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2013.10.30

とりあえず30日間ピンズラー方式でフランス語を勉強してみた

 特に深い理由もないのだけど、とりあえず30日間フランス語を勉強してみた。しいていえば、脳トレになるだろうかという思いだった。
 脳トレというのは筋トレからの連想である。筋トレを初めてもうすぐ5か月。成果は依然、あるような、ないようなという程度。なので、やりかたは間違っているのかもしれないし、そもそも、自分の年齢を考えたらそんなものさ、というのはあるかもしれない。
 それでも、この年になっても、筋トレやってみるもんだなという実感はある。あると言えばある。もともと太っているタイプではないが、さらに身体がしまった感じはする。脚はかなり軽くなった。腕の筋肉は思ったほど付かないが、肩の筋肉が少し付いてきたのか、衣服が着やすい。姿勢って肩と胸の筋肉のことだったのなと思う。それと筋トレに合わせてやっている有酸素運動の成果なのかわからないが、いまだに半袖で通している。で、今度は脳トレ。
 脳トレが必要なのか。ボケて来たのか自分? 年取って脳がボケて来た感はあるかというと、残念ながらあるなあという感じがしていた。では脳トレに効果があるかというと、これは現状では医学的にはよくわかっていない。でも、やってみて悪いものでもないだろう。では何をするかということで、語学なんかいいんじゃないか、フランス語とか、という単なる思いつきだった。
 大学に入ったころ、大学生というのは第二外国語をするものだというのと、アドバイザーがNHKでフランス語を教えていた三保元先生だったので、フランス語でも勉強するかなと思ったものだった。ちなみにフランス文学は彼女に学んだ。
 当時のフランス語の勉強だが、岩波書店の学習書とか買って自習した。そのころ古典ギリシア語やラテン語を学んでいたので、そんなのと並行していた。
 古典語というのは文法を理解したら、あとは字引で文章を読むばかりなのだけど、現代語というのは、そういうものではない。だけど、なんとなく古典語も現代語も同じような感じで理解していたので、結局、フランス語がどういう言語かというのは理解しても、使える語学としては全然身につかなかった。
 その後、ドイツ語とかもちょっと囓ったけど同じようなもの。さらにその後大学院に進むにあたり、第二外国語が必要になり、こともあろうかロシア語を学んだ。いちおう学んだのだが、これが完膚なきまでになんも覚えていない。語学、だめだ、自分。そもそも英語もろくにできないし。
 という状態で、人生は過ぎていって、50歳も過ぎて、いまさら語学なんか勉強しても残された人生、そんなにないし、そもそも頭脳も劣化するばかりと諦めの境地だったが、渡部昇一が70歳近くなって、若い頃に断念したラテン語を本格的に勉強しはじめたことも思い出し、そういうのもあるかもしれないと思い直していた。
 そもそもこの年になって、ゼロからスタートというほどでもないが、ほとんどゼロになっている状態で、第二外国語とか修得できるんだろうか?と考えたら、自分で実験してみたくなった。
 若い頃、英語の教職課程も取って、自分がたいして英語もできないのに、英語をどう教えるかという理論も少し学んで、各種の語学教授法があるのは知っていた。あれをフランス語で自分に適用したら、いったいどうなるんだろう? こりゃもう、試してみるしかない。

cover
Pimsleur French I,
Comprehensive
Learn to Speak and Understand
French with Pimsleur
Language Programs
 たまたまオーディブルに「ピンズラー」があった。日本のアマゾンでCD版も売っている(参照)。ピンズラーというのは応用言語学者のPaul Pimsleurで、独自の言語学習法を確立した人である。どう独自かというと、いくつか基本の理論があるのだけど、簡単にいうと、音から順に入る。つまり、対話的に教えていくということ。教本はない(実際にはある)。この際、できるだけおうむ返しはさせない。「はい、私のあとについて言ってください」というのは基本的にはない(実際にはある)。
 この手の語学学習法は、グレーデッド・ダイレクト・メソッドといって、いくつか種類があって、理論的にはピンズラーが優れているかはよくわからない。まあ、ごたくはいいからやってみるか。英語でフランス語を教えるという教材である。頼るのは耳と記憶力だけ。第一段階は30日間。一日のレッスンは30分。
 実際のところ、自分がどこで、これを放り投げるのかというのにも関心があった。どうせ第二外国語なんて、むりむりと思っていたのだった。
 結論からいうと、第一段階、30日が終わった。どのくらい成果があったかだが、限定された語彙なら、ひょいと口をついてフランス語が出てくるようになった。自分でもけっこう驚いている。
 フランスに行って、ナンパして、食事して、お買い物して、20ユーロは高いですね、18ユーロでどう。ダコール。みたいなことは言える自分がいる。もうちょっと言うと、初級フランス語くらいの文法は知識じゃなくて自然に音感みたいにカバーできた。
 第一段階は基本的に三つに分かれている。最初の10日間は、こんなんでいいのかなあという感じだが、それでも、ばしばし問われては、喋らされる。ほんと、記憶力テスト、脳トレという感じ。
 次の10日間は、徐々に語学学習が深まるという感じ。文法的な説明はあるけど、極めて少ない。驚いたことに、文法を類推させるような問いかけがある。
 どこで自分は断念するのかなと、そして残りの10日間くらいになると、当初、英語だったインストラクションがフランス語になってくる。つまり、フランス語で問われて、フランス語で答えるというものが多い。言われているフランス語を聞いて問いかけを理解しないといけないので、ぐっと難しくなり、1日30分じゃむりだと二回くらい聞くようになる。1時間かかる。でも、二回目くらいにはわかる。レッスンの冒頭に、それまで学んだ単語と文法で一連の会話を聞くのだけど、あれれ、自分、フランス語聞いてわかっているのかという、変な気分になる。
 これはすごいやと思った。一日30分なら30日で15時間だけど、実際には20時間以上はかかった。というあたりで、TEDにあった20時間でなんでも学べるという話を思い出した(参照)。この話題、昨日のGIGAZINEにも載っていた(参照)が、20時間で新しいことを身につけるには4つのことが重要。余談だけど、これって基本的にデカルトの方法序説と同じ。

