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2014.06.29

やっぱりピンズラーでドイツ語をやりなおそう

 とほほ。ドイツ語についての、このなんとも言えない、微妙な残念感はなんなんだろう。ドイツ語という言語がどういう言語かはよくわかったし、英語をある程度知っている人がドイツ語を学ぶときのキモもよくわかった。そして、英語の表現を微妙にドイツ語に移し替えるコツみたいのもわかったが、が、なんか、この微妙な残念感。一つには音楽性だろうな。
 どの言語にも、美しいといってよい音楽性のようなものがある。いや、どの言語にもあるのかまではわからない。少なくともその言語の国民が、努力して母語の音楽的な美しさを守ろうとする意識に対応してだろうと思うが、それはある。自分がなんとか中国語を120日間勉強できたのも、ああ、中国語(マンダリン)って美しいなあ、という思いがあったからだ。フランス語にもある。というか、フランス人はこれに執拗にこだわりすぎる。ついでに言うと、英国英語や米国英語にもあるのだけど、日本の英語教育だと、そこは語学学習上どうでもいいみたいになっていて、あまり考慮されない。日本人の英語は日本風でよいとか、英語は国際語だからネイティブの発音にこだわらなくてもよいとか。でもなあ、言語というのは、あの音楽性において学ぶもんだろうと思うんだよ。
 と。
 いうわけで、ピンズラーのドイツ語教材が30分無料であるんで、まあ、聞いてみるかなと聞くと、フランス語や中国語のときと同じ感じで、いきなりの状況から始まる。そして有無も言わさず、"Entschuldigen Sie?" "Ich verstehe ein bisschen Deutsch."とくる。最初は若干遅いけど、すぐにナチュラルスピードになる。ああ、ドイツ語やん、という感じ。
 こりゃ、やっぱりピンズラーでドイツ語をやりなおそうかと思った。
 中国語のときは、どうせ自分は中国語なんか習得できっこないから、フェーズ1で挫折したらやめようと思ったけど、結局、現在あるフェーズ4までやって、文化やビジネスや現代中国がわかるフェーズ4はとても楽しかった。
 そうなんだよな、ピンズラーの教材は、文化的にとても楽しい。フランス語のときでもそう思った。なかなかドラマ性もあった。母と息子がのみの市に行くんだけど、息子がやだあ、とかいう状況なんか、おお、そうなんだろうと思った。じゃあ、フランス息子、なにが好きなの? B.D.(ベデ)。なんじゃ、それ。Bande dessinéeのことだ。たぶん、日本の漫画だろう。
 ドイツ語はどうだろう。言語の内側に入って見える文化はなんだろう。そこまで到達できるかわからないが、植田重雄先生の思いの一端が見えたらいいだろうな。
 というわけで、ドイツ語もやるかな。
 中国語のときよりもさらに脱力でピンズラーで向き合ってみるかな。
 ということで、フェーズ1を実は昨日購入して、今、二日目を終えた。"Wie geht es Ihnen, Frau Meyer""Es geht mir gut. Danke. Herr Gordon"。まあ、ありがち。しかし、容赦ないナチュラル・スピードで、とても音楽的。ドイツ語ってこういう言語だ。マグニートーの母語ですよ。
 話はそんだけなのだが、ふと昔のことを思い出した。

cover
German I,
Comprehensive
 中学生のとき、友だちで、ドイツ好きという変なやつがいて(そいつに言わせると私のほうが変だとのことだったが)、NHKで一生懸命ドイツ語勉強していた。おまえもドイツ語学べみたいなことだったかな。当然挫折したのだけど、Rの音はできた。そして、なぜか、「ラウフン・ジー・イェト?」という文だけ記憶に残った。「タバコ吸いますか?」という意味もついでに覚えた。思うに、当時のNHKの語学講座でも初歩で学ぶのは、そんな話が多かったのだろう。そうけば、オリジナルのピンズラーもそういうのだったらしい。まあ、30年くらい前の語学の教材ってタバコでもいかが?という時代だったのだろう。
 「ラウフン・ジー・イェト?」がなんであるかは、ポール・ノーブルの教材を聞きながら思い出したし、文法もわかった。"Rauchen Sie jetzt?"ということだ。
 なんか奇妙なものだなと思う。40年以上もまえのことだ。
 そういえば、NHKでそのころだったが「天下堂々」という変な時代ドラマがあって、そこで謎の言葉「イクベヨイヒト」というのがあった。謎はついにオランダ語だということで、ふーむオランダ語かと、オランダ語ってそう聞こえるのかと思った。オランダ語ってドイツ語に近いんじゃなね、"Ich bin recht"かなとか、そんなことを思っていた。
 少年の日のなんか無意味な一言が、40年以上もたって、奇妙な果実となるというのも人生って、不思議なものだな。
 

 
 

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コメント

Lieber Finalvent-san,

Satzmelodie と言えば、Brecht の 詩を思い出しました。
Ich, Bertolt Brecht, bin aus den schwarzen Wäldern.
In der Asphaltstadt bin ich daheim.
赤ん坊殺しの マリー ファラー
Marie Farrar, geboren im April
Unmündig, merkmallos, rachitisch, Waise
Bislang angeblich unbescholten, will
Ein Kind ermordet haben in der Weise:

30年前、Stuttugart のコンサート聴いた
Nena の Luftbalon

Hast Du etwas Zeit für mich?
Ich singe ein Lied für Dich.

その頃の大学生たちは概ね Nena や Fussballなどに距離があったように私には感じられました。 

投稿: September | 2014.07.01 09:52

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