ピンズラー方式のフランス語学習、3か月目を終えた。ふー。
3か月経った。
基本、音声だけを使ったピンズラー方式の外国学習がどのようなものか。自分が習得してない英語以外の外国語を対象に、自分を実験台に学習の実験をしてみようと思って試してみた。学生時代わずかにかじったもののすっかりだめだめなフランス語を例にした。
当初、1か月で脱落するかと思ったが、1か月はなんとかクリア。ピンズラー方式は、もう徹底的に耳から学ぶから、発音はさすがにフランス語っぽくなる。内容もちょっとフランスに旅行したら楽しいかなくらい。
そのあとも、もうちょっと深めたいなと、2か月目に入る。これもなんとかクリアした。この時点で、なんとかフランス語がわかったような気がしてきた。
そしてようやく3か月目もクリア。
クリアというのがどういうことかというと、音声教材で求められる応答や意味了解ができるということだ。聞いてて、ちんぷんかんぷんじゃないし、応答が求められて、口ごもってしまうということもない、ということ。「ああ、なんか、俺、フランス語聞いて理解し、しゃべっているじゃん」という不思議な体験である。
French III, Comprehensive |
自分はけっこうなんでも挑戦したら3か月はやりぬこうという人なんだが、今回もそれなりに達成できた。90日間、フランス語。
それで実際のところ、フランス語の学習としてはどのくらいなものなのか?なのだけど、3か月目を終えて思ったのは、1か月目や、2か月目のときとは違って「あー、ようやくフランス語学習の入り口に立てたような気がする」ということ。ま、たいしたことないなあということ。
いわゆるフランス語の入門書のようなものを見ると、だいたいこのレベルかなというか、書店でNHKの「まいにちフランス語」の教材を見たら、「ふむふむ、これやったら楽しいかな」と思えるくらい。
基本単語は結果的に500語くらいは覚えたんじゃないだろうか。動詞も50個くらい基本的な活用はできそうな気がする(音だけ)。
語学ってこうやって学ぶものかというのを、もう一段、納得した感じがする。
あと、フランス語のおかげで、英語の、なんというのか、呪いのようなものが解けてきた感覚もある。
例えば、今朝方、ツイッターで「地政学を英国で学んだ」というブログの「留学する際に最も必要なもの」(参照)という記事のリンクがあって、さらっと読んでみたら、こんな話があった。
日本ではあまりこのあたりは意識されておりませんが、使う語彙が豊富であるということは、英語圏ではどうも社会の階層を上がっていく際に必須とされているようで、私は以前あるオーディオブックで「ビジネスで成功するために必要な500ワード」というものを何度か聞いたことがあります。この一例ですが、「溝」(gap)という言葉を使う代わりに、「亀裂」(fissuer)という言葉を使えば、相手にインテリジェントに聞こえる、というものがありました。
たしかにこのような洗練された言葉や単語を使うことができる人というのは、世界のどの国でも尊敬されます。しかもそれが留学先の国で、しかも学問をやるということになると、そもそもの地頭を構成している単語の知識量を問われてくるのは、当然といえば当然のこと。
あ、それ、フランス語だよと思いましたね、"fissuer"。
どうも一世代前の米人知識人の傾向なのか、それ以前からなのか、英語の知的な単語にフランス語が混じっていて、普通の米人は使わないけど、インテリは使うという感じ。"pose a question"とかの表現もフランス語からでじゃないのかな。
話、戻して。
ピンズラー方式はとにかく、耳だ。聞く聞く聞く。聞いて理解して、それを元に、声で問われて自分の声で答える。だから、喋る喋る喋る。
思うに、英語ですら、こんなに徹底的に喋るっていう訓練は受けたことないなあというか(ネイティブの教師はけっこうゆるい)、振り返ると、英語の学習でも、英文のネイティブ録音とか聞くとかくらいはするけど、単語はスペリング見て覚えた。いわゆる学校の英語教育っていうやつかな。
でも今回はとにかく耳で覚えるようにした。"Mon mari est resté en haut."とかの"en haut"とか当然、スペリングを知らないので、あとで気にあって調べて驚いた。聞くと、「あお」というだけだったのだ。