(1)習得したいスキルを分解する
(2)自分で間違いがわかるくらいにまで学習する
(3)じゃまになる物事を排除する
(4)少なくとも20時間は練習する

 これらの点で、ピンズラーはすべて満足している。スキルは最初から分解されグレーデッドされている。間違いはすぐにわかる。じゃまになる……というのはなんだけど、文字を排除するのは意外に語学に役立つ。20時間はぴったり。
 文字を排除するというのは、これは言語学ではごく基本の考え方なんだけど、語学学習ではなにかと徹底されない。しかし、Pimsleurはさすがに言語学者だけあってけっこう徹底させていた。それでも、文字を全部排除するわけにはいかず、レッスン9から読み方のレッスンが入る。これがまた実に独自なものだった。あと、レッスン28に、ものすごい爆笑もののレッスンがあって感動した。
 さて、これがしかし万人に向くかというと、わからない。なにしろ基本は英語でフランス語を教えるのだから、それだけで、めんどくさいなあと思う人もいるだろう(実際は逆で、英語とフランス語の違いがよくわかってよいのだけど)。
 あとで知ったのだけど、ユーキャンというサイトにピンズラー方式で日本語でフランス語を教えるという教材があった(参照)。費用は29,000円ということだけど、いちおうスタンダード価格ではある。このユーキャンのだと、ちょうど私がやった第一段階しかないみたい。ちなみに、英語のほうは第四段階まであって、どのくらいのレベルかサンプルを視聴したが、英語の第四段階でもごく初級という感じだった。
 あと、ユーキャンは「標準受講期間:3ヵ月(最短1ヵ月)」とあるけど、自分の印象では、Pimsleurは人間の記憶忘却曲線みたいなのも考慮しているようだ。日数の忘却率が想定されていると感じた。なので、毎日続けたほうがよいと思う。これは、ほんと魔法みたいなんだけど、記憶力トレーニングにもなっていて、面白かった。
 さて自分はこの先まだ第二段階へ進むのかというと、まあ、できるとこまでやってみようかなという感じ。
 
 

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コメント

寒くなくても、薄着じゃなくて、厚着していた方がいいみたいですよ。体温を維持するほうに栄養が回ってしまうみたい。ま、実験するなら、筋肉をつけたいところだけ、布を厚くして保温してみるとか。肩に筋肉がついたなら、肩が暖かくなっているのかも。オススメの部位は、太もも。結局、冷えていると血流がさがって、栄養が筋肉細胞に届かないのでしょう。

語学かぁ、ひたすら聞くのがいいのかなぁ、韓国ドラマばかり見ていたら、どんどん単語が入りだしてきているとのと、もしかしたら、脳も筋肉と同じ血流効果があるのかもと、きょう思うこのごろ。

投稿: | 2013.10.30 21:01

こういう無謀(?)なチャレンジ、キライじゃないです。爆笑しながら拝見させていただきました。

投稿: にほんじーん | 2013.11.01 03:00

わたしも、40歳を過ぎてから韓国語学習をはじめました。

50歳が来年の今、少しずつドイツ語学習を始めています。

意味がわからなくても、サンスクリットの仏典をカタカナ発音して、陀羅尼に用いています。

私は、機会さえあれば、これから、モンゴル語やトルコ語やチベット語みたいな、日本語と語順のほぼ同じ日本語の類縁言語とか、マレー語、インドネシア語、タガログ語のような、東南アジアの島嶼の言語を学ぶ意欲も持っています。

final先生も、大意欲を持って、語学に向かい合い続けてくださいませ。

投稿: enneagram | 2013.11.18 06:49

このポストを見てからこの学習法がずっと気になってまして、本家のHPからオーディオ版を買って、part1を試してみました。ほんとは将来的に仕事に役立つのでマジで身につけなきゃいかんのですが、私もいつまで続くのかな、位の軽い気持ちでやってみます。。

微妙な発音が難しいですね。 Vousのヴが英語のヴとも微妙にちがうし、Americanのリの部分とキャンの部分がうまく口が作れないです。

投稿: | 2013.12.13 01:24

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