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2014.09.03

[映画]アメリ

 なんとなく見逃してしまって、そのわりに関連知識はけっこう知っていたり、その音楽が好きだったりということで、うーん、ちょっと、もう小腹いっぱい感があって、それゆえにますます見逃してしまう映画というのがある。いや、なんか改めて見て、感動しましたとかいうの恥ずかしいな気分にもなるのだけど、でも、よかったっす、「アメリ」。

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アメリ [Blu-ray]
 かなりよかった。実は、昨年の今頃フランス語勉強始めたころ、フランス語ある程度わかったら、アメリは愉しいだろうなという思いがあった。その点はどうだったかというと、率直にいうと、私のフランス語能力ではほとんどついて行けないのだけど、字幕補助に見ていると、なんとなくわかる部分がけっこうある。それにフランス語の響きに違和感がないのも奇妙な感じだった。ちなみに、オリジナルタイトルは、"Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain"(アメリ・プーランの素晴らしい運命)である。
 それにしても、笑い転げた。そして泣いた。監督も主演のオドレイ・トトゥも各種出演者も、ほんとうに、おかしい。うあ、人間ってなんて奇妙なんだ、というか、市民というのはほんと変な生き物だなというが全開になっていて、笑ったし、嬉しかった。
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 ああいう都市のなかで生活するのは、その内実のつらさはこの映画にもよく表されていたのだけど、うらやましくも思った。クレーム・ブリュレ(Crème brûlée)だけが羨ましかったわけじゃないぞ。豆の樽には手をつっこみたいが。
 この映画が大ヒットしたことは知っているし、フランス人は好きなんだろうなと思うのだけど、反面、この、自閉症というかアスペ傾向がない人ではないとこの世界わかるんかな、という思いもした。ねえねえ、これ、君たちほんとにこれわかってんのとか言いたい感じもするが、いやいや、そのあたりを絶妙にくすぐるところがよかった。
 手法も映像も素晴らしかった。コラージュのメタファもよかった。またメッセージもまたメタファになっていた。コラージュはメッセージは人生や市民のメタファでもある。そのなかで、アメリは天使的な存在でもあるのだろう。
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AMELIE
 設定は1997年。ダイアナ妃が亡くなった年だ。通貨もまだフランである。もう一時代以上前になるなあという感じがする。ただ、それほど古びた世界でもないのだろうとも思う。リアリズムというよりもファンタジーではあるだろう。
 リアルさを感じる点も多かった。けっこう感銘を受けたのは、アメリの食事シーンである。一人きちんと夕食していた。彼女が自閉症的だからというのもあるのかもしれないが、隣人の絵描き老人も一人きちんと食事していた。案外そういうフランス人というのは多いのかもしれない。あれは、なんか理想だなあ。そういえば、昔、四谷のパザパで一人きちんと喰っているフランス人をよく見かけたものだったな。
 リアルといえば、アメリが父親との話で、さらっと中絶のことを語っていて、それに父親が反応するでもないというのも、フランス人らしいところだなと思った。日本だと妊娠小説とかいうのがそれだけで話題になりうる文化だし。
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アメリ 期間限定
フォトブックバージョン [DVD]
 今回見たのは、たまたま衛星放送かなんかで放映したのを録画っておいたものだが、かなり気に入ったし、フランス語のスクリプトも見たいので、DVDを買うことにした。どれにしようかなと見ていると、写真集付きのがあるので、それにした。
 
 

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コメント

「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」 これもオススメ。金持ちと貧乏の対比がすぐれてるし、なんだろ、今の日本の若い人も多くが貧乏からスタートってなるわけだから、いい教科書になるかもしれない。貧乏人が生き残るためには、政治なんてあてにならないしね。

投稿: | 2014.09.06 09:31

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