ピンズラー方式のフランス語学習の60日間を終えた
基本、音声だけで外国語を教えるメソッドであるピンズラー方式を使ったフランス語の学習、60日を終えた。ふー。けっこうきつかった。
外国語というのは教えるメソッドが優れていたら、楽々、修得できるんじゃないかという期待もあったが、なかなかそうはいかないもんだなとも思った。
![]() Pimsleur Method French II |
それで、どのくらいフランス語を修得できたかというと、とりあえず60日目のレッスンに追いつけるくらいには、しゃべれるようになった。
ピンズラー方式はやたらと問いかけがあって、それに学習者は即座にフランス語で答えなくてはならない。この「即座」がきっつい。でもそれなりには追いついて答えらるようになった。あまり考えずに、"Est-ce que vous pouvez me montrer sur le plan où est la Place de la Bastille?"とか"Ils ont une très bonne carte des vin."とか口をついて出る(合ってるかな)。
問いかけは英語とフランス語。基本、英語を通してフランス語を学んでいることになる。混乱しないかというと、意外と混乱しない。音の響きが違うからだろう。
文法的な範囲では、前のフェーズとあまり変わらず、だいたい大学の第二外国語くらいなのかと思う。30日までのフェーズ1(参照)との違いは、文法事項の差というより、動詞を中心に少しずつ語彙を増やしていくというプロセスだった。「かろうじて第二外国語も勉強しました」というくらいには、ようやくなれたのかもしれないが、いまだ接続法や条件法などは入っていないので、普通の第二外国語の学習には劣るだろう。中学校の英語レベルにもまだ劣るかもしれない。
ちなみにネットにあった仏検4級問題を見たらなんとなく答えられそうだ。受かる自信はないが、こんな感じ(というのは、あとで述べるがスペルと発音がまだ自分は十分結びついていない)。
(1) Il n'y a plus ( ) pain à la maison.
(2) Les enfants boivent ( ) chocolat chaud.
(3) Nous aimons jouer ( ) tennis.
(4) Quelle est ( ) clé du bureau?
①au ②aux ③de ④du ⑤la ⑥les
基本動詞の基本活用などは、なんかもう条件反射的に口をつくようになった。動詞の不規則変化とかも、学習法によっては不規則だとあまり意識しないものだ。
フェーズ1のときは、10日目から30日まで、読みのレッスンもあったが、フェーズ2にはまるでなく、今日の60日目でどさっとまとめてやることになっている。さきほどやってみて、なるほど、フランス語って文字で書くとこういうことになっているのかと改めていろいろ思うことはあった。正書法というのは、どの言語でも大変なものだな、など。
たぶん、文字を最初に見ていたら"le temp"とか「ル・タン」とか言いそうだ。耳には「ル・トン」と聞こえる、というか、「トン」とも違う。たぶん、自分の発音で正しいのではないか。"Montpellier"も「モンプリエ」と聞こえる。「モンペリエ」と別なのかと思ったが、どうもこれでよいみたいだ。フランス語らしい音の響きも出せるようになったのではないか。英語でフランス語を学んで混乱しないのも、音声中心にするからだろう。スペリングを見ると、どうしても英語やローマ字読みに引っ張られる。
60日間、ピンズラー方式のフランス語学習を学んで、はっきりと自分はここが変わったというのはない。日本語の発音は少し変になった。一時的なものだが、レッスンを中座して電話とかに出ると、まずいなこれはというくらい変にはなっていた。しばらくすると戻る。たぶん、口内の発声用の筋肉とかの問題だろう。ちなみに、フランス語のRの音にはほとんど抵抗感はない。フランス語らしいリズム感もついたんじゃないか。
街中というか生活にあふれているフランス語もなんとなく、英語のように身近に感じられるようになった。先日、無印で「ブール・ド・ネージュ」というお菓子を見かけて買って、それなりに美味しかったが、ああ、これは"Boule de neige"か、雪玉ということだよな、とか思った。
ピンズラー方式では一日のレッスンは標準30分ではあるが、フェーズ2では復習を含めて1時間は越えていた。30時間以上、勉強したことになる。フェーズ1を含めると50時間以上にはなるだろうか。長いような気もするが、効率はよかったかもしれない。
どのような外国語学習がよいのかというのは、長年の疑問であった。大学で「英語をいかに教えるか」みたいな分野も勉強したが、そういう自分がきちんと英語を習得した気もしないし、もともと語学の才能がないのだが、それでも英語をきちんと学べたという実感もない。国際的なレベルの語学教育を受けてみたいものだと思っていたが、その夢も、今回だいたい叶ったことになる。
とはいえ、ピンズラー方式がどのくらい国際的に採用されているかはわからない。独自の語学学習法であるともいえるが、やってみた実感でいうなら、このメソッドは、基本、個人教授に近い。中世以降、語学の個人学習というのはこうやって教えていたのではないか。たぶん、ベルリッツ(Maximilian Berlitz)自身が使っていたメソッドにも近いのではないだろうか。というか、いずれ、ピンズラーとベルリッツを比較してみたい気もする。
この先もフランス語を勉強していくとしたら、自分はどうするのだろう? いずれフランス語をきちんと読めるようにはなりたいものだとは思うが。まだわからない。そろそろへこたれるかな。
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コメント
(合ってるかな)というところがかなり合ってないんですけど、これはわざとなんですかね?