面白いことに、滝川クリステルさんの今年有名になった「お・も・て・な・し」も、なるほど、フランス語だと、けっこうそれぞれ意味をなしているんだとわかった。「お」は水、「も」は言葉、「て」は茶、「な」は単独ではないけど、"On a"とかでよく出てくる。「し」は"if"。というように、それぞれ意味が付いている。英語だとそうはいかない。
というわけで、音声を基本に学んでいるので、依然、スペリングはわからない。それで語学の勉強なのかよというのはあるが、それでも、最低限の読みのレッスンもピンズラー方式には入っているので、簡単なフランス語は読めるようになった。フランスとかベルギーのお菓子を買うと、ごにょごにょ書いてあるのがなんとなく読める(全部理解はできない)。世界史で学んだ「レッセフェール」は、なーんだ、"laissez faire"じゃないかとか。
フランス語筆記体レッスン たのしく、おしゃれに始める フランス語の第一歩 |
というあたりで、ふと、映画とかで見たフランス語の手書きを思い出し、そういえば、あれ、英語と違うよなと思い出し、調べてみると、うむ、違う。いろいろな筆記体があるのは知っているが、フランスの学生が書いているのは違う。なんか教材はあるかと探すと、「フランス語筆記体レッスン―たのしく、おしゃれに始めるフランス語の第一歩」(参照)があって、絶版だったのだけど、たまたま近所の本屋にあったら棚にあったので買ってみた。まだやっていない。フランス語って、手書きに向いているじゃないだろうか。よくわからないが。
文法から学べるフランス語 |
あと、英語で書かれたフランス語の文法書、「Collins French Grammar」を当初、Kindle版で買ったけど、どうも不便なので、えいっと紙のものも買ってみた。正解。紙の書籍のほうがはるかに便利だった。こういう体験は初めてなので、驚いた。
Collins French Grammar (Collins Easy Learning) |
紙の書籍ほうが語学に向いているじゃないか。すると、もしかして辞書なんかもけっこう紙のが便利なんじゃないか。という気がして、「大学1年の仏和辞典」(参照)という小さいハンディな辞書も買ってみた。古い本で絶版なんだけど、古本屋にあった。これ買った理由はもうひとつある。著者の林田遼右先生は、ちょうど僕が大学生のときNHKでフランス語講座やっていた先生だったのだ。
大学1年の仏和辞典 |
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コメント
これで、フランス語の映画ばかり見れば、完璧なんじゃないかな。人間の耳って、すごく頭がよくて、クラシック音楽でソルフェージュとか信じられないくらいすごい。あと、門前の小僧とかも、学問的にも確かだと思う。ま、目も実はすごいんだけど、とりあえずおいておいて。グローバルも、耳と目を中心にうごいていると思う。アメリカ政府も、やってみせたのに、それがまったく日本政府に伝わらず、たぶん、しぶしぶ一つの単語で伝えてきたんだろうね。でも、もっと大切なのは、このあとの目と耳に訴えることがわからなければ、ダメなんじゃないかなぁ。ネットも、耳や目に訴えることが定着しだしてきているし、いいんじゃないかなぁ。ただ、ダメなままなのは、新聞が一番ひどいけど、見えるように聞えるように文章を書かないこと。
ついでに、はてぶで、アトピーがよくなったというのがあったけど、自分も、夏にたんぱく質中心にしたら、小さい湿疹だったけど、これは死ぬまで消えないだろうなというのが、しっかり消えた。で、冬になって、これ以上痩せたくないということで、糖質を増やしたら、一瞬、湿疹ができかけた。で、たぶん、糖質が増えると脱水しやすくて、皮膚が乾燥してしまうからなんじゃないかな。糖質が多いなら、水分が必要、脱水気味だし、効率よく吸収保水するために塩が必要。塩でまにあってくると、なぜか、水分を減らしてしまい、また、悪循環なんじゃないかな。で、排出をすすめるカリウムとカフェインも、悪循環のうち。塩が多すぎるときは、活用できるだろうけど。
で、フランス映画でオススメは、「ぼくの大切なともだち」。監督はパトリス・ルコント。日本の政治家もこれみて、外交での国同士の友情について役立つと思うけどな・・・
いいお年を。
投稿: | 2013.12.30 16:19