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2014.09.14

歴代天皇名とか中二病でつい暗記してしまうもの

 最近はどうかなあ。僕が中学生くらいのころは、クラスの一人か二人、歴代天皇名が全部言える!とか言って、ぶつぶつ言っているのがいた。知ってますか? こんな感じ。あってるかな。


神武綏靖安寧懿徳孝昭孝安孝霊孝元開化崇神垂仁景行成務仲哀応神仁徳履中反正允恭安康雄略清寧顕宗仁賢武烈継体安閑宣化欽明敏達用明崇峻推古舒明皇極孝徳斉明天智弘文天武持統文武元明元正聖武孝謙淳仁称徳光仁桓武平城嵯峨淳和仁明文徳清和陽成光孝宇多醍醐朱雀村上冷泉円融花山一条三条後一条後朱雀後冷泉後三条白河堀河鳥羽崇徳近衛後白河二条六条高倉安徳後鳥羽土御門順徳仲恭後堀河四条後嵯峨後深草亀山後宇多伏見後伏見後二条花園後醍醐後村上長慶後亀山後小松称光後花園後土御門後柏原後奈良正親町後陽成後水尾明正後光明後西霊元東山中御門桜町桃園後桜町後桃園光格仁孝孝明明治大正昭和今上

 僕が子どものころは、戦中これを暗記させられた大人たちがけっこういて、たまに洒落でご披露してくれた。たぶん、これ暗記していて友人もそういう親戚とかいたんじゃないだろうか。
 ところで、これ279文字。僕が無駄に覚えた般若心経とほとんど文字数同じ。
 区切りがないと読みづらいので、中点で区切ってみる。

神武・綏靖・安寧・懿徳・孝昭・孝安・孝霊・孝元・開化・崇神・垂仁・景行・成務・仲哀・応神・仁徳・履中・反正・允恭・安康・雄略・清寧・顕宗・仁賢・武烈・継体・安閑・宣化・欽明・敏達・用明・崇峻・推古・舒明・皇極・孝徳・斉明・天智・弘文・天武・持統・文武・元明・元正・聖武・孝謙・淳仁・称徳・光仁・桓武・平城・嵯峨・淳和・仁明・文徳・清和・陽成・光孝・宇多・醍醐・朱雀・村上・冷泉・円融・花山・一条・三条・後一条・後朱雀・後冷泉・後三条・白河・堀河・鳥羽・崇徳・近衛・後白河・二条・六条・高倉・安徳・後鳥羽・土御門・順徳・仲恭・後堀河・四条・後嵯峨・後深草・亀山・後宇多・伏見・後伏見・後二条・花園・後醍醐・後村上・長慶・後亀山・後小松・称光・後花園・後土御門・後柏原・後奈良・正親町・後陽成・後水尾・明正・後光明・後西・霊元・東山・中御門・桜町・桃園・後桜町・後桃園・光格・仁孝・孝明・明治・大正・昭和・今上

 可読性があがって、それなりに、ああ、こいつなあ(不敬!)とか思う天皇が幾人かいる。個人的には若い頃、日本の古代史に関心をもったので、「崇峻・推古・舒明・皇極・孝徳・斉明・天智・弘文・天武・持統・文武・元明・元正・聖武・孝謙・淳仁・称徳・光仁・桓武」あたりはそれぞれキャラが浮かぶ。
cover
天上の虹(22)
 ふと連想で、「天上の虹」はどうなったかなと調べてみたら、えええ!まだ完結してなかったのかよ!で、次巻で完結!いつその次巻?
 話戻して。
 この歴代だが、「今上」というところが、ちょっと感慨深い。僕が中学生のころは「大正」の次にこのEOFマーカーがあったはず。
 こういうこと知らない世代も増えたのかもしれないけど、この歴代天皇名というのは、諡号と言って一種の戒名みたいなもんで死んでからおくったものだから、今の天皇を「平成天皇」とか言っちゃだめなんですよ。ちなみに、天武天皇は生前からそのように名乗っていたらしい、ほかにも後醍醐もそうかもしれない。ただ、後醍醐は「後醍醐天皇」と言っていたわけでもないとは思うけど。
 時代というとあれかな、こういう話すると、それだけで右翼みたいに思われる時代になってしまったようにも思うけど、この歴代天皇というのは、実は日本の伝統でも天皇制というものでなく、極めて基本近代国家の産物。
 別の言い方をすると、「歴代天皇の順番はこういうふうにしろ」というイデオロギーの産物で、だから、そういうイデオロギーがないと困ちゃうなぁ(山本リンダ)ということだった。実質できたのは、大正時代に入ってから。天皇というのをこう考えるというのは、だいたい百年くらいの歴史しかない。
 史実的には大逆事件で幸徳秋水が、やけくそ紛れであったかもしれないが、南朝の天皇を殺害した北朝の天皇の裔を殺害するのは大罪か、とかぶち上げて、これで国論が沸騰したことがあった。日本人って実質的な意味のないものについ沸騰しちゃうよね、というか、どの国民でもそういうものか。
 現在の天皇家は北朝だが、明治維新のイデオロギーは南朝正統論で、矛盾があった。秋水が処刑されたのが明治44年のことで、実は、明治時代中、歴代天皇名は確立していなかった。皇統譜がなかったわけでもないが。このごたごたを経て、結局、北朝の裔の明治天皇が南朝を正統するということでいちおう話がまとまった。
 どういうことかというと、「後醍醐」から「後小松」の北朝側の5人の天皇がこの天皇名から削除されてしまった。

現状:後醍醐・後村上・長慶・後亀山・後小松

北朝:後醍醐・光厳・光明・崇光・後光厳・後円融・後小松

 「後小松」の北朝の子孫が現行の天皇家になる。後小松は一休さんのお父さんでもあるらしい。
 南朝の「後亀山」の後はどうなっているかというと、後亀山天皇には小倉宮恒敦というお子さんがいて、彼が南朝の天皇と称したかは不明。明治時代の終わりになって、三種の神器がない南朝系の天皇は自称ということになった。自称芸術家みたいなもんか。違うか。
 この三種の神器によって正統とするというのはまた別の議論を引き起こす。立ち入らない。
 このエントリは、中二病でつい暗記してしまうものとして、その他のくだらないものを挙げていこうかと思っていたが、ちょっと史実の確認していて手間取った。
 天皇家の話については、オタクな人が多いので、いろいろ議論があるかと思う。それなりにけっこう沸騰する話題でもある。私としては、この手のものは、中二病でつい暗記してしまうものの一例くらいに思っている。
 
 

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