投稿: | 2013.11.30 11:50
はじめまして。私は、PimsleurFrench Iでフランス語学習を始めて2か月目に入った者です。レベル1では1日1課づつ学習するのは比較的容易でしたが、IIに入ったら1日1課はけっこう厳しい状況です。教えていただきたいことは、Pimsleur French IIのUnit 6で、英文「Do you have the time to have a coffee?」のフランス語訳の読み上げがどうしても聴き取れません。普通に考えると、「Est-que vous avez le temps de prendre un café?」あたりかと思われるのですが、何回聞いてもそのようには聞こえず、聞こえるままにカタカナで書くと、「Est-que vous avez le temps de プラマイ café?」のように聞こえてしまいます。Pimsleur Frenchコースはテキストがないので正解がわかりません。もしかしたら、「Est-que vous avez le temps de prendre mon café?」かもしれません。細かいことは気にせず先に進めばそのうちわかるだろうとは思いますが、もしも教えていただけると大変ありがたいです。よろしくお願い申し上げます。
投稿: t-yamasaki | 2014.09.16 19:02
t-yamasakiさん、こんにちは。該当レッスン聞き直してみました。幸い冒頭なので簡単に行き当たりました。私の耳では、そのまま"Est-que vous avez le temps de prendre un café?"と聞こえました。もしかすると、聞いている機材の影響もあるかもしれません。というのは聞き取りづらいときはヘッドフォン使うとよいと思っています。
投稿: finalvent | 2014.09.16 19:25
ご親切な回答ありがとうございました。もう少し先に進んでからまた聞いてみたいと思います。私は61歳の公立病院に勤務する産婦人科医で、8月中旬よりフランス語を始めたばかりで、貴ブログで56歳の方が120日でレベル4まで終了できたという記事をたまたま読んで、早速、アマゾンでPimsleur French Iを注文してフランス語学習を始めました。今回、フランス語を学び始めたのは、たまたま自分の娘がフランス人と結婚し、もうすぐフランスで初孫も誕生することとなり、次回の渡仏までにフランス語で何とかコミュニケーションできるようになっておきたいという単純な動機です。今回は本当にありがとうございました。
投稿: t-yamasaki | 2014.09.16 20:30
t-yamasakiさんへ。お話を伺ってそれは嬉しい動機だと思いました。
ピンズラーではごく基本的な文法は2で終わります。3まですると初歩のフランス語はカバーできます。
4ではフランス文化の一面がのぞけるようになって愉しいです。耳を慣らす点では2までをしっかりやったほうがよいように思います。
あと、ピンズラーでは語彙が足りないので、Duolingoで補うとよいと思います。初歩の文法の確認にもなります。
投稿: finalvent | 2014.09.16 20:44
Pimsleur French ⅡのUnit 10の12分15秒あたりで、
"Aujoud'hui mon mari travaille jusqu'à six heures."の次に、"Il travaille スボタ(???)."と読み上げられる文の意味がつかめません。ここ2~3日、私の耳に”スボタ”としか聞こえない部分のことが気になりまして繰り返し聞いているのですが未だにわかりません。細かいことは気にせず、先のunitに進んで、後から再度聞いてみれば多分わかるんじゃないかとは思いますが、いつかお時間のある時に、ここは何と言っているのか教えていただけないでしょうか?私もFrench Ⅳまで購入して、何とか年内には終了したいと思って取り組んでます。しかし、最近はなかなか予定通りに進みません。
投稿: t-yamasaki | 2014.09.23 01:09
t-yamasakiさん、こんにちは。該当箇所ですが、"Il travaille souvent tard."と聞こえました。「彼はいつも遅くまで仕事をする」だと思います。
私は今、GermanのほうのIIのUnit20あたりをやっています。聞き取りは難しいなと思います。
投稿: finalvent | 2014.09.23 07:10
今回もありがとうございました。非常に助かりました。
Il travaille souvent tard.ですか。そう言われてみるとそのように聞こえてきました。私にとってフランス語の聞き取りは本当に難しいです。初心者の基本的な質問ばかりで誠に申し訳ありません。
私もピンズラーフランス語を最終教材まで一通り終えることができましたら、ピンズラードイツ語もやってみたい気がしてきました。40年ほど前の大学時代の第二外国語はドイツ語でしたし、医学部の大学院入試の時にもドイツ語の試験があって試験直前に一夜漬けでドイツ語の勉強をしました。もうあらかた全部忘れてしまいましたが、定年退職後の趣味としてドイツ語をまたやってみるのも悪くないと以前から考えてました。やるならドイツ語もピンズラーでやってみたいです。多少は認知症予防対策にもなるかもしれません。
投稿: | 2014.09.23 07:55