだろうか。

 赤い羽根共同募金をなくせ、とか奇矯なことを言うつもりはないけど、自分としては、戦後のこうしたタイプの制度とその変遷についてなにかまとまった本でも読みたいものだと思うが、見つかりませんねえ。
 
 
香港・真正的普選
 
 

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コメント

今朝、職場最寄り駅で、多数の高校生が活動していて驚きました。
例年にないことで、2mおきに、大声を出されていたので…
私も高校生のときに活動しましたが、何故学校行事でやるんでしょうね?

投稿: ナナシ | 2014.10.01 21:10

まあ普通に考えれば一束500円とかじゃないでしょうか。

しかしGHQの名残と言っても、要するに当時の人はGHQに押しつけられたのを何とも思ってなかったのですね。便利だったらそれを改めようともしない。それが良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが。

投稿: murasaki | 2014.10.01 21:47

この話題と共に香港の雨傘革命(革命なの!?)のバナーを貼り付けるんですね。香港の土俵上の均衡をどうおもいますか?

投稿: ryu | 2014.10.01 23:49

赤い羽根は、「募金」とは正反対、役人組織が一般市民を無理やり強制徴用しながら奪いとる「みかじめ料」ですからね・・・私の市でも、赤い羽根の集金額の90%以上は町内会に集めさせています。

町内会・自治会組織に上納額を割り当てて、無理やり役人組織の資金集めに「協力」させる。行政を通して割当額を差し出すよう要求される各町内会では、班長などが「町内会の当番」として無理やり役人連中のための資金集めに回るよう強制されたり、場合によっては町内会費と一緒に強制徴収して差し出さざるを得ない状況に追い込まれてしまう(裁判で違法判決が確定した後も、町内会組織に集金要求を突きつける行政ヤクザが多数跋扈してますからね)・・・

こうした卑劣な脅迫構造の中で住民から奪ったみかじめ料の一部は、報酬などの形で天下り役員(県・中央レベルの共同募金会役員など)が掠め盗るわけです。

赤い羽根は、ヤクザ化した役人組織が「募金」「ボランティア」を騙りながら行政の圧力を背景に脅迫や強盗・恐喝を繰り返す最悪のニセ募金になってしまっているんですよね。同様の構造は、日本赤十字社社資や交通安全協会費にも見られますし。

私の地区でも、間もなく町内会の当番が赤い羽根の徴収に回るよう強制されます。私は(共同募金を主導し、奪った金の大半を自らに配分する)社会福祉協議会のような卑劣な行政ヤクザに「寄付」する気など毛頭ないので断っていますが、非常にやりにくい・・・

投稿: 紅歯値 | 2014.10.03 07:25

今どうなっているか謎ですがふた昔まえは生活保護受給世帯のお正月のお餅代として有効活用されてました。

投稿: のし | 2014.10.03 09:14

初めて投稿させていただく、世田谷区在住のものです。
私の場合、拒絶したのですが、そのあとポストに「**町会各位」との文書が投函されていました。内容は、会員一覧と過去の支払い額履歴なのですが、私の今回の欄のみ毒々しい赤い印字で「支払拒絶」とありました。
現在体調を崩しているのですが、回復したらアクションを起こしたいと考えています。

投稿: 世田谷在住者 | 2014.10.11 13:59

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